歌舞伎町きってのイケメンホスト、『LSP』のアルトさんが久々の登場♥ ホストの内勤を経てトッププレーヤーに、そしてグループ最年少のプロデューサーへ。ホストの階段を昇り続けるアルトさん、「すべて計画通りです」と語るその用意周到な成り上がり方とは!? 「その人に興味を持つ」という人の育て方にも注目です!!
―メゾンドボーテ初登場が2018年の春先。当時は冬月グループ在籍でしたよね。いつ移籍したんですか?
2018年の8月なんでざっと3年前ですね。
―移籍の理由聞いてもいいですか?
その頃、自分のお店を出す方向で話が進んでいたんですけど、グループの方針と自分の求めているものとの方向性の違いみたいな。そこが自分も譲れなかったので、可能性を広めるために一旦全部リセットしたかった。その後グルダンに入りましたけど、それは冬月を辞めてから決まっていった話ですね。
―辞めるときって揉めました?
当時の冬月グループの会長とは、初めてホストクラブで働いたときからの長い付き合いだったこともあって、腹を割ってちゃんと話し合えたので変に揉めたりはせず円満に退店しました。僕のやりたかったことや想いも話していたのでそのへんも汲み取ってくれたのかも。ときどき電話もするし今も仲良くしていただいてます。
―ちなみに新天地が今のお店だったのは?
辞めた瞬間から、ぶわーっといっぱい勧誘されたんですけど、正直どことも話はしていなくて。今の店に決めたのは柊美咲がいたからですね。今は彼『ルミナス(Club Luminous)』っていう店でオーナーをしているんですけど、彼がずっと相談だけ乗ってくれていたんですよ。「うちに来なよ」とか一切なく。僕がホスト業界に戻ってきて内勤をしていたときからの付き合いだから信用もあったし、ただ親身に話を聞いてくれていたので、彼がいるところで一緒に働いてみたいなって思いました。グループもグルダンだったし、規模としても申し分ないなっていうところで。
―人のつながりで心を動かされるものなんですね。
人ですね。正直お金的なところではそんなに良くはなかったというか一番悪かったんじゃないかな(笑)。でも、自分から「ここで一緒に働きたい」って思った店だったんで。人が一番大事なとこでした。
―下世話なこといえば、トッププレーヤー自ら入店してきたってLSP的に超ラッキーじゃないですか?
そうなんですかね(笑)。今でこそ120坪超えの大箱店なんですけど。当時は30坪、20人以下の規模だったから、店的にも好条件を出したくても出せなかったんだと思います。その頃、店の知名度も全くなかったですしね。「LSP? それどこのグループ?」みたいな。グルダンの人にすら「LSPってどこだっけ?」って言われるくらい(笑)。実際周りからも、「そんなしょうもない店行ったら終わりだね」とか言われてましたし。
―そういうネガティブなこと言われたときってどんな心境でした?
「いや別に、そんなことなくない?」みたいに心の中では思ってましたね。周りの支えももちろんですけど最後は自分次第かなと。結果的に、移籍した翌年には1億4000万台後半まで売ることができたので。結果、売れたし売れるじゃんみたいな。
―アルトさん加入後、LSPはどんどん伸びていったんですね。
30坪から60坪に拡大移転して、その半年後に今の120坪越えの箱に移りました。店が狭かった頃は大変でしたね。それまで3年くらい毎月、組数が100本切ることなかったんです。毎日7組くらいは指名を頂いてたんですけど、店が狭すぎるあまり4卓横並びで自分のお客さん並んじゃったこともありました。シャンパン入れてる席が3つ並んで、残り一卓、狙い撃ちみたいな。
―被りがズラッと横並び。そんな恐ろしいことあるんですか…。
シャンパンコールも4回。「どうしよう…」。マイクでしゃべるじゃないですか。超気まずいww
―マイク、何言ったらいいんですかね。
そのときは各卓で「あ」「り」「が」「と」って1文字ずつ言いました。他に何も思いつかなすぎて。全員、来てくれなくなりましたね。当時は少しきつかったです(笑)。しかも移転できる箱がなかなか見つからなくて移転もままならなくて。
―箱ってなかなか見つからないもんなんですか?
そのときホストバブルみたいな時期で、新店や2号店がどんどんできていたし、みんな拡大移転しまくっていたので、50〜60坪くらいの良い感じの箱が一切空いてなかったんですよ。結局、1年くらいは30坪生活。60坪から100坪への移転は半年くらいだったんですけど。
―ちなみに、さっきの被りがズラッと横並びした話、そういうことは1回だけ?
さすがにそのときだけ。その日たまたま十何組くらい同時にお客さん入っちゃってて。店の卓が18卓だったんですけど、18卓中13卓が僕指名だったのでどうしようもなかったんですよ。
―他の従業員のお客さん入れなくなっちゃいますね。
その当時は僕と(柊)美咲以外、そんなにお客様を呼べないお店だったので。
―それはそれでヤバくないですか? そこから大箱の人気店へ。従業員をどう育てていったんですか?
これといって特別なことはしてないんじゃないかな。ただ、従業員と一緒に何かをする時間は多く持つようにしていたかもしれない。営業後にご飯食べに行ったり、フットサルしたり、社員旅行とは別にプライベートでパリ行ったりハワイ行ったりとか。それだけですね。一緒に時間を過ごしていただけ。僕も美咲も何も教えてないです。それぞれみんな自分なりのやり方を考えて自分なりのホストっていう形を勝手に作って勝手に売上を上げていってくれました。
―自由なのが良かったんですかね。
ただ、「どんなに理不尽なことがあったとしても、自分のせい、自分のためになることだと思って、自分で改善できるようになってほしい」とは言ってましたね。それで「本当に無理になったときは助けるから」って。真面目に向き合ってたらほんとに無理なことってなかなかないしそれが彼らの成長につながると信じてましたし。実際、みんな着々と成長してくれました。
―見守り型の育て方?
見守り型というか自分もあれこれ言われるのは好きじゃなかったし、個人のやりたいやり方や美学があると思うのでそれを尊重してますね。普段からああしろこうしろって言うことはないです。ただ、見せられるところは見せていたと思うし、聞かれたら教えられることはほんと全部教えていましたね。
―アルトさんは今年の春に取締役からプロデューサーに就任したんですよね。28歳でプロデューサーとなると、グルダンではかなり若いほうでは?
グループの中では最年少のプロデューサーらしいです。でも、ホストクラブの代表に近い立ち位置でずっとやってきた経験とか、ちっちゃい店から大きい店に育てていった経験とか、それこそ内勤もやっていたし、店作りのすべての面に関わってきた積み重ねがあるので。全部できるし全部教えてあげられるなっていう意味では、経歴的に未熟ではないと自分では思います。
―むしろ準備万端。
すべて計画通りに進んでます。ホスト業界に復帰して最初に内勤から始めたのも全部計画的ですね。
――経営者ということは、もうプレーヤーは上がったんですか?
はい。今はナンバーも上がってプレーヤーはしていないです。指名してくれたら席着きますけど。基本、従業員の席で一生懸命ヘルプしてます(笑)。
―ここ数年で、自分でも変わったなって思うところはありますか?
接客は変わりましたね。前はもっとクールな感じだったと思うんですけど、今はめちゃくちゃうるさくてふざけてます。自分も楽しみながら周りも楽しませる、そういう接客に変わってきたかも。
―そんな変化が。何があったんですかね?
従業員と仲良くできているからかな。仲良くしてなかったわけではないけど、今は従業員に対して興味を持てるようになったからかも? 前は組織として大きく見ているだけで、その人を深く見てなかったから。自分が成長して従業員に対して愛情を持てるようになったのかもしれない。
―というと?
たとえばこれまでは、このコの売上が少ないから上げてあげようと思ったら、まず数字を見て、「ああ、送り指名が少ないから送りを増やせるようにバックアップしてあげよう」くらいの感覚だったんですよ。今はそのコ自身を見てる感じです。「このコはこういうことが得意だから」ってところを見て、そのコの良さを生かせるアドバイスがあったらするし、苦手な部分をフォローしてあげることができればするし。余計なことは基本しないけどフォローとバックアップ。できることはしたいし、本人も満足いくいい感じのフォローになるようにそっと持って行きたい。
―そういう繊細な部分って、人に興味を持ってないとなかなか見えないですよね。
数字からは表面上のことしかわからない。足りない部分や結果的なことしか見えないんですよ。でも、そのコを見てるともっと深い部分で原因とか理由や改善策も見えてくる。こうしたらもっとプラスになるっていうところが見えてくるので。
―アルトさん、広い視野だけでなく洞察が増した感じですね。
これまでは自分の結果を追いかけていたので自分のことを中心に考えて仕事してきたんですよ。その当時、従業員のためだと思ってやっていたことも突き詰めれば自分のためだったなって。でもいつからか変わってたんですよね。今、自分が考えること、求める理想は周りのことだけなんです。みんながより良い理想に近づけるにはどうしたらいいかってことしか考えてない。ほんとにキレイごとなしに。ホストを突き詰めると、結果僕はそこに行き着きましたね。
―今のアルトさんのお仕事心得みたいなものってありますか?
心得というか、「俺は絶対いなくならないから」って言ってます。絶対にいなくならないから何でも言ってきていいし、ぶつかってきていいし、頼っていいし、裏切ったっていいよって。
―臆せずなんでも言っていい?
それを受け止めるのが上に立つ人間の役割だと思ってます。現状、僕はプロデューサーなんで、自分の上の人間となるとグループのオーナーになるんですけど。その方に対して僕、めちゃくちゃ言うんですよ。思ってること全部言っていい相手だし受け止めてくれると信じてるから。よく口喧嘩してますね(笑)。この人は絶対にいなくならないってわかってるから言いたいことは何でも言える。恨みっこなしで喧嘩もできる。
―組織として風通しが良いですね。
だから僕もそうありたい。従業員たちには、不満とかもっとこうしてほしいとかあったらどんどん言ってほしいし、僕がダメだったら怒ってほしい。安心して言いたいこと言っていいよって。同時に僕も思っていることは言いますけどね。違うと思ったことは違うって言うしもちろん叱ることだってあるし。
―忖度なく言いたいこと言える関係って健全ですよね。
叱ったとしても、腐っちゃうコは今のうちの店にはいないのでそれは素敵だなって思います。
―アルトさんの今の課題や抱負は?
この先目指したいことはいっぱいあるんですけど、今はまずプロデューサーとして人を育てていくことですね。みんなが自己実現できるようにバックアップしていく。店としては年間1億円売れるトッププレーヤーを育てて、グループのランカー(グループ全体でトップ10に入る人)をたくさん輩出していくこと。まずはそこですね。
プロデューサーとして新たなステージに進んだアルトさん。今後どんなお店づくりをしていくのか注目です!!
有名ホスト紹介
ホストっぽさゼロってこういうこと!ネオホス・アルトの接客スタイル-後編-
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