前後編でお届けしている山田北斗さん(『Violet』)×せなばぶことsenaさん(『TOP DANDY -1st-』)の対談。後編は「売れるホストの共通点」がテーマ。グルダンことgroupdandyのレジェンドとランカーが語り合う“売上がついてくるマインド”は、夜職に限らず今より上を目指したい人必見です♡
―歌舞伎町には星の数ほどホストがいますけど、その中で頭ひとつ抜けるためには何が必要だと思いますか?
sena これは前にも言ったかもしれないけど、売れるためにはホストとしてあたり前のことをあたり前にやるだけなんすよね。
山田 確かに。そうだね。LINEとか電話とか連絡マメにして自分の時間も使って。仕事を休まないっていうのもあたり前のことだし。
sena 数は多ければ多いほどいいと思う。連絡の数も人が5人連絡してるなら自分は10人連絡するとか。アフターだってみんなが1件行ってるところ3件行ってたら、3件行ってるほうがいいじゃないですか。仕事を休まないっていうのもチャンスの数を増やすって意味でもあるし。
山田 数は大事だね。
sena 俺も最初にランカーになった年とかアフターはだいぶハシゴしてたけど、山田とも毎日のようにすれ違ったよね?
山田 よく行くバーが一緒でね。
sena やっぱ山田も毎日アフターしてるんだな〜。あの人があんだけやってるんだったらこのぐらいやらないとダメだよねって俺思ったもん。
―あたり前のことをあたり前にやるって難しいんですか?
sena そんな難しいことじゃないと思うんだけど、なぜか意外とできなかったりするよね。
山田 何度言っても起きられないとかね。LINEの返信もどうしてこんなに遅いんだろうとか。こっちからも言うけど、結局は自分で気づかないと直らないんで。そいつの人生だしな、まあいいかみたいな。
sena この業界、普通のレベルが結構低いっすからね。
山田 ホストをやる人たちっていい加減な人たちが多いから。だからこそあたり前のことをあたり前にできるやつが目立てるっていうのはあるよね。午前の11時とかって普通にお昼の仕事してる人からしたらもう昼休憩の手前くらいの時間じゃない? その時間に起きるだけで「すごいね」ってホメられるのがホストの世界だから。じゃあみんないつ起きてんだよみたいな(笑)。
sena だから周りがやってないことをすれば売れる。早起きして一本でも多くLINE返すとか。
―山田さんもsenaさんも後進の育成にあたっていると思いますけど、伸びるホストの育て方ってあったりしますか?
山田 ホストの仕事って人によってやり方も違うし本人のやる気と覚悟しだいなんで。正解の教え方ってないんですよ。できることがあるとしたらモチベーションを上げるとか悩んでたら相談に乗るとかそういうメンタルの管理くらい。
sena 結局背中で見せんのが一番手っ取り早いんじゃないすかね。結果を出し続けていればそこから何かしら盗んでくれるコは盗んでくれるだろうから。
山田 俺もその方針。背中見せてそこから何か感じ取ってもらえたらみたいな。そこからは売れてやろうって思ってるコは勝手に売れるから。
sena ほんとに売れたいと思ったら売れてる人に話を聞きに行ったり、見て盗んだりするだろうしね。
―山田さんはREDの代表時代とViolet社長の今とでは、見せる背中も変わりそうですよね?
山田 それは確かにあるかも。立場が違くなっちゃったんでね。でも、だからこそまだプレーヤーやってるっていうのはあるかな。同じ土俵で接客することで教えられることもあるから。
sena ガチではやってないよね?
山田 そこは一歩引いてゆる〜くやってる。2割自分のお客さんで8割ヘルプみたいな。俺がヘルプに着いてることでヘルプ回りってあたり前なんだと思って動くようになってもらいたいし。いずれにしても動かない上司より動く上司のほうがよくない? そういう感覚。独立を見越してRED時代も最後の1年くらいはヘルプ周りとかバーッとするようになってたよね。
sena ゆる〜くやっているとはいえ、山田の接客を間近で見られるって良い環境だよね。それこそ山田がしょっちゅうファーストに来てた時期は、山田のやり方が知りたくてここぞとばかりにヘルプに着いてたし。
―「超売れてる人が来た!」みたいな?
sena そう! その頃ファーストでランカーの人がいなかったから、尊敬できる先輩はいっぱいいたけど。だから同業の売れてる人から盗むしかないなって感じで。でも、同業で来てるだけの他店の先輩に「どうやって売上上げるんですか?」なんて聞けないじゃない。だからヘルプで着いて全部盗もうと思って。
山田 それだよね。結局そういうふうにやりたいって思ったらみんな勝手にやるんですよ。売れてる人の共通点はこれ。自発的に動けるやつが売れる。
―山田さんの接客から学んだところも多々あるんですか?
sena めちゃくちゃありますよ。会話の盛り上げ方とか場の空気作りとか。こういう感じで場を盛り上げてこんな感じで女のコに話して、それでREDに戻ってシャンパン入れてもらうのか…とか。めちゃくちゃ学習してた。この話、山田にも結構してるよね? ずっと見てたっつって。
山田 してるね(笑)。
sena でもほんとにそれで俺売れたからね。山田のやり方を見て覚えたのがちょうど9月、10月くらいで、これを来年からできるように予行練習しておこうと思って11月12月で自分なりに模索して。それで1月に初めて1,500万売って、そこからほぼ毎月1,000万売り続けて2年連続グルダンのランカーになって…。だから山田は俺の師匠なんだよ。
―senaさんみたいに自発的に動ける新人っています?
山田 珍しいんじゃないかな、ここまで自発的に動ける感じって。だからこそ売れたと思うし。
sena 自分で言うのもあれだけど結構珍しいよね(笑)。
山田 みんながみんなsenaみたいだったらいいけど、そんなことはないから。だから上の人間が引っ張っていって意識を高める必要があるのかなって思う。売れるってカッコいいことなんだよ、売上を上げるとこんな楽しくてこんなにキラキラできるんだよっていうことを、言葉で伝えるんじゃなくて先頭で見せていく。
―「自発的に動けること」以外にも売れるホストの共通点ってあったりしますか?
山田 目標を決めてそこからブレないとかね。ブレずに進んでいける人は強いよね。
sena そういう意味でも継続って大事じゃない? 決めたことをずっと続けられるかどうか。
山田 それが一番難しいかも。
sena 瞬間的にモチベが上がっても、1カ月後もそのままのメンタルでやれているかっていったらなかなかないじゃない? ヤル気はあっても二日酔いで体調悪すぎてその日何もする気力がないとかさ。
―体調管理も普通に重要ですね。継続を阻むものっていろいろありそう。
sena 落とし穴だらけだよね。
山田 そこをどう保ち続けるか。
sena ホストって何か特別な技能がいるわけじゃないし、なんなら誰にでもできる仕事なわけで。でも、ランカーって毎月同じようなメンツじゃない? 下克上があんまりない。それって継続できる人がどれだけ少ないかってことだと思うんだよね、俺は。
―そう聞くと、「あたり前のことを継続できる」って改めて偉大ですね。逆に継続できる人の根底には何があるんですか?
山田 やっぱり覚悟じゃないすか。俺にはこれしかないっていう。
sena 俺もそう思う。この仕事で稼ぐっていう強い気持ちとか。
山田 俺はホストになる前はクソみたいなギャル男で、一発逆転するんだったらこの仕事しかもうできねえよって感じでホスト始めたの。グルダンに入った目的も名前を売りたかったからだし。有名になりたい欲がものすごく強かった。
sena やっぱ欲だよね。有名になりたいとか、金稼ぎたいとか欲がどれだけ強いか。
山田 そうそう。最初はさ、有名になりたくて頑張ってたの。でも「有名になる=売上」なわけで、それで売上を追いかけてたら名前も売れてお金も入ってきたみたいな。その逆もまた然りで。
sena 得られるものは全部セット。欲にどれだけ忠実になれるかが一番大事なことかもしれない。
―ところでホストクラブってミーティングを頻繁にしているイメージがあるんですけど、何を話しているんですか?
sena 確かに。何かとミーティング多いね。山田は何話してるの?
山田 何話してるかな? やっぱ仕事意識の問題。さっき言ったようなことはすごい言う。
sena まあ、俺もそうかな。マインド的なとこ。
山田 ローランドさんとか見ててすごい思うんだけど、ホストってエンターテイナーじゃない? 結構そういうことを言ってるかもしれない。なんで源氏名を背負ってるか考えなって。
sena エンターテイナーっていうのはめっちゃわかるよ。
山田 俺はさ、本名のときは別にそんなに人と関わろうとしないし、むしろ独りでいるのが好きっちゃ好きなタイプなの。でも、源氏名の山田北斗を背負ったときの自分っていうのはいつでも明るくていつでも元気で人を楽しませるのに特化するみたいな。だから源氏名を背負っている意味を考えなさいって。源氏名を背負っている以上、女のコを楽しませなきゃいけないんだよってことはよく言う。
―源氏名って別なキャラクターになるための仕組みなんですね。
山田 演じる役名みたいな。それはめちゃめちゃ大事だなって俺は思うし、そうやってキャラクターに没入できるコ、素の自分から離れて女のコをたくさん笑わせてあげられるような男のコは伸び率がいいなって思う。
sena 俺も「素の自分」と「ホストのsena」との間にはだいぶ幅があるっすね。素は全然人としゃべんないタイプだから。陰キャで根暗。休みの日は家から出ないんで。でも、それとこれとは別なんすよね。普段通りの自分でいてお金もらえるなんてそんな甘いことはないんで。お金をもらっている以上は楽しませなきゃいけない。
山田 素の自分はどんな人間だっていいの。源氏名背負ったときにどれだけエンターテイナーに徹することができるか。
sena そうなんだよね。そりゃあ俺だってただボケッと座って、「入れろや」って言ってお酒入るならいいけどそんなふうにもいかないんで(笑)。senaとして毎日LINEして毎日いろいろしゃべったりして楽しませて、その先にあるのが売上だから。あたり前っちゃあたり前だけどね。
―売れるホストになるために生活習慣から変えられるところがあるとしたら、何をアドバイスします?
sena とりあえず早く起きる。そこから始めようって言うと思います。
山田 早起き! 大事だね。
sena 早く起きたらそれだけでもLINEを送る回数が増えるし。女のコのほうにしても、自分が起きて働いてる時間にぐーぐー寝てられたら何か微妙じゃないですか。
山田 俺の場合でいったら、売れる前とかは2時間に1回起きてLINEしてたなぁ。
sena それ俺も真似したよ! ホストTVで山田がその話をしてて、「この人がこんだけやるんだったら俺もやらんとならんな」と思って。俺も2時間おきにアラームかけてLINE返したりしてた。
―senaさんってすごい素直ですよね。良いと思ったらスッとやっちゃう。
sena 俺、いい意味でバカなんすよ。
山田 ははははww
sena 「そうなんだ!」って真に受けちゃうんすよ。
山田 そういうことねww
sena 結果残してる人が言うなら本当なんだって。そのときの山田は雲の上の存在みたいな人だったから。
山田 “素直さ”はすげえ大事。ホスクラのミーティングでもよう言われてることだよね。あと、売れるためのアドバイスをするとしたら「女のコの気持ちを考えて行動してみよう!」ってことを言うかな。それだけでやることが全然変わってくると思う。
sena すべてはそこかも。ここまで難しい話をいろいろしたかもだけど、結局行き着くところはそこ。
山田 こう言われたらどう思うか、こうされたらどう感じるか、どうされたら納得できるか。わかんなかったら自分に置き換えて想像してみればいい。
sena 自分がされて嬉しいことは人もされて嬉しいし、自分がお金使う側だったら、使ってもらう側にははちゃんとしてほしいって思うのあたり前だから。1通でも多くLINEくれたら嬉しいし、自分のために時間使ってほしいって思うのはあたり前だし。そう考えたらやらなきゃいけないことは見えてくる。
山田 結局それだけだよね。売り方のテクニックとかいろいろあるかもしれないけど、ホストに必要なものって相手のことをどれだけ想像できるか。突き詰めると想像力なんじゃないかな。
前後編でお届けした山田北斗さん×senaさんの対談、いかがだったでしょうか。おふたりが語ってくれた良いものをどんどん取り入れていく素直さや想像力、職業問わず成長には欠かせない要素かもしれないですね♡
接客術有名ホスト紹介
山田北斗 vs sena 対極の接客スタイル&小計60万の時代を語る!!【対談:前編】
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