証券マンから夜の世界に飛び込んだ変わり種、いま銀座で一番勢いがあると言われるキャバ嬢、きこさん(『VENICE CLUB(ヴェニスクラブ)』)がボーテ初登場!
今年の春まで在籍していた『J-VOGUE』では、入店翌月からナンバー1。その後12カ月連続ナンバー1も達成したその強さの秘密とは? 異色の経歴やキャバ嬢転向の理由が語られる、きこさんの初登場コラムをお届け♡ 某N證券で社長賞も受賞した、エリート証券マンならではの営業法も要チェックです!
※取材時は『J-VOGUE』在籍中。移籍の発表前でした。
銀座のキャバクラで働き始めたのは一昨年(2022年)の12月。それ以前は証券会社で営業をしていました。夜職は18歳からなので未経験ではないですけど、売上をしっかり立ててランキングにも入って…という働き方をしているのは今がはじめて。
最初に働いたのは六本木のラウンジでそのときは大学生でした。気が向いたときに出勤する感じでふわっと。社会人になって夜職は卒業したんですけど、会社の仕事に慣れてからはお小遣い稼ぎ程度に週末だけキャバクラでバイトもしていました。本当はダブルワークNG なんですけどね(笑)。なので、千葉の船橋のほうまで通ってひっそりと。バレないようにコソコソやっていました。
船橋といっても時給や待遇は全然悪くなかったです。銀座で働き出したときと変わらないくらい出してもらっていたので。昼職をしながら両立してある程度稼ぎたいなら、地方の待遇の良い店で働くってありだと思います。
そんな感じで6年くらい働いて。仕事自体はすごく上手くいっていたんですよね。営業成績もよかったしそれで社長賞をとったりもしていたので。実績や年齢的にもここからは会社でどう出世していくかみたいな段階に差し掛かっていたんですけど、社内で昇進していくより環境を変えてキャリアアップしたいなと思って。外資系企業をターゲットに転職活動をはじめて…。
でも、それと同時に自分が経営者になりたい欲もすごくあったんです。いろんな経営者の方々と接してきたなかで、そっち側に行きたいっていう願望みたいな。だいぶ悩みましたけど自分が進みたいのは独立して起業することだなと思って。投資関係の事業で起業したかったので、まずは自己資金をある程度稼ごうっていうところで思い切って銀座に転職しました。
キャリアを生かせる客層を考えて、最初から街は銀座一択でした。今もそうなんですけど、一番得意な客層は経営者や一部上場企業の役員なので。そういった方との話題にもついていける自分の強みを生かすことができて、今後のために良い人脈を作れる街といったら銀座だなって。
銀座といえばクラブの街ですけど、クラブは下積み期間が長いのでキャバクラで考えていました。入店したお店は『J-VOGUE(ジェイボーグ)』。銀座にはキャバクラが10店舗くらいしかないんですけど、そのなかでもJ-VOGUEには当時まだ有名なコがいなかったので、ここでだったらすぐに結果を出せるかなと。
船橋のキャバクラで働いていたとはいえ夜職に本気で挑んだことはなかったので、銀座でやっていけるかはだいぶ不安でした。なので、入店初月の12月は数字を出すことは一切考えず下積みを頑張りました。種まきのためにとにかく毎日アフターのハシゴ。
それもあって運よく翌月からは1番をとれて。そこから弾みがついて良い流れを作れたなって思います。最初こそ今ほどの売上はなかったけど、4桁超えをベースラインにして今は10カ月連続1位はとれているので(移籍までの間に12カ月連続ナンバー1を達成!)。
ずっと1番をとれているのは、顧客数で上げているのが大きいと思います。売り方的に太いお客さん1人、2人で売るスタイルではないので。連絡を取っている人数でいうと顧客数は今200人ほど。毎日4〜5組接客して月100本くらい。そもそも人とつながることも銀座で働く目的のひとつなので。この売り方が自分には合ってます♡
出勤は週5。銀座の街は土日がおやすみモードなので効率を考えて月〜金に出勤。入店当初こそアフターは毎日ハシゴしていましたけど、今は週1くらいです。昼間M&A仲介の仕事のお手伝いもしているので、明日に備えるために夜はなるべく早寝♡ ただし、同伴だけは毎日します。銀座はクラブの街でクラブは基本毎日同伴するものだから、他店にとられないように毎日同伴を組む。そこは自分の中の絶対ルール♡
お酒は結構飲みます。飲めるほうだと思います。好きなシャンパンはソウメイプラチナとベルエポックのブランドブラン。シャンパンを入れて欲しいときは普通に言っちゃいますね。「今日シャンパン飲みたい」って。口実作ったりするよりシンプルに。ダメだったらテキーラを飲みます(笑)。
キャバ嬢として売れるために心掛けているのはお客様との関係づくり。入りはキャバ嬢でもそこから人としてどう接してもらえるようになるか。キャラに特化するじゃないけど、LINEの連絡も含めて、「このお客様に対して私にできることは何かな?」っていうところをいつも考えています。
これは証券マン時代からの習慣で、毎日、日経新聞を読むことから一日がはじまるんですけど、お客様の会社に関係するニュースがあったら、それをLINEのやり取りのなかで話題にしたり、関係がありそうなトピックをお知らせしたり。そういうことを日常的にやっていますね。
お客様の会社のプレスリリースにも目を通していますけど、昇進していたら誰よりも早く「おめでとう」が言えるように、新聞の人事ニュースも欠かさずチェック。情報収集というところでアンテナを張る。そこはもう仕事っていう感じで常に意識しているところかも。
好きっていうのもあるんですけど、株式市場の動きにも注意は向けていますね。お客様が「こういう株持ってるんだよね」と言っていたら、その銘柄の株価の変動をチェックしておいて、「今日、めっちゃ上がってるよ!」ってお知らせしたりもしています。昼間働いている人は株価を追えないから。代わりに私が見ておくねっていう感覚。もしそれで利益が出たら、飲み代にしてもらえたらラッキーかなって思ったりしつつ(笑)。
毎日のルーティンとしてはデータの更新もありますね。お客様情報や売上の数字はエクセルで管理していて、データの入力は毎日欠かさないようにしています。指名の人だけでなくフリーで着いた人の情報もすべて残しています。連絡が返ってきたり、指名で返ってきたりしたときには色を変えたりして。こうやって残しておくことで効率化も図れるし見逃しもなくなるので。
ちゃんと記録しておくって私の中では一番大事なことかもしれない。記録と記憶が正義だと思っているので。顧客情報をノートでつけている人はたくさんいると思うけど、ノートだと瞬時にデータが見られない。エクセルであれば月にいくら使ってくれているかとか集計もできるし何かと便利なので。来店頻度で色分けしたりしつつ、キーワードになることもメモしておいたりすごく役立っています。
夜は一応、3年っていう区切りで考えています。その間に資金を貯めて勉強して起業の準備を整える。実際どうなるかはそのときの状況しだいですけど、少なくとも今年も含めてあと2年は銀座で頑張ります! ただ、キャバクラで大きく稼ぐには出費も大きくかかるなっていうのは、1年がっつりやってみて感じたところですね。夜の仕事を本気でやるとなると意外と経費がかかるんだなって。びっくりしました(笑)。
同業付き合いやお客様へのお土産やプレゼントといった接待交際費、美容メンテ代、ドレスや私服といった衣装代…etc。特に衣装代に関しては店で着るドレスだけじゃなく、同伴用に私服やバッグも良いものを身につけないといけないので。これは結構いくな〜みたいな。
証券マン時代はスーツで出勤していたし、お休みの日はキャバクラでゆるくバイトをしていたので、ぶっちゃけ私服がいらなかったんですよ。服はダル着でいいやみたいな。ジャージとデニムで過ごしていたから銀座に来て私服が激変しました。ずっとおしゃれをサボってきたツケが回って、目下ファッションも勉強中(笑)。
引き続きお金も貯めつつ、人脈も作りつつ、勉強もしつつ、去年よりも売りたいっていうのが今年の目標ですけど、それプラスもっとおしゃれなキャバ嬢になるのも今の野望ですね♡
自分ならではの強みを存分に生かした売り方が素敵だったきこさん。5月オープンの新店『VENICE CLUB』でも好調な様子。今後も要チェックな銀座ガールですよ♡ (取材・文/ささきみどり)
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