『ANARCHY』を筆頭に2号店『ALIVE』、新店『ABILITY』と3店舗を展開するGroup Anarchy。夏稀会長率いる『club ellie』との売上バトルやエルコレ参戦など何かと話題に! オーナーはホスト界の生きる伝説・鳳帝さん。カリスマが目指すグループの明日とは? ホストクラブ立ち上げ当初の“漂流時代”から、夏稀さんとの令和の大喧嘩、そして新たに掲げた野望まで…幅広くお話を伺いました!
Group Anarchyのお店は何店舗あるんですか?
ANARCHY(アナーキー)、ALIVE(アライブ)、ABILITY(アビリティ)の3店舗です。
アナーキーが拡大移転したのが?
2020年の11月ですね。それでも50坪の中箱なんで席が全然足りなくて。次は100坪くらいの箱に移りたいんですけどなかなか箱がなくて。先にお金貯めてます(笑)。
鳳帝さんといえばレジェンドですが、いつホストを始めたんですか? 日本一と言われるようになった時期は?
ホストは25歳から。冬月の前身のコンフォルトグループっていうところにいて、お店は『Club Conforto(コンフォルト)』。プレーヤー時代は最初から最後までこのお店ですね。全盛期は28、29、30歳。この頃は自分が日本で一番やったと思います。
アパレルブランドも運営されてましたよね?
ホスト引退して31歳から33歳までアパレルやってましたね。アパレルをやめて34、35歳くらいからホストクラブ始めました。
こちらもホスト、V系御用達として大人気でしたよね。ちょっともったいない気も…。
2年目の下半期くらいから黒字転換して順調やったんですけど飽きちゃってww ブランドになるとSS/AWと毎年2シーズン新作を発表しなきゃいけないじゃないですか。その縛りが耐えられなくなって。しかも、飽きた世界観を続けなきゃいけないっていうのがもう生理的に許せなくて。
それでアパレルはやめて。「どうしよっかなぁ」って2、3カ月フラフラしてたときに今トータルプロデューサーをしてる相方(=大珠トータルプロデューサー)と再会して「ホストクラブやろうか」という話になり。それでアナーキーをオープンしたのが2016年。やったらやったでまたどっぷりホストに浸かっちゃいましたね。楽しくて。
アナーキーにはコンセプト的なものはあったんですか?
いやいや最初は全然。「とりあえずやってみよっか」で戦略的なものもなければ何もなく。未熟で勉強不足やったんで当初はぐっちゃぐちゃでしたね。自分自身どうしていいかわからないような感じでやっていて。ホストクラブとしてのスケール感も作ってあげられなかったし、当時のキャストたちには本当に申し訳なかったなって思ってます。
経営とプレーヤーは違うじゃないですか。プレーヤーは野球選手みたいなもので自分が張ればいいわけですけど、チームを勝たせる監督側ってすごく難しい。監督的な勉強を何もせずに始めたんで、店の運営や従業員のマネージメント、何もかも上手くできてなくて。それでまあ病みました(笑)。プレーヤーのとき病んだことなかったんですけど、初めて病みましたね。
初めての病みを経験!
やめよっかなと思ったくらい(笑)。要はホストクラブという事業をナメてたんですよね。キャストに恵まれていたので赤字にはならなかったですけど、お金云々より人に疲れていくというか。悪循環に陥ってました。自分が悪いんですけどね。
そういう時期はどのくらい続きました?
2年くらい続きました。経営的に上がることも下がることもなく海の上をただ漂っているような。どこに向かうでもなく漂流しているような感じでした。溺れかけ続けているけど、まだ生きてんなぁ、どうしようかなぁみたいな(笑)。
漂流が終わったのは?
2年目の年末です。漂流した末にどこにもたどり着かなさそうだってことがわかった(笑)。その時期、人も去りかけていたし店としてガタガタで。代表や相方のトータルプロデューサーに「このままじゃ潰れますよ!」と言われ、改めて現実に目を向けた感じ。店をやめるかやめないかずっと考え続けて、でもやっぱり好きな業界なんで、「やるか!」となってそこで自分なりに本気で取り組んでいく決意が固まりました。
この業界でどんなビジョンを掲げてどんなスタイルでどういうスタンスで戦っていくのか、どうキャストを導いていくか。改めてオーナーとしてこの業界と向き合い始めたのはここから。もう一回、一からやり直したような感覚でした。
どんなビジョンを掲げたんですか?
たとえば野球でいえば、草野球があって、プロ野球があって、メジャーリーグがある。その感覚でいったら、メジャーリーグの一番上っていうものを店として目指す。それがビジョンですね。
せっかく働いてくれているんだから、うちのコたちを一番上のフィールドで戦わせてあげたい。自分が一番上で戦っていた経験があるからこそ、それを味わわせてあげたいと思うし、てっぺんの景色を従業員たちにも見せてあげたいって思ってます。
ホスト業界の頂点を目指してる?
そうです。口では簡単に言えますけど、覚悟して心から言うには相当な覚悟がいりました。店を始めた数年はダメなプライドがあってそういう壮大な夢と向き合えなかったんですけど、「俺は俺のやり方でいい」みたいに変なプライドは捨てて、3年目からは本気でてっぺん目指してます。
いわゆる個人店から業界の頂点を本気で目指すってことですもんね。確かに覚悟がいりそう。
大手の勢いのあるお店っていっぱいあるじゃないですか。CANDYさん、TOP DANDYさん、REDさん、YGGDRASILLさん、Leoさん、Latteさん…パッと思い浮かぶだけでもたくさんある。そこをずっと見て見ぬふりしてきたんです。見たらすごく都合悪いものじゃないですか。店売り1億突破とか、内装費に何億かけたとか。そういうのを他人事にするのをやめて、しっかりそこを目指すって決めました。
メジャーを目指す覚悟を決めたのが3年目。そこからはどんな変化が?
上から順にマインドってできていくものだと思うんですけど、まずオーナーとしてのビジョンが明確になったことで、店全体の空気も従業員の意識も劇的に変わっていきました。僕自身このコらを育ててあげたいし売れてほしいっていう思いも強くなって。そのために、どういう環境を用意して、どういうことを教えてあげればいいのか、プレーヤーとしての経験もすごく教えるようになりましたし、広報も一から勉強してプロモーションに力を入れるようにもなって。こんなに変わるんやってびっくりするくらい、すべてがどんどん良い方向に伸びていきましたね。
『club ellie(クラブエリー)』会長の夏稀さんと喧嘩の末に、アナーキーVSエリーで売上バトルが展開されてましたよね? あれでアナーキーというお店にがぜん興味がわきました。何してんだろうみたいな(笑)。
(*2021年6月、SNS上の口論を発端に始まった「アナーキーVSエリー」のバトル企画。謝罪と宣伝トラック走行費を賭け1カ月間の売上が競われました)
興味わきました? よかった! それが狙いだったんですよ。
本気で店づくりをした結果、誇れるようなお店になったんで、これはもう次の段階として歌舞伎町にアピールしてもいいなと、認知度を上げるために何でもやってやろうと思ってて。あのバトルは僕と夏稀とで考えた企画で、いわばプロレス的な展開ですよね。
夏稀とも仲良しで弟みたいな存在なんで、どこで喧嘩してどういう人たちを介入させていくか、どうバズらせるかみたいな話をしてて。「1年12カ月のうち1カ月くらい歌舞伎町の中心にいたいよな」ってバトル月間として組み立てていったっていう。
売上バトル自体はガチですよね?
もちろんガチです。あのとき1億が見えた店売りを出せたんですよ。あ〜いけるんやって思いましたよね。キャストも最初は「無理、無理」みたいな感じやったんですけど、バトルの過程のなかでどんどん意識改革されていって。結果、運良く勝つことができて、「君たちならできるよ」って自信つけさせてあげられたのもすごく嬉しかったですね。
企画の効果は? 目論見通りにいきました?
予想以上にバズりました。Twitterもインプレッションが毎日15万以上やったんで、だいぶ認知してもらえたなあって思います。話題の中心の2店舗になれたので勝っても負けても勝ちみたいな。
勝っても負けても認知度が上がる!
爪痕残してやろうと思って。やっぱり名前を覚えてもらうことって大事じゃないですか。SNSにおける犬のマーキングですよね。一生懸命やってるお店やから、なんとかして知名度を少し上げたいっていうところで、なりふり構わずやってみました(笑)。
2022年の動きとしては?
やっぱりエルコレ参戦。ブランドシェアですね。ずっとどうしよっかなと考えていたんですけど、動くなら今しかないと思って。1月1日からエルコレ参戦!
思い切りましたね!
エルコレって日本一を目指している組織(ブランドシェア)ですし実際そうなるだろうし。規模がすごいんですよ。そのスケール感でやってるエルコレのコたちって目がキラキラしてて。うちのキャストたちもここで戦わせてあげたいって思ったんですよね。それが一番大きいです。その思いのもとでのエルコレ参戦です!
独立してグループを立ち上げるってありますけど、グループを牽引してエルコレ参戦は前代未聞ですね。
前代未聞 (笑)。日本一に王手をかけてるブランドに参戦するって頭おかしいですよね。実際、始めから負けに行くようなものなんですよ。LeoさんとかLatteさんを倒さないと一番にはなれないわけだから。じゃあ何を思ってそんなところにいくかっていったら、やっぱりチャレンジなんですよね。まだ進化の途中だし、1億円の店を作りたいし、1億円プレーヤーを輩出したいから。
エルコレに参入って聞いたら、吸収とか傘下に入るっていうイメージかもしれないけど、うちのグループは2021年暴れさせてもらったんで、全くそんな感じには見えないっていう自信もあったので文字通りの参戦なんですよね。エルコレに殴り込みやし、エルコレで殴り込み。めっちゃ楽しそうじゃないですか。どうなんのアナーキーみたいな(笑)。
店舗としての成長速度も速くなりそう。
もちろんです。全然違いますよね。それも考えてのことです。そこにプライドはいらない。プライドは成し遂げてから持てばいいから。キャストのことを考えたら自分のちっちゃいプライドは関係ない。そこに縛られてたら周りを不幸にするじゃないですか。そんなんあかんから。
どうせやるんやったら、エルコレを日本一にして、その組織の中でアナーキーを1位にしたいと思ってます。
日本一のグループの中のナンバー1になったら、日本一の店ですね!
すげえこれ、大変やと思います(笑)。その頃には店売り2億とかいかなきゃ話にならないだろうし。今Latteさんが1億6,000万とか7,000万なんですよ。ヤバないですか?
億プレーヤーも育てなきゃとか?
育つって信じてます。育つ環境を用意できつつあるので。勝手に育ってくれると思ってます。
ところで、Group Anarchyにはクセが強いホストさんが多いって聞きますがほんとですか?
ほんとクセ強いコばっかり。お店オープンしたときから今に至るまでもれなくクセ強いコしかいないですね。クセしか入って来てない。クセの集まり(笑)。
でも良いコばっかりなんですよ。クセ強い=性格悪いじゃないんですよね。クセが強いというだけで、結果良いやつだったりするので。しかもプレーヤーってクセ強いくらいがちょうどいいんですよ。
そんな彼らをまとめ上げているのが帝さん。
簡単に言ったらイケメンの動物園(※顔面ランクは相当高い)をやっているような感覚です。でも檻はないからどっちかっていったらジュラシックパーク。あいつらバケモンばっかりなんで(笑)。
ジュラシックパークの園長としてできることは?
住み心地の良い環境を用意してあげることかな。のびのびできる環境でより美味しい肉をたくさん食わせてあげたい。愛情たっぷりなんでね。
僕がしてあげられることは土台作り、環境作りしかないので。彼らが輝けるようにステージを用意してあげる、ちゃんとした良い箱を早く用意してあげたいですよね。中箱から超一流の大箱になって、さらにそれが良いお店になったらわざわざ他店に移動しなくていいじゃないですか。彼らがのびのびと実力を発揮できるジュラシックパークを作ってあげたいです。
従業員への愛がダダ漏れだった鳳帝さん。こういう人のもとで働けたら仕事に打ち込めそう! 「プライドは成し遂げてから持てばいい」という一言も覚えておきたい言葉ですね♡
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