中医学をベースに西洋と東洋の美容をミックスした「美養法」を提唱する濱田文恵さんにインタビュー! 前編では、27歳で最年少美容家として独立するまでの経緯や、自分の力で自分をキレイにしていく「セルフ美容」について聞きました♡
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日中美容研究家 濱田文恵さんに聞く「美養法」後編 〜チャイボーグメイクと漢方スキンケア〜
濱田さんが美容家の道に進むキッカケは“ニキビ肌の克服”だったとお聞きしましたが…。
そうなんです。大学を卒業してWebデザイナーとして就職したんですけど、入社早々、顔中吹き出物だらけになってしまって…。思春期も肌トラブルがないほうだったのでショックでしたね。そのときは病院にも通いましたし、ニキビに良いと評判の薬や化粧品も片っ端から試しました。でも、1つ治ったらまた1つできる…の繰り返しで一向に良くならなかったです。それで、これは何か根本的な原因が他にあると思って自分で肌のことについて勉強し始めたのが美容の道へ進む入り口になりました。
いきなりニキビができたのってなんだったんでしょうね。
ストレスだと思います。社会人になって環境が変わったというストレスもあるし、そもそもWebデザイナーという仕事が好きじゃなかったんだと思います(笑)。その頃の私にはあきらめグセというか、「私には無理だろう」ってやる前からあきらめてしまうようなところがすごくあって。夢に手を伸ばすよりも、手に職的な安定を求めてWebデザイナーという道に進んだようなところがあったので。
ニキビ、治りました?
これまでは薬を塗るとかニキビに良い基礎化粧品を変えるとか、とにかく「塗る=足す」ということをしていたわけですけど、そこで足すのをやめて必要最小限なものだけに変えてみたら、ちょっとずつ肌も変わっていきました。その上でWebデザイナーの仕事も思い切ってやめて(笑)。ただ、肌のことを自分で学びながら実践するうちに、美容ってすごく面白いと思うようになってきたんですね。それで「日本化粧品検定」の資格をとって、コスメの企画開発する広告代理店に転職しました。
そのとき初めて好きな方向に進んだんですね。
そうですね♡ そのときは会社員をしながら「私みたいに美容の知識がなくて、間違ったスキンケアをしている人はいっぱいいるんじゃないかな?」と思ってブログで情報発信をしていたんですが、ひとつ学んだらもっと知りたいことが出てきて、スキンケア、メイクアップ、パーソナルカラー、女性ホルモン、毛髪美容…と次々と学んでいって。気づいたらトータルビューティーを学んでいたみたいな。せっかく学んできたんだから直接お伝えしたいと思ってレッスンも始めて、気づいたら独立していて、いつの間にか美容家と呼んで頂けるようになっていた、という感じですね。
濱田さんは中国生まれということで、ご自身のルーツでもある中医学をベースに東洋と西洋を組み合わせた「美養法」を提唱されているとのことですが、「美養法」ってどんなものなんでしょうか?
西洋的な美容は、ニキビ、シワ、シミといった今あるトラブルに対して化粧品やエステなど「外側からのアプローチで改善を目指す」考え方だと思うんですね。一方で東洋的な美容はトラブルが表面化する前に「体の内側からのアプローチで養生して予防する」ことがメイン。外側からの改善と内側からの養生、両面からアプローチしていきましょうというのが私の考える「美養法」です。
そのベースになっているのが中国伝統医学の中医学。
中医学には、たとえば風邪になる前ののどがイガイガする「未病」の段階のケアで風邪を防いで、さらに風邪をひいてしまうような大元の問題も解消できるように体の中から養生をしていきましょうという考え方があって、それはそのまま美容にも置き換えられるものなんですね。それこそ肌表面と内臓はつながっているので、たとえば「肝臓の“肝(かん)”が悪かったらシミができるよ」とか、「腎臓の“腎(じん)”が悪かったら黒っぽいクマがでてくるよ」といった中医学の理論はあるんです。それがわかっているなら、はじめから養生すればシミ、シワ、クマ、吹き出物っていうものができずらい肌になれますから。
体の中から養生するというと食事も大事ですよね。何か美肌に良いレシピ教えて頂けませんか?
たくさんあるんですが、おでこニキビの薬膳レシピをご紹介しますね。東洋では、おでこにできるニキビは心神が疲れていたり、心理的に大きなプレッシャーがあると、中医学でいう五臓のうちの「心」に熱が生じてできると考えられています。熱は上へ上がってくるものなので、「心」に生じた熱が体の一番上まで上がってきておでこ周辺にニキビが発生するというイメージですね。
おでこニキビって結構しつこいですよね。治ってもまた出てくる。
そんなときには、百合根と蓮子(はす)が心神をリラックスさせてくれる「百合と蓮子のなつめ粥」がおすすめです。百合根には美肌に関係する「肺」を潤わす効果もありますし、大棗(タイソウ=なつめ)にはビタミンCも豊富。材料は百合根と蓮子、大棗、お米。作り方も洗って下準備した材料をお粥になるまで煮込むだけなので簡単ですし、食材も手に入りやすいものなので手軽に作れますよ!
濱田さんは「日本セルフ美容協会」という協会を立ち上げて代表もされていますが、「セルフ美容」とは? 普段のスキンケアやメイク、セルフメンテとはまた違うものなんですか?
もちろんそういった日々のスキンケアや美容メンテも「セルフ美容」なんですが、もう少し大きな意味で「自分で自分をキレイにしていけたらいいよね」と捉えている感じですね。伝統美容や伝統医学を今の生活に合った形で落とし込んで、もっと日常的に取り入れていくのもセルフ美容のひとつですし。
伝統美容を現代風にアレンジするみたいな?
たとえば、中国だったら美肌にいい“白キクラゲ”が簡単に手に入りますし、ファーストフードくらいの感覚で食べることができるんですけど、日本だとそこまで一般的ではない。だったら、白キクラゲを使ったフェイスパックもあるのでそれをスキンケアに取り入れてみるとか。
セルフ美容にはいろんなアプローチがあるんですね。
私自身が、お医者さんに行ってもニキビが治らなくてそれで自分で学んでケアしていったという経緯があるので、自分で自分を良くしていく方法を様々な方向から学びましょうという気持ちで「セルフ美容」と呼んでいます。うちの協会では、女性が内側からも外側からもきれいになるために必要だと思うスキンケア、メイクアップ、パーソナルカラー、毛髪美容、体内美容という5つの軸で「セルフ美容」に関係するレッスンをしています。
おすすめの“セルフ美容法”はありますか?
具体的にコレ、という話ではないのですが、“自分のためにできる小さなキレイなこと”を1日1コやっていくといいと思います。2、3時間かかってしまうようなスペシャルケアじゃなくていいんです。たとえば「今日は姿勢を正すことを意識してみよう」とか、「今日はなるべく添加物の入っていない食事をとろう」とか、小さなことでいいので。キレイになれることを1日1つずつやっていくと、気づいたら本当にキレイになっているんですよ。
1日1コ、美を高める意識をするっていうことですよね。
普段、何気なくやっていることの中で高められたらいいんです。たとえば、テレビを見ながら何となく化粧水を塗るのではなくて、電気を消して五感をフルに働かせながら化粧水を塗ってみる。それだけで、気持ちの面からもリフレッシュしてキレイになれるので。
いつの日かネタ切れしちゃいそうです(笑)。
そう思って、セルフ美容協会のメルマガでは、毎朝8時に「1日1コキレイなこと」ということで、「今日はこんなキレイなことをしませんか?」という提案を発信しています(笑)。セルフ美容の良いところは、キレイになるだけでなく自分の内面も変わっていくところ。私の場合はもともとあきらめグセがあって、「私なんて無理だよ」ってあきらめがちだったんですけど、肌荒れを自分で勉強して治したり、その後も美容を学んで実践していったり、そうした中でちょっとずつ自分も変わっていったんですね。「ここまでできたんだから、次はこれもできるよね」というふうにすぐにあきらめなくなった。自分が自分のためにかけた時間や努力がその後の行動の背中を押してくれるようになる、それがセルフ美容のもうひとつの効能。
キレイになったから自信が持てたんじゃなく、キレイになる努力を続けられたことで自信が持てた?
それまでの過程が自信を与えてくれますよね。だから、キレイになるっていうのはキレイになって終わりじゃないんです。そこからが始まり。さあ何かしようと思ったとき、やっぱり怖いなと思ったとき「自分で自分のことをキレイにできたんだからこれだってできるよね」って勇気を与えてくれるもの。踏み出すときに背中を押してくれるものが、キレイになることの意味だと思っていて。私が提唱している「美養法」の根底には“美容をキッカケに自分の人生を豊かに生きていこう”という意味もこめられているんです。
1日1コ、小さな行動を起こすことでキレイになって、しかも自分に自信が持てるようになっていくセルフ美容。これって今日から始めてみる価値がある実践的なレッスンですよね! 濱田文恵さんインタビュー・後編は美をつくる基礎化粧品と人気の中国コスメがテーマ。お楽しみに!
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