最近、雑誌やメディアの露出も増え、歌舞伎町ディアレスト勤務の人気キャバ嬢、一条響さんにインタビュー。
「目標を立てたらそこまでしか行けない。がむしゃらに頑張る事で自分を超えられる」
Instagramのフォロワーも9万人を超え、歌舞伎町だけでなく、全国的な知名度を持つキャバ嬢一条響さん。そんな彼女の下積み時代と現在の営業方法についてお話を聞いて来ました。
※在籍店、SNSフォロワー数は記事公開時(2017年5月時)の情報です。
高校を卒業した18歳から4年ぐらい六本木にいて、歌舞伎町に移ったのは2年半前。高校生の頃からちょこちょこ東京で遊んでいたし、周りの友達も夜やっているコが多かったから、なんとなくその流れ。六本木で初めて在籍したお店は『舞人(マイト)』。友達がそこで働いていて、そのコと遊んでいるときにたまたま店のオーナーと会って、「うちで働きなよ」って話になった。『舞人』には1年半くらいいて、そのあとはお客さんの勧めもあって『ビゼ』に移った。
六本木時代の最初の2年くらいは、そんなに真面目に働いてなかったな。出勤は週1回くらいで、それも出たり出なかったり。ほぼブラブラしてた(笑)。お金がなくなったら、「稼ごう!」みたいな。遊びたくて仕方なかったんだよね。太いお客さんもいたから、余裕もあったし。でもそのお客さんが切れて、そこで初めて「ヤバッ!」みたいな。で、そこからやっとまともに働き出したの(笑)。でも、遊びたくて仕方がなかった、18、19歳の頃に、散々遊び尽くしておいてよかったなって思う。そのおかげでそれ以降は、毎日仕事行くのが普通になってて、仕事の面白さを求めるほうにシフトできたから。
まともに出勤するようになった頃くらいから、急に売れ出して、売れると仕事も楽しくなって、今までの自分じゃないみたいに仕事に夢中になった。
水商売を始めた頃は東京の夜の街のことは何にも知らなかった。銀座は高級クラブの街だってことすら知らないレベル。歌舞伎町は怖い街で、行ったらきっと危ないことに誘われるんだと思ってた。それが、「お前は六本木しか経験したことがないから、まだ若いうちに歌舞伎町を経験してみれば?」と勧められることも増えて、だんだん歌舞伎町で働いてみたい気持ちが高まっていった。
確かに、六本木や銀座はおばさんになってからでも働けるけど、歌舞伎町はやっぱり若いコの街っていうイメージがある。元々、若い頃から歌舞伎町にいた人ならいいかもしれないけど、六本木からいきなりおばさんが歌舞伎町に移籍したところで、パッとしない。行くなら若いうちじゃなきゃ意味がないなって。それで移籍を決めたのが22歳のときだった。
歌舞伎町に来てからは『セリュックス』に在籍して、去年の11月に『ディアレスト』に移籍した。現時点で歌舞伎町歴は2年半くらい。来たばかりの頃はお客さんがガクンと減ったりもしたけど、今ではすっかり歌舞伎町に馴染んでる。家も新宿だし、買い物する街も遊ぶ街も新宿。ずっと歌舞伎町で働けたらいいなって思ってる。
得意なお客さんの層は、オタク系、ワイワイ系、ヤカラ系で、接客は基本お客さんに合わせるほう。しっぽり飲みたい人とはしっぽり飲むし、騒ぎたい人は騒ぐし。でも、ワイワイしてるほうが好き。六本木時代とか、相当つき合いがよくて、誘われれば気軽にアフターへ行って、ポンコツになるまで飲んでる人だった。店で飲んで、アフターで飲んで、そのあと女のコだけでお昼まで飲んで「あ~今日も楽しかった」みたいな。酔っ払うとお客さん、誰が来たかとか全然覚えてなかったな。今はそんなポンコツになるまで飲まないようにしてる。ちょいちょいフェイクでお茶とか飲んで誤魔化してるから、逃げるのが上手いってよく言われる(笑)。
アフターは1対1じゃ行かないけど、団体とか仲良いお客さんや女のコとかだったら行く。“楽しめる”と思えなきゃ行っても意味がないと思うから。自分が無理してつき合ってたら、その無理がお客さんにも伝わるし、自分が楽しめていればその楽しさをみんなで共有できる。結果、「こいつと飲むの楽しいな」って思われて、それが私の場合、“ラッキー指名”につながってると思う。“ラッキー指名”っていうのは、自分が勝手にそう呼んでるだけだけど、思ってもみないお客さんがくること。いきなり指名が入って、席に着いてみたら前にアフターへ行ったときに一緒にいたお客さんだったみたいな。アフターで私と飲んだら楽しかったとか、カラオケでめっちゃ盛り上げてくれたとか、そういうことを覚えていてくれて、「どの店に行くか?」で迷ったときに、「そういえばあのときのアフター楽しかったから、とりあえずディア行くか」ってなるみたい。
マメじゃないから営業もあんまりしてないけど、要所要所で心掛けているポイントはあるかな。たとえば、“相手を名前で呼ぶ”とか。「ねえねえどう思う?」じゃなくて、「○○さんはどう思う?」とか、意識的にお客さんの名前を入れるようにしてる。名前を呼ぶことで、1人の人間としてキチンと向き合ってる感じが伝わるといいなって、そういう気持ちから。
あとは、お礼のLINEを送るときに、“前回のキーワードを入れる”とか。「今日はありがとう、会えてうれしかった」は、みんな送ると思うんだけど、そのときにプラスもう一言。2回目の来店だったら、1回目にきたときの会話の内容をちょっと入れたりする。たとえば、「前回はテキーラ飲んだけど、今回はイエガーだったね」とか。“あなたのことちゃんと覚えてますよ”アピール。「前回は閉店ギリギリだったからあんまり話せなかったけど、今回は1時間も長くしゃべれたね」とか。
それと、これは私だけが思うことかもしれないけど、人ってせっつかれると負担になる気がするから、お客さんとは次の約束はしない。「来週何曜日あいてる?」とは聞かずに、「じゃ、また来週♪」みたいな感じでお見送りする。毎日のように来る人なら「また明日」。週1くらいなら「また来週」。月1ペースの人なら「また来月ね」。年1回なら「また来年!」。お客さんには、プレッシャーかけないほうが長く続くんじゃないかな。
見た目で気をつけているのは“変化を出す”こと。男の人って飽きやすいから、目に見える部分に変化を出すって重要な気がする。メイクを変えるとか、ヘアアレンジを変えるとか。でも、そういう見た目の変化って気を抜けばいくらでも抜けるところだから、自分の場合は1週間のうち同じドレスは絶対着ないとか、自分なりのルールを作ってそれを守るようにしてる。
仕事は生活の一部で、自分で好んでこの仕事をしている自覚がある。出勤が「嫌」っていう感覚はないから、この仕事が向いてるのかもしれない。
SNSとかでも、「夜の仕事して病まないんですか?」とか「心のケアはどうしてるんですか?」とか、よく聞かれるけど、メンタルが図太いから病まないんだよね。もちろん、最初から図太かったわけじゃないよ。そこは六本木時代に鍛えられたんだと思う。六本木って上品で清楚系のお姉さんが多くて、当時の私はギャルで若かったから、お姉さんたちの中にいるとすごく悪目立ちしてた。“出る杭は打たれる”ってことわざがあるけど、六本木時代の自分は出る杭そのものだったから、そのときに散々打たれまくって、そこで強くなったんだと思う。
当時、私がいた店では、銀座のクラブみたいな“係”のシステムを使っているお姉さんたちもいっぱいいて、若かった私はヘルプ的に使われがちで、悔しい思いをいっぱいした。もちろん、指名も売り上げも“係”のお姉さんと割れるけど、お姉さんは一切席に着かないしアフターも行かない。お酒飲んでがんばって売り上げを上げているのは自分…。がんばればがんばるほど腑に落ちなかった。けど、まあそういうシステムだし、店の中の人間関係もあるから仕方ない、そう割り切っても、その店はクラブじゃないから、そこから話はややこしくなる。クラブだったら、お客さんは“係”のキャストを変えられないけど、そこはニュークラブという名のキャバクラだから、指名替えはできるわけで…。お客さんにしたら、席にもつかない、アフターもしない、そんなコにお金を落とすよりも、毎回席に着いて盛り上げてくれるコのほうに気持ちが動いてしまうこともある。「もうあいつ指名外すから、響だけ指名するね」って本気になってくるお客さんもいる。となれば“係”のお姉さんは当然激怒するわけで、盗った盗らないでしょっちゅう揉めまくってた。指名替えして欲しいなんて自分は一言も言ってないし、そんな気サラサラない。私も気が強いから、「言ってないものは言ってない」みたいな感じで、お姉さんとケンカになって…。罵られたり、悪口言われたり…。
そういう修羅場経験を散々したおかげで、今では、そんじょそこらのことじゃ病まない自信がある。悪口を言われてても、「へへへ」って笑って、聞こえない聞こえない、みたいな。謎に強くなっちゃった。そのときは嫌だったけど、今となっては六本木でいい経験をしたなって思う。
病まないと言っても、ヤル気が出ないときとかはあるよ。がむしゃらに仕事したあととか、燃え尽きちゃって気が抜ける。そういうときは迷わず休む。無理に出勤してお店にいても、負のループに陥っちゃうから、3日、4日休むようにしてる。休んでる期間はお酒も飲まないし、LINEの返信含めて完全に仕事から離れるようにする。そうすると自然と、「仕事やんなきゃ」みたいにちょっと焦りが出るから、そのタイミングで出勤。とことん休んだほうが、私の場合は次の意欲につながりやすい。
本当はきっと、目標を設定してそこに向かって着々とがんばるほうが充電切れになることは少ないんだろうけど、私はそっちじゃない。テストで前回80点だったから、今回は90点とろう、みたいなやり方ができない。90点とろうって目標を設定したら多分85点しかとれないタイプ。でも、目標を決めずに全力を出してがむしゃらにやれば結果がついてくる。昔からそう。疲れるけどね。でも、全力を出した実感があるから、それで結果が悪くても、それは誰のせいでもないし後悔もない。その点は自分的にキツくない。全力出して、疲れたらちょっと休んで、それでフル充電できたらまた働いて…。その繰り返しのリズムが自分にとっての調度いい仕事のペースなのかなって思う♡♡
最近はInstagramのフォロワー数も増えてきて、キャバ嬢として全国的な知名度が出てきた一条響さん。
これからの活躍に期待です♡
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