シャンパン文化をコンカフェ界に浸透させた先駆者にして、“コンカフェ嬢”という言葉の発案者! 歌舞伎町『Villains(ヴィランズ)』プロデューサー兼店長の岩瀬唯奈さんがボーテに降臨♡
その来歴を紐解くとともに、業界を開拓してきた唯奈さんだからこそ思うこと、『ヴィランズ』という店名に込めた思い…などなど、深いテーマがてんこもり。唯奈さん推しはもちろん、コンカフェ文化を愛する人必読のインタビューです!!
岩瀬唯奈 プロフィール
生年月日:1995年10月12日
身長:168cm
血液型:A型
出身地:栃木県
新宿コンカフェ『Villains(ヴィランズ)』プロデューサー兼店長
唯奈さんは言わず知れた元祖“コンカフェ嬢”ですけど、コンカフェ以外のお仕事もいろいろとされているような?
もともとアイドルなんかもやっていて、マルチタレントに近いような形でMCやナレーションのお仕事をしたり、コンパニオンとしてオートサロンに出たり、ポーカープレイヤーとしていろんな大会に出たりっていうことをしてますね。
そもそもはコスプレイヤーからはじまっている?
そうです。18歳から“岩茶”という名前でコスプレイヤーをはじめて。二十歳くらいからはアイドル活動も。『合法幼女症候群』というラウド系アイドルグループで中指立てて歌ったりしてました。
そのグループは1年ほどで卒業し、そこからは椎名ひかりちゃんと『貴方ヲ2℃殺シマス。』というユニットで活動しつつ、レースクイーンをやってみたり、マイナーなゲームの主題歌を歌ってみたり。名前は出してないですけど店舗に行くと流れているような、企業のブランドソングを歌ってみたり。
多岐にわたって活動してますね。
仕事に限らず、面白そうと思ったらなんでもやる方針で生きてるんですよ。結果、なんでもできるようになりました。魚を求めて船で釣りをして、獲った魚をさばいてお店で出したり…なんてこともしてます。豊洲市場にも業者として入っているので、そこで魚を仕入れてきてさばいたり。大名おろし〜五枚おろしまでならできるので。
唯奈さんが作る料理は “ちゃ飯”としてお店で提供されているんでしたっけ?
はい。独学ですけど20年くらい調理をしているので。おかげさまでお客様のみならず、他のコンカフェからもテイクアウトの注文を頂いたり、大変ご好評頂いております♡
地元は栃木ですよね。上京したのは高校卒業後?
いや、高校出てなくて。最終学歴中卒なんですよ。高校卒業の2週間前に芸能的な活動をしているのがバレてしまって…。そっちの仕事をやめるか自主退学するか、校長先生に選択を迫られて。
あと2週間なのに…。ケチですね!
ですよね~(笑)。でも、自称進学校だったからルールが厳しくて。「私、絶対校長先生より稼いで戻ってくるからやめます!」と言ってやめました。で、稼げるようになった22歳の頃に母校に報告に行きました。「先生の年収越えたよー!」って勝利の雄叫びを上げてきた(笑)。
唯奈さんがコンカフェ業界に足を踏み入れたのはいつ頃?
2015年の12月20日から。コンカフェという言葉もまだ浸透してない時代にアイドル活動と並行してはじめました。渋谷の『RELUM(リルム)』というお店からスタートして、1年半ほど働いたのち、一緒に働いていた“ゆゆぴょん”と「もっと女のコのインセンティブ上げたコンカフェ作りたいね」となって。歌舞伎町に『Chainon(シェノン)』を出して。シェノンがそれなりに歴史を刻んだのち、系列として『Villains(ヴィランズ)』を出店したっていう。それが2022年の7月8日ですね。
『舞々悪魔』の佐藤くるみさんとも仲良しですよね。出会いは?
そもそもくるみちゃんをコンカフェに誘ったのが私だったので。そのときですね。
そうだったんですね!!
くるみちゃんとは友達と遊びに行った先で出会って、あまりに可愛かったもんだから「コンカフェやりませんか!?」って。そこから仲良くなりました。
私が働いていたお店でもゲスト出勤してくれたりしたんですが、そこで出来たのが『みらいぷらんと』で、もともと仲良かった友達なのでいろいろアドバイスをしたり。いま思えばそこからお互いでっかくなって…ニヤニヤしちゃいますね。
みらいぷらんとってそうやってできたんですね。
そのへんからコンカフェ文化みたいなものもバーっと広がっていきましたよね。思えば歌舞伎町のコンカフェの半分ぐらいは、 元々私のことを知ってるお友達が作ってますね。
シャンパンの文化を広めたのも唯奈さんと言われてますよね。
自分で言うのもあれなんですけど、今のコンカフェの形を流行らせたのは多分私で、“コンカフェ嬢”という言葉を使いはじめたのも私なんですよ。それまでは普通にコンカフェキャストだった。
“コンカフェ嬢”も唯奈さん発!
シャンパンをバンバンおろしたり、シャンパンタワーをやっていたら、「それキャバ嬢じゃん」と言われることが増えて。でも、私はお客さんと連絡を取り合うことなくアイドル営でやっていたから「腹立つわぁ〜」と思って。そんなキャバ嬢キャバ嬢言われるんだったら、コンカフェ嬢でやってくわ!ってところで“コンカフェ嬢”という言葉を作り、SNSのハッシュタグに #コンカフェ嬢 と入れていたら浸透していったっていう。
他にも唯奈さん発祥のものは?
あとはエンジェルシャンパンとか? コンカフェ界隈にまだ広まっていなかったときにエンジェル全種類14本を一撃で入れて頂いたことがあって。400、500万くらい一気に。それがバズって流行り出したっていうこともありました。
ところで『ヴィランズ』という店名ですけど、ヴィラン=悪役ですよね。ここにはどんな思いが?
シェノンのイメージが美女と野獣なので、ヴィランズはディズニー作品のヴィランに近いようなコンセプトでやってます。ちょっと意地悪なお姫様。そっちのイメージ。私がドSだからっていうのもあるけど、悪役令嬢とかいじわるな女のコって魅力的じゃないですか。
シェノンが正統派のお姫様でヴィランズはいじわるなお姫様という棲み分け?
見た目はそうなんですけど、どっちもルールは正統派です!(笑) 今のコンカフェの流行りや情勢に対して、自分なりの回答として作ったお店がヴィランズなので。
なにやら複雑ですね。
元々のコンセプトカフェっていうものは、「メイドカフェにお酒の取り扱いもあります」程度だったんですよ。キャストも芸能の卵とか、メディア露出や何か活動をしていきたいコが働いていて。そこを1つの通過点として皆様に自分の存在を知っていただくための場所でもあって。
働いているキャストはいわばアイドル。来てくれるお客様はそれを応援してくれるファンの皆様。そういう関係性がコンカフェの原点で私はこの文化が好きだったので、その概念に立ち戻ったルールのもとで運営されているのがヴィランズなんです。
立ち戻る。というと他は違うんですか?
全体的にお金主義に傾いてはいますよね。ただ、今はもうコンカフェ界が飽和状態というか。働く女のコも、かわいい制服を着てちやほやされたい、バイトで入って楽して稼ぎたいっていうのが思いっきり見え透いている時代になってきてしまっているかなと。そこが正直ちょっと悲しい気持ちはありますし、同伴アフターや連絡先交換がOKなお店も増えてきてしまっている現状で。ほぼキャバクラと変わらない状態なんですね。もう既に。
コンカフェとキャバクラ、最低単価は全然コンカフェのほうが安いけど、使う額でいうとあんまりキャバクラと変わらない。でも、気づいて欲しいんですよ。キャバクラなら時給8,000円、1万円のところ「コンカフェ、時給1,000円ちょいやで」って。バックで稼ぐとはいえ、それでキャバクラと同じことを求められるんだとしたら搾取じゃないですか。コンカフェという肩書きにみんな縛られちゃっている。
でも、よく考えたらキャバクラ的なシャンパン文化を持ち込んだのはそもそも…。
そう、私なんですよ! そこに自分の功罪がある。良くも悪くもこのスタイルを流行らせすぎてしまって。広がらせ方を間違えたかなと。
このままだと女のコが搾取されていって、メンタルが持たなくなって、潰れるお店もどんどん出てくる。結果コンカフェ界が衰退に向かうんじゃないかっていうところを私は危惧してる。そこ考えたときにここで誰かが踏ん張らないと続かないなって思ってます。
コンカフェはいろんな楽しみ方があっていいと思うんですよ。シャンパンとか課金の暴力をしたい方もいらっしゃれば、普通にキャストとお話したい方がいてもいい。私のお店だとごはん食べに来る方が多いんですけど、そういう定食屋利用でもいいし。あらゆる遊び方があってよくて。みんなが好きなようにいろんな目的で楽しめるのがコンカフェだと思うので。私はそこを推していきたいです。お客さんにはあくまで趣味として楽しんで欲しい。キャスト側もただのバイトというよりは、何者かになるための1つのステップとして働いてもらえたらなっていうのが私の理想とする状態。
だからこそ、ヴィランズという名前のお店を作ったんです。元々のコンカフェ文化を大事にしたくて。これ、下剋上なんですよ。私のなかでは。ヴィラン=悪役じゃないですか。でもそれは主人公から見た悪なだけで、悪役から見た主人公は悪なんですよ。主人公もヴィランも己が己の正しいと思うことをやっているだけだから。
私は元々のコンカフェ文化っていうのが正しい、正解だと思って生きている。でも、時代に逆行するようなその考えは身を滅ぼす悪だと言われる。じゃあ、それでいいと。私はこれが正解だと思ってるから、であれば悪役側としてこちらにはこちらの正義があるよという意味を込めてヴィランズという名前でやってます。
コンカフェ界の今後はどうなっていくんですかね。
新たな流行りが生まれて別なフェーズに入るか、現状でゆるゆるとあがき続けるかってところだと思います。私個人はそろそろ老害ムーブになってくるかな。この、正義のもとにやっているという姿勢そのものが。
老害ムーブになるの?
そんなことないよとはみんなには言われるんですけど、要は「流行りに乗れない頑固おやじ」みたいなもんだから。流行りよりも自分の正解で生きていたいと思ってしまうので。
私は私の正解を突き詰めていくけど、やっぱりコンカフェ全体のことを考えたら正直、私、邪魔だなと思っていて。だったら次の世代のコたちに託したいなっていうふうには思っています。
なので、正直あと1、2年ぐらいで卒業も考えてる。店舗の運営はしますけど、コンカフェ嬢としては引退しようかなと。で、そこから1年間だけキャバ嬢やってみたいなと思っていて。
キャバクラ?
そう。キャバクラ界隈の経験が一度もないので経験として。なぜキャバクラではなくてコンカフェを選ぶのか。「そこまでするならキャバクラでよくない?」っていうのが結構、一生疑問で。でも、キャバクラをやったことがないから。知らないのに語るのもおこがましいので。だったら来年あたり、30歳のタイミングでやめて、1年間限定の異世界転生の旅ぐらいのノリでキャバクラをやってみて、実情を見たいっていうのがあるんですよ。
それ、面白いですね。
そこ行くんだっていう(笑)。「岩瀬唯奈がもしもキャバ嬢だったら、異世界転生の旅」でコンテンツ化したら、コンカフェに通っているお客様も来やすいし。1年間限定っていう終わりがあるなら応援もしやすいだろうし。そういう新しい試みをしてみたい。で、異世界転生期間が終わったら小料理屋さんでもやろうかなって思ったりしています♡
コンカフェ先駆者としての功罪とコンカフェ業界への危惧、正義論、思いがけず深い話へと発展していった岩瀬唯奈さんインタビュー。唯奈さんのキャバクラ異世界転生の旅も気になりますね! (取材・文/ささきみどり)
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