ABEMAのホストバラエティ番組『GHOST ホストは本当に悪なのか?』にもレギュラー出演中、『APiTS』の看板ホスト速水和也さんが初登場!
大学4年生からホストをはじめ、内定を蹴ってこの道一本に。ファッションの好みを優先させて低迷した過去から、現在の安定売りホストになるまで…。Smappa! Group現エースの人物紹介インタビュー。
自らを「普通の人」と語る速水さんの、普通じゃないホストSTORYをお届けします♡
速水さんはいつからホストをやっているんですか?
大学4年の秋だから2017年の10月? 人生で一度はホストをやってみたいと思っていて、就職の内定ももらったことだしと。それでスカウトさんにいろいろと情報を聞いて、『APiTS(アピッツ)』が一番働きやすそうだったので。最初はアルバイトで入って、結局内定を辞退して卒業後にホスト一本になったっていう。以来ずっとアピッツです。
ホストのほうが向いていたとか?
内定先が第一志望の会社だったから迷うところもあったんですけど…。初任給とかそこからの昇給率とか見ているとやっぱホストかなと。不動産関係だったんですけど、インセンティブがある会社でもなかったので。
その点、ホストだったら売れればそのぶん収入が増えるから頑張りがいもあるなってところで。それプラス、うちは両親が結構高齢なんですよ。その時点でもう定年の年齢だったんで。大学卒業したら自分が金銭的に支えていかなきゃいけないっていうのもあったりして。
聞けばなかなか素晴らしい内定先。そこを蹴るってことは最初からホストで売れていたとか?
いや、それがその時点では全然。かといって「俺ならイケる!」っていう自信があったわけでもなく。なんか柄にもなく人生賭けちゃいました(笑)。
一緒に働いてる人たちがすごいいい人たちで、内定先の雰囲気とアピッツの人たちを天秤にかけて決めたところもありました。先輩も上司もすごい面倒見がよくて。これから先、長い間一緒に働くことを考えたときにここがよかったんですよね。
そして今もアピッツ。お店愛ある。
キャリア8年目ですけど、これまで一度も移籍しようと思ったことないんですよ。隣の芝生は青いって言いますけど青く見えたこともないですし。むしろ自分はアピッツだから売れたって思ってる。
撮影で他グループのホストさんと絡ませてもらうこともよくあるんですけど、そこでいつも「俺って、ホストの中で日本一普通の人だな」って感じるんですよ。でも、アピッツはそういう普通の人っぽいホストが売れる店だったというか。そういうホストにもスポットを当ててくれるようなお店だったので。
普通? どのあたりが?
見た目も性格も普通だなぁって思います。源氏名も普通ですし。というか本名だし(笑)。
売れっ子のホストさんって皆さん一般人ではない気配というか、ただならぬオーラを放っているじゃないですか。僕、そういうのないんですよ。自分でも面白みのないやつだなって思っちゃう。真面目だし(笑)。
身長183cmでイケメンでおしゃれ。その上毎月4桁切らない結果を継続って十分すごい人なのでは。ちなみに4桁継続はいつから?
2023年の3月から意識しはじめたんですけど5月で一旦途切れ。そこからまた継続して2年が経過みたいな。最初の頃は続けるって大変だなぁと感じてましたけど、途中からはちゃんと毎日やるべきことをやっていれば達成できる基準にはなっていて。
昼職ホス狂いさん※っていうホストのデータを取ってXでお知らせしてくれる親切な方がいるじゃないですか? その昼職さんの『連続記録を更新中の歌舞伎町のホスト』という投稿がリツイートで回ってきて、自分が11番目に入ってたんですよ。それで、「あ、俺11番目なんだ!」と知ったんですけど。
※大手企業に勤める現役ホス狂い。ホストのデータを収集分析する業界唯一のホストアナリストの顔も持つ。詳細は『昼職ホス狂いさんって何者!?』で読めます♡
そのリストの上位10人がそうそうたる顔ぶれなんですよ。今後誰かがそのランキングから消えるなんてことはホスト引退以外にはないだろうな、というような。ということは一生俺は11番。でも途切れない限りは追い抜かれることもない。そう思ったらちょっと「お!」となりました。
確かに。継続記録だからこそ。
ただ、そこまでガチガチにこだわってもいないんですけどね。そこはお客様あっての部分だから。途切れたからといってヤル気を失くすこともない。継続させて頂けてありがたいなぁっていうところです。
いつ頃から今くらい売れるようになったのか? キャリアと歴史を振り返ってみたいです。
大学を卒業してホスト一本になったのが2018年でこの年は全然ですね。もういろいろと圏外。2019年はちょっと売れはじめたなっていう感じで、2020年もそこから昇り調子で結構いい感じになり…。
順調に右肩上がり!
と、思いきや2021年にガクンと落ちるんですよ。前年に売れたもんだから調子に乗っちゃって。見た目の部分で自分を主張し出した(笑)。で、それが全くウケなかった。ほんとに笑っちゃうくらいウケなくてどうしたもんかと(笑)。
同一人物なのにそこまで落差が?
自分の好みを先行させちゃったんで。たとえば髪を伸ばしてちょっとロン毛にしてみたり、ファッションもモードに振り切ったり…。でも、自分出してみたらダメだった(笑)。間口が狭まることこの上なかったですね。
それでその年の10月、唯一の同期に一春(現『BOND』にのまえ・はるさん)ってやつがいるんですけど、そいつにだけ「このまま行ったらギリギリNo.10入れるかどうかだと思うんだよね」って話をしてて。「もし、2022年も全力以上120パーセントで頑張っても同じような結果になるんだったら、俺ホストやめる」って言ったんですよ。
だいぶ思い詰めてる。
さすがに9カ月、10カ月ぐらい成績も落ちていくいっぽうだと気づきますよね。「俺ウケてないな」って。でも、後ろ向きのやめる発言ではなく前に進むために背水の陣。そこからはもう崖っぷち精神で、髪の毛も切って2022年から再スタート!
2022年からは方針もガラッと変えて。もう、いらないプライドとか全部捨ててとにかく自分磨きとできることを一心にやるっていう。とりあえずダイエットして、洋服の系統もお客様ウケに寄せて…。出勤時間もオープンの20時からいるみたいな。それまで22時とかに出勤してたんですけど、早い時間のフリーにもどんどん着いていこうと思って。
やっぱり早い時間から出勤するの大事ですか?
いやもうオープンからいるに越したことはないと思います。チャンスっていつ来るかわかんないんで。開店時間が早まって今は19時オープンなんですけど、なんなら19時より前からお店にいる。会議やら撮影やらでいろいろあるんで、早いときは15時半頃から歌舞伎町にいますね。生活サイクルもそこに合わせてだいぶ早めスタート。もう全然ダラダラしなくなりましたね。
速水さんは、「見た目も普通」とおっしゃってましたけど、このぐらい気合いの入ったテクノカットの人は見たことないです。これはもうずっと定番?
基本ベースはこれ。マッシュの時代とかいろいろありましたけど、2020年くらいからテクノカットの片鱗がちらほら。ここ3、4年ぐらいはずっとこれです。思えばなんでテクノカットなんだろう…。多分、人とかぶらないほうかぶらないほうへと向かっているうちにコレになっちゃったのかもしれないですねww
定着させるつもりはなかったけど、「和也さんといえばテクノカットだよね」と言われているうちに板についちゃったんでしょうね、きっと(笑)。
速水さんはどういう接客をするんですか?
ある程度歴も長いのでオールマイティですね。話すのも聞くのも好きですし、落ち着いた感じもワイワイもいける。そのへんめっちゃカメレオンかもしれない。そのお客様の心地良い接客に自然となる感じ。だから人それぞれで見える僕は違うかもしれないです。
ホストとしての自分ルールは?
「感謝を絶対に忘れない」「払いたくないものに使わせない」、この2つ。
払いたくないものに使わせない?
無理やり使わせるとかあるじゃないですか。そういうことはしたくなくて。そこにお金を使いたいかどうかはその人の判断だし、サービスの対価としてお金を使うっていう順番が正しいと思うので。自分から求めるってなんかちょっとしっくり来なくて…。
水商売なので一応お願いはしますよ。「誕生日だから、もしよかったらシャンパンもらってもいい?」とか聞きはしますけど。乗り気じゃなさそうだったり、「え、無理」とか言われたら「あ〜オッケオッケー」って即引きます。一応聞くけどすぐ下がる(笑)。
お客さんは長く続くほうですか?
そうですね。基本数年単位。少なくとも1年は余裕で続きます。長い人だと5年、6年とか。そのとき使ってくれる人に集中して数カ月で切れていく…みたいな売り方はしない。それって心がすり減るので。人間関係もそうじゃないですか。人と人ってゆっくり関係性深めていくものだと思うので、長いスパンで仲良くなっていくことが多いですね。
さて2025年の速水さん。風営法が改正されて今年は変化の年だと思いますが調子はどうでしょう?
全然変わらず通常ペース。むしろ若干アベレージも上がったりしてて、いい感じできてますね。
素晴らしい。今後の展望や野望は?
アピッツって今年で19年目なんですけど、20周年に向けてもっと店を有名にしていきたい。歌舞伎町的にSmappa! Groupってそこまで有名じゃないんですけど、逆にうちのグループの強みって、業界以外のところでは割と知られてるっていうのがあって。
NHKにも出てますし文化的な活動で知られているイメージ。先日も日本舞踊の公演がありましたね。
そうそう。僕は日本舞踊は参加していないんですけど千秋楽のとき司会で呼ばれてお手伝いしました。そういう感じでホスト業以外のところで幅広く活動していることで、メディアに取り上げてもらうことも多くて。
一般層でなんとなく知っている人はいたりするんですけど。良いグループだし良いお店だから歌舞伎界隈でももっと知名度を上げたい。そのキッカケを少しでもたくさん作っていきたいっていうのがいまの僕のミッション。そのためにも自分は売れてなきゃいけないなって思います。
ちなみにアピッツって高身長・イケメン・おしゃれみたいなとこでキャストを選んでいるんですか?
いやいやいや、そんなことないです。これまでボーテさんに出た人がそうだっただけ (笑)。ルックスやセンスは入ってから磨かれるんで気にしなくていい部分。僕もダサかったですしね。身長も別に関係ないです。
欲しい人材として挙げるなら、「清潔感がある」「人の気持ちを考えられる」「一般常識がある」この3つだけ。ほんと普通の人です。そんなにハードルは高くないですよ。
普通の人でいいんですか?
全然、大歓迎です! 普通でも売れた代表例が僕ですから(笑)。普通の人でもスポットが当たって売れるのがアピッツです!
速水和也さんの人物紹介インタビューいかがだったしょうか。ご本人は「面白みのないやつ」と言っておりましたが、落ち着き感のなかに滲み出る語り口の面白さ、さすが売れ続けているホストさんだなという印象でした! (取材・文/ささきみどり)
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