前後編2回に渡ってお届けしている、『THE CLUB OSAKA』優士さんのインタビュー! いかにして日本一を成し遂げたのか、6億2,000万の道のりが語られた「前編」に続き、「後編」となる業界ナンバー1を可能にした仕事術や習慣、マインドに注目!
ホスト力の土台を築いたルーティンから、お客さんが疲弊しない売り方、集客に直結するDMの返し方などなど気になるお話が満載。優士さんが見据えるホスト業界の未来予想図も要Checkです!
(前編で)ローランドさんに面接を3秒で落とされ、皿洗いからスタートしたエピソードがありましたけど、そのときどんな気持ちでした?
あのときはワクワクしかなかったです。「こいつどうせすぐやめるだろう」って周りからの当たりも結構強かったんですけど、それで悔しいとかはなくて。「いずれこいつらに勝てるんだ!」みたいな。勝った自分を想像してたら楽しくて。お皿洗いながらずっとワクワクしてました。
超絶前向きですね!
どんな世界にいたとしても自分に負けたら終わりだなと思ってて。自分のことは自分しか信じてあげられないじゃないですか。負けた自分を想像するのは嫌だし。常に勝ってる自分を想像してました。でもこれ、今に至るまでそうですね。毎日想像してます。上手くいってる自分を。
上手くいってる自分を想像する。それはイメトレとして?
小さい頃からの“癖”ですね。子供の頃、ひとり遊びでいつもいろんなことを空想してたんです。ほんとに細かいとこまで。それがホストになってからもずっと続いてる。自分の売れている姿、ナンバー1をとっている様子、シャンパンおろしてもらっている場面、マイクでのコメント…etc。そういうのをずーっと頭の中で思い浮かべてる。
この癖、めちゃめちゃ役に立ってるなと思います。そもそもビジョンを描けなかったらそこには辿り着けないから。ホストさんはみんなナンバー1とりたいとか言うけど、言葉だけじゃなく、ビジョンを描いてしっかり想像できてはじめて行動に移せる。1番になるために何が大事なのか、何が足りないのか、やらなきゃいけないことは何か。そこまで見えていればあとは逆算してやっていくだけ。それで絶対にナンバー1になれるので。
漠然といいな〜ではなく具体的に想像できているほどいい?
ただの空想ってよりはしっかりビジョンを見てる。ちゃんと筋道のある“妄想劇”みたいな。そのストーリーが緻密なほど夢は実現しやすいかなと思います。
優士さんはSNSにたまに長文を載せますけど文章上手いですよね。伝えたい内容が最後まで破綻しない。あの文章力はどこで鍛えたんですか?
それは言い過ぎww 僕は文章書くのめっちゃ苦手だし下手です。ただ、書きながら考えをまとめていくっていう行為自体は嫌いではないかな。ホストになりたての頃から3年ぐらい毎日日記をつけていたので。
毎日!?
この仕事に就いてすぐ、とにかく自分には経験も知識も何もかもが足りない。周りと比べたときに武器がないなって気づいたんですよ。勝つためにどうしようかなと考えたとき、とりあえずダメだった部分を削って、良かった部分だけ伸ばしていこうと思って。それで毎日日記をつけて一日を見返すってことをしてました。
記憶力はいいほうなんですけど、それでも細かいことって忘れちゃうんで。一日一日、ここは良かったな、ここはダメだったなってことを細かく書き起こしてました。日記とプラスで、毎日寝る前に1日を振り返るとか。
何に書いてました?
紙のノートです。携帯のメモ帳よりノートのほうが読み返しやすいので。で、あるときから、脳のキャパが広がったのか、すっごい情報が入るようになったんです。「うわ、めっちゃ覚えてる!」みたいな。それは多分、細かく日記を書いて見直すってことをやってたからなんですよね。情報を頭に蓄積できるようになった。日記を紙に書くってすごいアナログなことだけど、僕はこれがすごく役立ちました。
ホスト復帰の翌月(2023年1月)、それまでの売り方もお客さんも全部捨てて、YouTubeと配信で集客するやり方に変えましたけど、相当思い切った決断ですよね。根底にはどんなマインドが?
そのときは1年でグループナンバー1になってプレイヤーを上がるって決めていたのもあって、思い切った方針転換をしました。でも、悪い流れを見極めて、良い流れを掴みとっていく、そういう適応力はホストに限らず仕事で成功するためには必須だと思ってます。
世の中って変わっていくものだから。自分のやり方やこれまでの成功体験に固執していたら取り残されると思うんですよ。特にホストみたいな人気商売は時流やニーズを掴んでいち早く適応していかないと生き残れないですよね。
確かに。思えば3、4年前、ホストさんはみんな「TikTok恥ずかしい」と言ってましたけど、今そこで集客するって普通に主流ですしね。
何が正解か、その時点では見えていなくても時流を読んで、「コレだ!」と思うものを全力でやってみるって必要なチャレンジだと思います。
2023年がはじまった時点で投げ銭を売上に計上するのは邪道だって言われていたんですよ。「(配信を奨励してドネを導入している)ローランドグループはホストじゃない」と言われていた。今もまだちょっと言われてますけど、でもそれは時代に適応していないお前らが遅れているだけって話で。ただ、そう言われるのも胸糞悪いから、投げ銭なしでも最高記録5億2,000万を超えるように、ドネなしでも5億4,000万売ったみたいなとこもあって。
そこには意地を感じますね。
僕もホストとしてのプライドで、投げ銭を売上計上するのはちょっとモヤモヤする部分もあるんですよ。「そんなのホストじゃねえ」って言ってくる気持ちもすごくわかる。だからこそ、「投げ銭がなくても、別に超えられるよ」ってことを証明しつつ、今の時代にもっと適応していこうよ、これがもうスタンダードなんだよっていうことを体現したかった。
SNSの投げ銭を売上に含めたら、プリンスこうやさん(投げ銭日本1位!)が圧倒的にすごい。ただ、ホストとして勝負するんだったら俺は誰にも負けない自信があるから、店で使ってもらう売上の部分で歴代記録更新を目標にしてました。
時流を読んで「これだ!」と思ったあとの行動も早かったですよね?
成功するにせよ失敗するにせよ、早く挑戦しておくに越したことはないから。「思ったらすぐやる!」ってことは自分の中で大事にしてます。上手くいったら誰よりも先を進めるし、失敗してもリカバリーできる。そこから改良や修正することもできるじゃないですか。とにかくまず行動してみる!
配信を強化した途端に、初回指名につながったじゃないですか。なかなかない気がするんですよね。そんなすぐ結果出るか?みたいな。
あれはカラクリがあって。僕が配信で使ったツールはYouTubeとインスタ。なんでそれだったかというとどちらもDM機能があるから。DMをくれた人に対して直でリアクションできる。そこが初期の集客に直結したなと思ってます。
配信に関しても、YouTubeは不特定多数のファンを作る場、インスタはYouTubeからさらに興味を持ってもらえた方が見る場みたいな。そういうリスナーの棲み分けみたいな意識はあって。朝と昼と営業終わりはYouTube、夕方だけはインスタライブ。この2つだけでやっていたんですけど、どちらもDM とかリアクションに対しては丁寧にコメントを返していたんですよ。
メッセージくれた人全員に?
ですね。文章でDMくれる人にはもちろん丁寧に文章を返していましたし、ハートマークとか、笑みたいなリアクションに対しても文章で返す。リスナーさんの名前やアイコンを全部覚えて、配信のときにこういうコメントくれたとか、リアクションしてくれたとか、全部覚えていたので、基本全員に長文を作って送ってました。
超大変じゃないですか?
そこは売れてないやつの特権ですよね。売れてないやつの武器は時間なんで(笑)。予定が何もないぶん時間だけはある。去年の2月、3月に関しては1日200件とか300件とかDMのやり取りをして、ほんとに途方もなく時間はかけましたね。
1日、200件、300件ってすごい…。
逆にそれだけアプローチできるって話。しかも少なからず自分に興味を持ってくれている相手じゃないですか。そんなありがたいことないですよね。
店で初回に着いてるだけだったら、自分に興味がない人間に対してアプローチをかけるっていうマイナスからのスタートじゃないですか。効率悪いですよね。初回っていうシステムが今後はもうキツくなっていくというか。初回でお客様に着いてどうこうっていうのはもう時代遅れだと思ってます。
「6億を達成する上でライバルの存在が重要だった」っておっしゃってましたけど、これはすべてのホストに言えること?
やっぱり自分1人だけだと飛び抜けた売上や数字は叩けないので。自分と互角かちょっと上の存在で競り合える相手がいるっていうのは本当に運が良い。共通の目標をお客様と共有しやすいですから。つばき(『THE CLUB』の涼風つばきさん)に目をつけたときはライバル関係に持ち込むために、話すときは敵かのような絡み方をしてましたね。
煽るようなことを言うとか?
そうそう。「1月4,000万売ってるけど、年間とるの俺だから!」みたいにあえて噛みついたりして。あとは2人で動画を撮って「今年勝負の中心になるのは俺らだよね」って語り合いつつ火花を散らしたり(笑)。
2人で煽り合うっていうことも含めて、ライバル関係になれるかどうかはお互いのコミュニケーションしだい。演出としてバチバチは大事なんだけど、個人の関係性は良好なほうが良いライバル関係を築けるなって思います。
優士さんのお客さんはみなさん単価が高いそうですが、客層の傾向は?
幅広いですね。昼職の方が多いかもしれない。僕らのグループは、『THE ROLAND SHOW』っていう媒体があることによって、ホスト界隈で遊び慣れているコたちではない層にマーケティングできているから。それプラス個人のYouTubeや配信を通してアプローチできる範囲も広いので、日本全国からお客様は来ますし何なら海外からも。
昼職というと何してる人が多いんですか?
職種を聞いたりはしないのであんまりわからないですけど、起業していたり、自分で仕事をしていたり。会社勤めでも上のポジションについている方も多いですね。でも、いわゆるOLさんみたいな人もたくさんいると思います。
ただ、お客様は固定メンバーではないので。毎月絶対にこの人たちが来てくれるとか、いくら使ってくれるみたいなことはないですね。
いつも同じメンバーではない?
そうですね。週に何度も来てくださる方もいますけど、数カ月に1度の人もいますし、毎月全然違いますね。僕は営業LINEとか一切しないんですよ。今月これだけやってほしいとか言わないし。それぞれ自由に。来たいときに来て使いたいときに使ってもらえたらっていうスタンス。
それは無理をさせなくていいっていうところにもつながりますよね。それぞれのペースで貯め期を作れるから疲弊しない。自分のタイミングで推し活ができるから、結果的に1回1回の単価が高いのかなって思います。
最後に今後のホスト業界について。どんな流れになっていくか、優士さんなりの見解を伺えたら!
昔ながらの色恋、本営、売掛がオワコンなのは当然として、初回でお客さんを掴んで…っていうやり方も含め、ホストの売り方はもう既に変わっていってますよね。それこそ僕たちが去年やった、配信を見て投げ銭を経て推しになったリスナーたちがお店に足を運んで顧客になるっていうのが今後の業界の未来。そこがスタンダードになると思います。
その流れを踏まえたときに、そもそも永久指名制度っていうものが普通に必要なくなるなっていうのが僕の見解。永久指名っていう制度はとてつもなく古いんですよね。そんな縛りをしているからいろんな問題がどんどん生まれてくる。だいぶ時代に合っていない仕組みなので。そこが今後激変すると思ってます。
永久指名制度はなくなる!?
なくなると思っていますし、なくしていきたいと思っています。キャバクラと一緒で、指名替えが自由にできるほうが広い視野で見たとき業界の健全化をはかれる。同時に初回料金の価格差もなくていい。初回が安いっていうのは永久指名に結びつけるシステムでしかないから。そうならなかったとしたら、ホストクラブとはまた別な業態があってもいいのかなって思いますね。
別な業態?
それ、僕が思い描いている未来なんですけど、ホストとかホストクラブとか、そういうジャンルですらない全く新しい形態。業界が革新していかないなら、今までのホストクラブのシステムを度外視した新しいジャンルの業界を作る、それも時代に即した方向性だなと思ってます。
僕はローランドグループを業界一にするという夢の元に動いていますけど、同時に新しい形態のエンタメとしてのホストクラブ像も考えてる。より良い未来が描ける方向性があるなら、僕はどんどんそっちに進みたいですし、目下そこを模索しているところです!
前後編2回に渡ってお届けした優士さんインタビュー。ホスト業界の分岐点としても書き残しておきたい要素が満載だったので、前編、後編ともにだいぶ文章量多めでお届けしました。最後まで読んで頂きありがとうございます♡ そしてお忙しいところ、大阪から撮影に来て頂いた優士さん改めて感謝です! (取材・文/ささきみどり)
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