ローランドグループの新たなエース、“殿”の愛称で知られる『THE CLUB』の徳川流一さんがボーテ初登場!
昨年度は売上的にもブレイク年。歌舞伎町進出2年目で大きく飛躍した徳川さんのこれまでを深掘り! 生い立ち、職人時代といったバックグラウンドから、地元横浜での下積み時代、売り方を180度変えての歌舞伎町での挑戦、そしてこれからのこと…。大河ドラマ級な“殿”のホスト人生をじっくりうかがいました。
端正な顔立ちからは想像できない泥臭い努力の数々…。困難に直面しても、腐らず打開策を講じて突き進むお話はヤル気が出ること請け合いです!
徳川さんは「殿」と呼ばれているんですよね。
ローランドさんが最初に呼んでくださってそこから浸透しました。いろんなところでそう呼んで頂けて嬉しいです。やっぱ“殿”ですからね(笑)。
源氏名の由来も聞きたいです。
最初は“流一”だけでやってたんですけど、名字も欲しいなと思って。それなら武将系がいいなと。「天下取りって意味で徳川いいんじゃない?」という姫の勧めもあって徳川流一になりました。だからか下の名前は徳川っぽくないんですよ(笑)。流一は本名に近くて。なんなら本名のほうがホストっぽいです。
ホスト歴や前職は?
ホストは21歳からやっていて今年で9年目。それ以前は職人です。型枠大工っていう建物にコンクリートを流し込む枠を作るっていう。
職人さんからホストに。何かキッカケが?
シンプルに「お金欲しい」が理由です。親友がいたんですけどそいつも職人で、「俺ら金ないね。どっかで1発ひっくり返したいね」みたいな話になって。「じゃあ、どっちも顔いいし、ちょっとホストやってみるか。もしかしたらもしかするんじゃない?」と。それで横浜でホストをはじめて…。
最初は横浜だったんですね。
伊勢崎町の隣、福富町ってとこにホストクラブが30店舗ぐらいあるんですよ。そこの『club Aias(アイアス)』というお店に6年いました。
6年、結構長い。
ほんとは最初から歌舞伎町でやろうと思ってたんです、その親友と一緒に。「売れてタワーマンション住もうな」って言ってたんですけど。タイミングがなかなか。僕はすぐ職人にやめたんですけど、親友のほうはもうちょっと掛かるっていうんで。じゃあそれまで、地元だし横浜でホストやっとくわって。
で、1カ月、2カ月、3カ月…と、揉まれながら下積んで、その間に親友は風俗のボーイとかやりはじめてて。「いや、早くこっちおいでよ」とか言ってるうちに、自分は自分で役職がついたりして責任感が芽生え…。そのうち代表になったりもしちゃってますます…。お客様からも「歌舞伎町に行ったほうがいい!」とはめっちゃ言われてたし、早く歌舞伎町で勝負しなきゃと思いながらもなんだかんだで6年(笑)。
義理堅いんですね。
育ちが結構波瀾万丈で。話すと長くなるんで割愛しますけど、中学の頃とか家に帰れなくてほぼ公園で暮らしてたりザリガニ食べて生きてたり。それまでの人生が大変な感じだったんですよ。それで周りからもあいつヤバいねみたいな感じだったから、自分の居場所っていうのがずっとなかったんですよね。
だからホストになって、姫や周りから必要とされて人に求められることがほんとに嬉しくて。はじめてできた大事な場所だったから、そんな簡単には捨てられないじゃないですか。でも、4年目ぐらいのときローランドさんの存在を知って、この人のお店で一緒に働きたいって思ったんです。ただ、そのときはもう代表だったんで。そんな即やめられるはずもなく…。キレイにやめるまで2年かかっちゃいました。
そして2023年2月、THE CLUB入店!
最初めっちゃ苦戦しましたね。THE CLUBは一般的なホストクラブとは売れ方が違ったんで。やっぱりチャンネル登録者数140万人以上のローランドショーがあるので、「会えるアイドル」色も強かったんですよ。YouTubeで活躍するキャストさんたちがスターだし、みんなその人たちに会いに来る。わけのわからん知らんやつがポンっと入って来ても誰も見向きもしない。
初回に着いて「流一くんカッコいいね!」って好感触でも、次にYouTubeにいつも出てるキャストが着いたら、「わぁ、○○くんだ!!」って一瞬で持ってかれちゃう。自信満々で入店してきたんですけど、それまでのホスト技術はまかり通らないことを思い知り、自信も一気に崩れ…。THE CLUBは移籍者は絶対に売れないって言われてたんですよ。みんなやめちゃうって。その意味がわかりましたね。
みんな心折れて…。
初回に着いても送りも飲み直しも取れない、しかも、素人って言ったらあれですけど、顔も接客スキルも明らかに自分より劣るコに負けちゃう世界。何年もかけて培ってきたホストのノウハウが全否定されるわけだから。プライド的にやめちゃうのも納得みたいな。
徳川さんは折れなかったんですか?
そこで1回つまづいて、「あ、なるほどね」ってなった。違うんだなって。そのときに吹っ切りました。郷に入っては郷に従えで、今までのやり方が通用しないなら、そこのやり方でできるようにするしかない。これはどうにかしてまずはYouTubeのカメラに映んなきゃいけないなと。
それで、YouTubeのディレクターさんの注意を引くために、ローランドさんが言ってるようなセリフを言いまくったり、顔に湿布貼ってでっかいマスクして出勤したり。どっかで引っかかってくれ!と思いながらあの手この手でアピールをしてたら、たまたま顔に湿布貼ってるときに「それなんですか?」と。
おや、様子がおかしいぞと?
どうしたんですかと聞かれて、「親知らず腫れちゃってて」みたいな。マスクで接客いいんですか?って問いにも、「いや、マスク越しにイケメン伝わるんで」とか尖ったことを言い、初回に着いたら着いたで「イケメン来たよ」とかスカしかことを言いまくり…。でもそれで「なんだこいつ?」って興味持ってもらえたのか経歴を聞いてもらえて、やった!っていう。
ちょっとした出演でしたし、大大的に目立ったわけではないけど、ここから徳川流一って人がいるんだって認知してもらえるようになったので、メディアの力デカいなって思いましたね。
ライブ配信もされてますが、こちらはいつから?
それは入店直後から。ローランドグループは配信文化だからそこは外せないと思って。PCなかったんで取り急ぎインスタライブをめちゃくちゃやってました。最初は同接2人とかで(笑)。そこからどうやったら人を呼べるか試行錯誤して…。誰も見てないだろうけどぶっ通しで3日間ライブ配信をしたり。「バカ殿」とかいって顔面白塗りにして配信したり。注意を引けそうなことはもう全部やって。そしたら「こいつぶっ壊れてるわ。ハハハ」みたい感じで先輩がメンションしてくれたんですよ。それで結構、同接増えたりして。メンションありがたかったですね。
そういう努力の成果が表れはじめたのは?
割ともう入店して3カ月、4カ月経ったくらいには。YouTubeでカメラを向けてもらえることも増え、売上も上がりはじめ、配信にも人が集まりだし…。
やっぱりローランドショー効果?
でも案外、出たから売れるってわけでもないんだなっていうのは見てて思いました。出演動画が100万再生いったから売れるかといったらそうでもない。いじられておもちゃにされて終わるか、そこをちゃんとひっくり返せるかは自分のSNSや配信とどう絡めるかしだい。「この人ってこういう人だったんだ」と、ちゃんとアピールをできるかどうかで変わるなって思います。
興味を持ってもらう入り口としてYouTubeは絶対だけど、よりコアな自分を見せて人間性を知ってもらう場として配信も超大事。両方あって上手くいくっていう感覚?
配信でコアなファンを作るために心掛けていたことは?
しっかり大義を作ろうって意識してました。大義というのは「この人だったら推せる。なぜならば…」という理由の部分。そのために公言したことを守るっていうのはやってましたね。小っちゃいとこでは売れるまでペットボトルの水飲まないとか、野菜しか食わないとか(笑)。
なんですかそれ?(笑)
「俺、売れるまで水道水飲むよ!」みたいな。「肉も食べない。野菜のみ!」とか。そういうことを勝手にやってました。「売れたら○○やります」とか。かわいい話ですけど、そういうちっちゃな積み重ねをリスナーさんと共有することで一体感が持てるし。1回2回だったらそっかってなるけど、小さな約束でもそれを守ったり達成していると本気度って伝わるんですよね。
大きいところでは自分の売り方の方針やルールを説明してその姿勢を貫く。そこから外れることは絶対にしない。たとえば、「俺は売り掛けしないよ。アフターもしない。枕もしない。それでも売れるホストになりたいんだ」っていうのは最初からずっと言ってましたね。
アフターもしないんですか?
しないです。その時間も配信に使いたかったので。そっちに全振り。なんだろう、従来のホストの売り方とは真逆のやり方で売れたかったんですよ。売り掛け、色恋、枕みたいなホストの最悪のワードあるじゃないですか。横浜時代はそういうの全部やってたんです。でも女の子もしんどいし俺も苦しいし。こんなやり方じゃ誰も幸せにならない。もうそれが嫌だってなったときが歌舞伎町に移ったタイミングでもあって。だからTHE CLUBを選んだっていうのもある。ローランドさんのお店だったら絶対クリーンなのはわかっていたから。
やり方をガラッと変えての歌舞伎町だったんですね、それはなかなか大変。
だから最初に苦労したっていうのもあります。女のコを沼らせるようなやり方をしていたらもっと早く指名も掴んで売上も上がってたと思いますけど、「俺はそういうのはしないよ」と配信で言い続けるっていう(笑)。
枕はおろかアフターもしないんじゃ、なんだこいつ面白くねえなって省かれるじゃないですか。それでもずっと「こうなりたい!」って理想の一点張り(笑)。「いや、それじゃお前売れないよ」みたいな感じになってましたけど、真剣に伝え続けているうちに、1人、2人とそれでも指名で来てくれる人が現れ出して…。
言い方失礼ですけど、その方たちは何が良くて指名してくれたんでしょう?
結構言われるんですけど、多分、泥臭いところ? なりふり構わずなんでもする姿勢とか、ほんとに人生賭けてるんだなっていうのが伝わったみたいで。でも、1人いたら2人いるし、2人いたら3人、4人と続くと思っているので。だから1人目っていうのは超でかいなと思っていて。
この1人目を焦って、決めたことに反することをやって得た1人目だったら俺は意味がないと思ってたんですよ。方針を守った結果の1人目だったんで。その瞬間にこのやり方でいけるなって確信しました。どの世界でも0から1を作ることが一番難しいって言いますけど、俺にとっての0から1はそこだったなって思います。
2024年は売上的にも徳川さんのブレイク年ですが、同時にTHE CLUBが大改革大激震の1年。ローランドショーも大荒れといろいろありましたが振り返ってみると?
大変だった(笑)。 ほんとにいろいろありましたね。勤怠を中心に店舗のルールが厳しくなってデモみたいなのが起きて…。30人くらいいたキャストがいっとき7、8人ぐらいまで減りましたし。現場的にも従業員の士気的にも難しい1年でした。
お店の方針なんで、自分の立場的にもキャストに厳しく言うわけですよ。遅刻とか。そうするとものすごい嫌われるんで。それ覚悟でやってはいましたけど、嫌われるって結構精神にくるんですよね(笑)。で、俺は俺で結果を出しても、「消去法で繰り上がっただけでしょ※。何が嬉しいの?」と叩かれる日々w ほんとそんな1年で。
※THE CLUBの2枚看板、優士さんと涼風つばきさんが2024年からは第一線のプレイヤーから退いたことに由来。2人の偉業は『優士 顧客数0人からの挑戦 業界ナンバー1への道』、『涼風つばきの半生 “つばきっす”復活ストーリー』で読めます♡
でも腐らずに?
とにかく伝え続けて耐え抜く。そしたら絶対次が見えるって信じながらやってました。で、去年の終わりぐらいにやっとそれが形になって…。11月に店売り1億まで戻ったんですよ。大体どこのホストクラブでも1億乗ったらかなり繁盛している数字なので。しかも厳密に売り掛けなしでのその数字ですし、規模感20人前半台でその大台に乗れたわけだから、一山越えられたかなとは思いました。自分の結果としては満足はしてないけど。
満足してない! グループのトップという成績ですが?
状況考えたら数字的に良かったほうだとは思いますし、どう頑張ってもあの結果だったんじゃないかなって思うけど。でも、ここからなんで! ようやくスタートに立ったくらいの気持ちです。
この仕事をしていく上で大事にしていること。徳川さんのホスト心得は?
下ネタを言わないことです。俺、下ネタ全く言わないっす! 結構みんな下ネタに逃げたくなるんですよ。会話がないときとか盛り上げたいとき。でも俺は絶対言わない。
その心は?
だらしないから。あとは誰でもウケをとれるから。ホストクラブで下ネタ言ってウケる…ダサくないですか? 誰でも笑い取れるよっていう。
横浜時代、店の代表が僕のお師匠さんだったんですけど、二代目を引き継ぐとき条件をつけられたんですよ。「下ネタを言わずに人を楽しませること」って。それができたら客層の幅も広がるしトーク力も上がるよって。それまではもうめちゃめちゃ下ネタでウケを取りに行ってたんですけど、ピタッとやめました。
徳川さんの強みは?
諦めないこと。しぶとさ? 絶対にこれをしたいってなったらできるまでやる。自分で言うのもなんですけど、我慢強いというか粘り勝ちするタイプです。2024年は特にそれ感じました。折れそうなこと何度もあったんですけど。頑張ったっていうか粘った。途中で折れたら自分の人生の経歴に傷をつけると思うんで。だからしつこくやり続ける。マジでしつこいっすよ俺は(笑)。
最後に今後の展望を。
普通の売り方をするのはもういいかなと思っていて。日々接客して、初回に着いてっていうこのサイクルではなくもっと突き抜けたい。ホストも厳しくなってきてるじゃないですか。もっと新しい売方で天下取りたいと思ってます。
新しい売り方。もう見つけつつあるんですか?
見つけつつあります。でもまだ内緒です(笑)。少なくともみんなと同じような戦い方はしないかな。今年、来年ぐらいにはもっともっと、みんなが俺を知るようになると思います。結構規格外なことしようと思ってるんで、これから。
新しい戦い方で、みんなが俺を目指すようなホストになろうかなって。憧れるのもう飽きたんで。憧れさせてやろうかなって思ってます。徳川流一の天下統一、ここからはじまるんで見てて欲しいですね!
壁にぶち当たっても諦めず、突破口を模索して有言実行していくお話素敵でしたね。ここからはじまる“殿”の天下統一、どんなドラマが展開されていくのか要チェックです! (取材・文/ささきみどり)
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