前後編でお届けしている“せなばぶ”こと、『TOP DANDY -1st-』senaさんインタビュー♪ 後編は「ナンバー1ホストの売れ方」をクローズアップ。「自分ではなく相手を見る」という基本方針には、コミュ力の“なるほど”がいっぱい詰まっていました!
―senaさんが思う自分の特徴ってどんなところですか?
負けず嫌いっすね。今月いくら売りたいとか年間これだけ売りたいとか、目標ってあるじゃないですか、それは必ず死守したいです。風邪引いて休むとか体調管理できてない時点で自分に負けてる! そういうのないようにしたい。
―ライバルは自分!
俺は俺に負けたくないですよ。仮に自分が面倒臭くて「体調悪いから」って嘘ついて休んだとしても、周りはダマせても自分はダマせないじゃないですか。弱い自分に負けたくない。他人なんか見てないです。自分に勝てば人にも勝てると思ってるんで。
―志し高い。そうありたいです。
最終目標エベレストなんで! どの地点がエベレストか全然わかんないっすけど、売れるべくして売れる最高峰に行きたいです。たまたま売れるってあるんですよ。たまたまめっちゃ太いお客さん掴んで売上を出すとか。そういうんじゃなくて売り上げも組数もどっちもあるホストになりたいですよね。いろんなホストの売り方ってあると思うんですけど、どうあっても自分に厳しくいられたら勝てると思ってる。自分に負けさえしなければ、他人なんてどんどん落ちていく。
―自分に勝ち続けていれば結果的に周りにも勝てる! そこまでホストに情熱燃やせるのってなぜだと思います?
今、目の前にあるのがホストだから、ですかね。普通に生きてたらホストやろうと思わないと思うんですよ。それでもホストやろうって思うのは、「ホストしかできない人間」か、「他の世界でも成功するけど選んでホストをやってる人間」かのどっちかなんですよ。歌舞伎町を見てると前者が9割、後者が1割って感じかなって思います。前者のホストしかできない人の中には、ホストしかできないからこそめちゃくちゃ強い人もいるんですよ。それが2割くらい。で、残り8割は自分に甘い人って感じがしますね。
―「ホストしかできない人」と「選んでホストをしている人」、senaさんはどっちにあてはまるんですか?
俺どっちなのかな? ホストしかできない人かもしんないですね。こうなりたいからその手段としてホストやってるってわけじゃないから。とにかく目の前のことをがむしゃらに頑張りたいんですよ。全力でがむしゃらにやったら、そこから自然と次が見えてくるんじゃないかなって思ってます。ただ、「これがやりたい!」って思ったときにすぐ動けるように貯金はしておきたいし、自分がどんなことに興味持っているのかを知るためにアンテナは張っておきたいなとは思ってます。
―目の前のことを頑張りたい。素敵ですね!
目の前しかないから。だから自分との戦いに集中できるのかな? 弱い自分に流されないってところは良いのかも。それで自分に勝ち続けていって、結果周りに負けたらそれはそれで仕方ないってスッキリ思えそう。
―自分に勝ち続けていった結果、2020年度のグルダンランキング(グループダンディでの全国ランキング)では前年から2ランクアップして6位でしたね!
俺、それに対して反省点めっちゃ多過ぎて手放しで喜べないんすよ。確かにランキングは少し上がったんですけど、売上だけ見たら2019年よりちょっと落ちたんす。2019年は1億4,000万円で、2020年は1億3,000万円だったから。
―どっちもすごい金額ですけど…。
自分の中で2020年は全力出し切った感がないから自分に負けてるんす。そこに後悔がむちゃくちゃある。もっと頑張ったらもうちょっと行けたんじゃないかって反省がめっちゃあるんです。今振り返ると「コロナだから」に乗っかっちゃったなって。俺、結構周りに流される傾向あるから、それが悪い方向で出ちゃった。自粛期間中みんな店を休んでたんですよね。それで、「あ、そうなんだ」って思っちゃって。店自体は開いていたけどお客様ほとんどいなかったし、お茶でわざわざ出勤する意味あるかなって。そのときはそう思って休んだけど、でも1年間通して見たらあのとき出てたらちょっと違ったかもなって思いもあったりして。あのとき自分に負けたな、もっとやりようあったなあって猛省しました。
―業界ナンバー1のグループ中6位でも猛省していらっしゃる。
自分が流されたことが悔しいんです!「うわぁぁっ」て感じっす。でも、上手くいったときもなんだかんだ反省しちゃうんですけどねw 俺、いつも腹八分目でいたいっていうか満腹になりたくないんです。満腹だと動けないからお腹ちょっと減らしておきたいみたいな。空腹なほうがごはんも美味しいじゃないですか。いつもお腹ちょっと減らしておきたいってあるかもしれない。
―senaさんの接客はどんな感じなんですか?
フレンドリーっていうか割ととっつきやすいと思いますよ。相手に合わせたソフトな接客なんじゃないかな? ホストってぶっとんでるやつ多いし、自分から見ても「変わってんなぁ」って人多いけど、そういう意味でいったら俺、結構まともなんじゃないかなと思う。DVとかないし怒ったりもしないし。楽しく飲めるタイプなんじゃないかな?
―どこまで怒らないんですか?
どこまでも怒らないです。「え!!」みたいなことがあったとしても、「あぁ、そうなのか」って納得しちゃうかもしれない。できないことに対して理不尽なこと言われたり、無理な要求とかされたら、怒るっていうより無になっちゃうから。「そうですか…。わかりました。じゃあ合わなかったということで」みたいな。そこはお互いあんまり無理しないほうがいいかなって思っちゃうというか。
―新規のお客さんに対してフックになるような、 心がけていることってありますか?
「意外」って思われるようにはしてるかな? 俺、なんでか写真とかツイッターだと、酒飲まなさそうとか、無口そうとか、接客しなくてもシャンパン入ってそうとか、身長低そうとか、そういうのめっちゃ言われるんですよね。だからすべてその逆をいきます。お酒も飲むし、めちゃくちゃしゃべるし、思ってるより恐い人じゃないよみたいな。そういう意外な感じは出してますかね。
―ギャップ!
初対面の人と話していると、「こういう人だと思った」とか「こういうイメージある」とか言われるから、すべてその逆をいく。俺を知ってて来てくれてるからそういう入りができるって話ではありますけど。
―あ、確かに。
モブがそんな意外性出してきても「そういう人なんだな」ってなっちゃいますからね。
―じゃあまず、知ってもらうことが先ですね。
もちろんもちろん。全く見ず知らずの人より、ちょっとでも知っててもらうほうが話しやすいじゃないですか。そこ前提。それで知ってる人を1%でも2%でも増やしたくて「せなばぶ」って名前つけてやってたわけだから。「せなばぶ? えっ何それ」ってなるじゃないですか。そこがツイート見てもらえる入り口になるから。そういうのは先にやっといたほうがいいんですよね。ブランディング大事♪
―何かのツイートで一気にフォロワー数が増えたとか、炎上して注目度上がったとかありますか?
基本積み重ねっすね。炎上はないですよw 手っ取り早く注目集めたいっていう気持ちもわかるすけど、炎上系ツイートで名前知られるのってさみしいじゃないですか。それで来てくれるお客様もちょっとヤバいというかそんなに続かないと思うし。何より自分が苦しくなりそう。自分の中の強みを見つけて積み上げていったほうが長い目で見たとき得るものは多いんじゃないかな。お客様も安定するし。
―こうして振り返ると「せなばぶ」という名前には重みがありますね。
どっかしらでキッカケを作っておくって武器になりますよね。どっかしらってSNSですけど。これ、死ぬほど後輩にも言ってるんですけどね。
―売れるために大切なことってなんだと思います?
ホストって難しいこと何もしてないんですよね。とにかく気に入られればいいので。どう接しようと何しようと気に入られてたら勝ちなんで。気に入られてたらシャンパンも入れてくれるし、気に入られてたら難しいことはなんもないんですよ。だから、何を大事にしているかって聞かれたら「気に入られること」だけですかね。
―「気に入られる」そう聞くとシンプルですけど。
「相手に気に入られる」ってこと、意外とみんな忘れがちなんですよね。気に入られるために何ができるのか。その人についてめちゃくちゃ考えますよね。フレンドリーなほうがいいのかもしれないし、あるいはしゃべらないほうがいいのかもしれないし。上手くしゃべれたらいいってわけでもないから。
―気に入られやすくなるためにできることは?
格好良さとかトークの上手さとか接客のスマートさみたいなものって、気に入られやすくなるための可能性を高めるひとつであって絶対じゃないんですよ。そのへんはやっぱり感覚なのかな。説明難しいっすけど、ただ自分が上手くできてるかどうかに気をとられていたり、自分が格好つけることとか、自分のことで精一杯になっていると気に入られないですよね。
―それはなぜに?
自分に意識が向いていて、相手のことを見ていないから。相手に気に入ってもらえるかどうかって、相手にどれだけ意識を集中してるか、どれだけ見てるかってことだと思うんすよね。それが結果的に気に入られる行動につながるっていうか。
―ああ、なるほど。
相性とか好みとかありますけど、それ以前に人としてどうされたら嬉しいかってあるじゃないですか。たとえばお酒こぼしちゃったとき、遠くからでもパッと気づいておしぼり持ってきてくれたら嬉しいじゃないですか。トイレの場所わかんないとき、教えてもらえたら嬉しいとか、されたら嬉しい小さなことをしていくってことは気に入られるための行動の基本じゃないかなって思います。
―親切にされるのは誰でも嬉しいですよね。
気に入られる確率を上げるためには気づいたこと何でもしていったほうがいいですよね。難しいことじゃないし。何されたら嬉しいかって人間だったらほぼほぼ一緒だし。そういうことって、いちいちああやれこうやれってことでもないじゃないですか。今必要なことってその都度変わるし。ホストのやってることってその延長なんじゃないかなって思います。そのコが今必要としていることをする。たとえば構ってほしいコだったら一本でもLINEは多いほうがいいとか。その人を見て、こうされたら嬉しいかなってことをどんどんやってくだけ。俺、そのへんシンプルです。気に入られるためにはどうしたらいいかってことしか考えてないから。
―売れてる人と売れてない人の違いって、相手をどれだけ見てるかっていうのもありそうですね。
それはあると思いますっていうか、そこはもうベース? その上で売れてる人って相手が求めているものを瞬時に的確に掴む能力が高いんだと思います。そこがセンスなんでしょうけど。やっぱり気づかない人って気づかないじゃないですか。ただ、考え方の大本は変わんないから、努力でベースアップはできますよね。
―senaさんは気づく能力高め?
まあまあ。でもまだまだ。気に入られればいいって言ったばっかりでなんですけど、気に入られるところまでいって満足しちゃっている自分もいるんで、そこは考えものだなって思う。もうちょっと上に行きたいから。やっぱり“質”っていう部分でまだまだ足りてない。そこが劣っているからグループのランキングでも負けているわけで。
―突然反省モード。
すぐ反省するww
―でも自分はまだ高尾山の頂上レベルって言ってましたもんね。
そう。俺まだ高尾山なんですよ。それは自分が一番よくわかっていることだから。もっと高い山に登れるようになりたいっす。目標が高ければ高いほど自分に負荷はかかるけど、それで体力もついていくだろうし、苦しくなったときにも頑張れるっていうか。いろんなもの背負って踏ん張れる理由をいくつも作っておきたいんですよ。
―踏ん張れる理由をいくつも作る!
俺いまファースト背負ってる立場ですけど、「期待に応えなきゃいけない」っていうのも自分を奮い立たせる理由になってます。「ま、いっか」って考えたり、頑張ることを諦めたらホストってたぶんそこで終わりなんで。「質を上げる」ってこと意識しながら、当面の目標は3年連続ナンバー1ですね。頑張ろう俺♪
腹八分目で常に貪欲でいる姿勢も素敵だったsenaさん。軽い口調で深いことを語る“せなばぶ節”が響きました!
個人店最強のホストクラブ『VELVET』代表・ロイ 「美しい売り方を」新天地での...