『FRERE(フレール)』のプロデューサーを卒業し現在は『club ZERO -the Re:birth-』に在籍する、エルコレの有名ホスト・比名瀬海斗さんがメゾンドボーテ初登場! 「歌舞伎町に来た当初は半年間全く売れなくて一度挫折した」という海斗さんが、売れない自分を変えるために試した方法とは!? 「ありがとぅーかいとぅー」でおなじみ、歌舞伎町のトッププレーヤーが語る自己改革と停滞期の脱し方。夜職の人はもちろん、昼職の人にも刺さるノウハウが満載です♥
注)本コラムは海斗さんが『FRERE』在籍時に収録
―以前はエアーグループにいたと思いますが、エルコレに移籍したのっていつだったんですか?
2年前の4月くらいです。エアグル時代は最初と最後が『ALL WHITE』ですね。最初ホワイトに入って、その後『ART』立ち上げのときにオープニングメンバーとして入って、そのあとまたホワイト。
―海斗さんがホストになったのっていつなんですか?
18歳のとき、広島で。そこで5年くらいホストをやって、「もうここじゃ目指せるとこないから、ちょっと歌舞伎町行ってみようかな」って感じで上京しました。
―広島ナンバー1みたいな。そこからポーンと歌舞伎町に。
キャリーバッグ1個で上京しました。で、即エアグルで寮生活(笑)。
―いま振り返るとホスト人生の転機っていつでした?
上京して半年くらい経った頃、最初のホワイト時代ですね。そのとき俺、一回挫折してるんですよ。全く売れなくて。売れなさすぎて(笑)。お客さん2人くらいしかいなくて小計100万いかないレベルで。
―挫折して、その後…。
今のままじゃダメだ、全部変えなきゃ無理だと思って。それで、今までやってきたことを180度変えました。アフター行かなかったのを行くようにするとか、それまで結構謙虚だったんで「指名して」とか言わなかったんですけど、それをちょっと強引なくらいの勢いで言うようにしたりとか。お客さんと出会った最初の頃ってちょっと気を遣うじゃないですか。遠慮がちみたいな。そこをあえてぐいぐいに行くようにしたり。接客もガラッと変えましたね。広島時代のことは全部忘れてゼロから売れている人の真似をしました。
―180度変えるって思い切りましたね。見た目も変えたりしたんですか?
変えました。広島から出てきて半年やそこらだとまだ地方感あったんですよね。地方ってやっぱりちょっと遅れてるんですよ。髪型だったりとか。まだスジ入ってるじゃないけど作り込みすぎてたりとか(笑)。それで「今っぽくしてください」とだけ言って、ヘアメイクさんのセンスにお任せしました。それまで割と、こうしたいああしたいっていう自分のこだわりがあるほうだったんですけど、全部捨てました。
―潔い…。
売れてないってことは全部間違えてるってことじゃないですか。だから服装から髪型、アクセサリーまで全部変えました。それまでゴリゴリにクロムハーツとかつけてたんですけど、それも全部外して今もつけてないです。そういう大改革をしていた頃、ちょうど『ART』が立ち上げのときだったので、オープニングメンバーに入ってステージも変えて。新規店だったら全部を変えた自分をゼロから試せるから。
―何もかもすべて変えたんですね。その成果は?
それで、ARTに入ってすぐ1,200万売りました。そのまま昇り調子で行ってその年に年間1位をとったんです。ここからは落ちることなく年間1億超えて、3年連続1億超えですね。
―ARTで売れて、そこからまたALL WHITEに戻って。
そう。ホワイトで挫折したとき、「ARTで1位とったらホワイト戻ります。そのときまた勝負したいです」って言ったんですよ。だからその言葉通りに。別の店で修行してまたもう一回挑戦みたいな。
―ALL WHITEに戻ってきてからどうでした?
問題なくスムーズに。年間1億も更新したし。それでエルコレへと旅立つっていう(笑)。
―勝負できない場所を一回離れるっていうのもありですね。
ありだと思います。ステージを変えて形を作ってからまた挑戦。あのままホワイトにいたら売れるまでもっと時間かかってたんじゃないかな。
―ちなみに、海斗さんがALL WHITEを挫折したときって誰が1位だった時代ですか?
今AIR本店でナンバー1を張っている佐々波 優くんですね。俺と優生(ALL WHITEのエグゼクティブプレーヤー)がミーティングで立たされて、「なんでふたりは売れないの?」って言われてました。若かりし日の思い出(笑)。
―海斗さんってお店ではどんな感じなんですか?
お酒めっちゃ飲みますね。店で一番飲みます。つぶれないし酔ってからが長いから飲み卓数得意です。
―長いというとどれくらい?
営業後に朝まで男飲みとか、場合によっては昼までいけます。酔うと楽しくなっちゃって帰りたくなくなるんですよ(笑)。
―海斗さんが第一線の頃、お客さんを増やすためにやっていたことは?
心掛けていたことは指名の席と初回の席のバランス。両方半々をセオリーにしてました。指名のお客様に5割力を入れて、残り5割は初回に使うっていう配分。売れたら初回に着かなくなるってあるあるなんですけど、それはやってこなかったです。日々初回は大事にしていました。お客さんってどんな人でもいつか必ず切れるときがくるから、今いるお客様を大事にするのと同じくらい新規獲得も大事に。
―初回を掴むコツとかありました?
大体、キャバクラもホストもフリーに着いたら抜ける時間って10分くらいじゃないですか。で、抜けるときに連絡先を交換することが多いと思うんですけど、自分の場合は会話が一番盛り上がったときに交換するようにしてました。席抜けるときに交換するっていかにも仕事って感じがしません? 相手も「仕事だから聞いてるんだな」って思うじゃないですか。そうじゃないんだよっていう意味で場面は選んでましたね。あと、送り指名っていうものは全く重視してなかったです。
―送り指名大事じゃないんですか?
そこまで重要じゃないと思ってます。だって短時間しか話していない初対面のホストの中から今すぐ1人選べって言われても困るじゃないですか。とりあえずでみんな選びはするけど、きっと他にも2人くらいは候補いるんですよ。だから、「送りじゃなくても、その女のコが気に入った3人に入っておけばいいよ」って後輩にもよく言ってます。
―確かに。なんなら一番あたりさわりない人を選ぶかも…。
送り取れたらベストですけど、とれなかったとしても大丈夫。そこから連絡を取り合うなかでリピートを掴めたりするものなので。送りがとれないことで病んでるホストのコめっちゃ多いですけど、「送り、別にとらなくていいから。別にそこじゃないから」って言ってます。選ばれないとそこで諦めちゃって連絡ちゃんとしない人もいるんですけど、それはめちゃくちゃもったいないですよね。
―送りに選ばなかったとしても「なんとなくあの人感じ良かったな」とかきっとありますもんね。
そうなんですよ。むしろそっちが大事。その後のやり取りで良い感じに深まっていくことのほうが多いから。送りに選ばれなかったからって気落ちすること全然なくて、「もしかして」に賭けていい可能性ってすごくあるし、連絡先交換できたってことでもう全力注いでいいんですよ。
―次につながる営業方法みたいなのってあるんですか?
ちゃんとそのコのこと思い浮かべながらLINEする。それと、「文は短くてもレスポンスは早く」ですかね。長文って読む人も大変じゃないですか。それよりも会話を交わすようにポンポンポンとラリーを続かせるような感覚で。相手の長文に対しては中文くらい。中文には短文で。言いたいことを的確に捉えて早く返す!
―海斗さんはスランプに陥ったりすることってありました?
全然ありますよ。ホストって波がある商売なんで、調子が良いときもあれば悪いときもある。調子が出ないときや壁にぶち当たるときって絶対あるんです。自分の最低ラインより下がっているときは「どうしよう」ってなるんですけど、そういうときこそ踏ん張り時なんです。
―どう踏ん張るんですか?
先月の自分より努力します。先月よりも朝早く起きてお客様にLINEするとか、先月よりアフターの数を増やすとか。やるべきことは先月を超えるように努力することだけ。でも、そうしていると自然と調子悪い時期を脱することができるし、乗り越えたときにはそれまでよりも一段階レベルが上がってたりするんです。スランプって大きく成長する前の準備段階というか、飛躍の時期なんですよね。
―スランプこそ飛躍のとき。ちなみに仕事をする上での自分ルールってありますか?
『想いは言葉にして相手に伝える』ですね。「ナンバー1になりたい」っていう思いがあるとしたら、心に秘めてるんじゃなくて言う。言葉にしないと相手には伝わらないし、言葉にすることで目標とか明確になるじゃないですか。そこで自分の気持ちも固まるし、お客さんとも一緒にそこに向かっていけるので。
―言葉にすることで自分も周りも巻き込むみたいな?
ホストって共感して応援してもらう職業なんですよ。そのために想いを言葉にすることが何よりも大事なんです。たとえばナンバー1になれなかったとき、「なれなかったわ〜」で終わりじゃなくて、感謝の気持ちも伝えるし悔しい気持ちも伝える。言葉で悲しさや悔しさっていう感情を共有してそこからの目標を提示することで、そこにまた新たなドラマが生まれて、またお客さんと一緒に頑張っていける。かっこつけたい気持ちとかプライドとか捨てて、どれだけ素直に感情を言葉にできるか、そこじゃないかなって思います。
―最後に海斗さんが今目指しているところってどんなところですか?
エルコレで自分の店を出すことです。「ホストクラブのオーナーになること」が次に目指しているステージです!
結果を出すための具体的なノウハウを惜しげもなく披露してくれた海斗さん、ありがとぅーかいとぅーです!
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