年間指名本数1200本を超える『SINCE YOU…-本店-』の1億円プレーヤー!小田桐蓮さんに聞く“売れる技術”。「飛び抜けた才能や尖った個性はない。そういう意味で自分は“持たざる者”」と語る蓮さんが磨き上げた接客術とは? 「接客業の才能ないかも…」と思っている人必見です!!
―蓮さんのホスト歴ってどのくらいになるんですか?
ホストを始めたのは22歳なのでかれこれ6年経ったところですね。結構ベテランww
―最初のお店が『AIR本店』で、その後が『SINCE YOU…-本店-』?
AIR本店を退店したのが2019年の5月なので4年くらい居たのかな。そのあと休業期間を2カ月挟んで、シンス本店でホストに復帰したのが8月ですね。AIR退店のときは辞めるまでの期間も消化して、辞めたあとも働かない期間をとって仁義を通しているのでキレイに辞めていると思います。
―律儀ですね。
いろんな人から、「仁義切らなくてもどうにかなるから、ホスト続けるなら間をあけないほうがいいよ」とは言われたんですけど、駆け出しの頃からお世話になったお店だし、ちゃんとしたいなと思って。
―1カ月空くとお客さん離れていくって言いますよね。
1カ月あくと3割いなくなって、2カ月あくと8割いなくなって、3カ月休むとマジでゼロになる。そういう話は聞いてはいましたけど、僕が復帰したとき8割どころを9割5分いなくなりましたww
―蓮さんの前職はエンジニア系のサラリーマンだったと聞きましたが?
理系で機械設計をやってました。このときのスキル、今は何も生かされてないっすねww
―エンジニアからホストになったのは?
僕、地元の長崎支社採用で就職したんですけど、そこから愛知の本社に3年という期限付きで出向していて。その期限が近づくに連れて「地元に戻るのはなんか違うな」みたいな気持ちが芽生えてきて…。そこから先行きを考え始めたんです。
―そこからホストって結構飛躍が…。
決定打になったのは22歳の誕生日。機械の据え付け作業の指示出しで北茨城に行ってたんですけど、大雪でお休みになって空白の1日をビジネスホテルで過ごしてたんです。することないからYouTube観てたんですけど、その中でホストのバースデーイベントの動画とか流れてきて、「同い年やのに、この違いなんだろう。俺もそっち側行きたい」って思ったんですよ。そっからすぐでしたね、会社やめたの。
―いきなり!
いや、ずっとモヤモヤしてたんです。「俺、これでいいのかな?」って。そのモヤモヤの中でトリガーがその誕生日だったっていうか。止められましたけどね。僕、けっこう真面目っていうかちゃんとやってたから。本社勤務がいいなら本社勤務にするし、給料上げてもいいし、部署変えてもいいし、だから残ってくれって。でも「ホストになろう」って決心しちゃってたから。
―ホストに惹かれるってところで、「俺ならできんぞ」みたいな自信も?
非モテだったんですけどなぜかイケる気がしたんです。謎の自信大事ww その頃愛知にいたんですけど、ホストやるなら歌舞伎一択だなと思って上京しました。
―最初がAIRグループだったのは?
「歌舞伎町 ホストクラブ」でググったときに「A」から出てきたんですよ。それでAIRグループが真っ先に目に入って。デカいグループみたいだし、そこの本店入って1番取ったら格好いいやろなみたいな。入店したのは22歳の誕生日から2カ月後、4月でしたね。
―下積み時代もあるんですか?
ありますよ。あの頃はとにかく掃除係から脱するために一生懸命でした。3カ月後にはどうにか100万円売り上げられるくらいにはなったんですけど。周り見たら同期14人中残ってたの2人でしたね。
―何かコツを掴んだとか?
その頃はまだそんなレベルじゃない。モブなんで。ただ、何やるにも精一杯。1人でも多く初回に着かせて頂いて、連絡先交換した人にはLINE送り続けて…みたいな。それこそ携帯の音量MAXにして枕元に置いて寝て、LINE1件着信しただけで起きて返すみたいな。まとまった額のお給料をもらえるようになるまで1年かかりました。
―その時期心がけていたことは?
売れている周りの先輩の接客をとにかく見てましたね。ただ、見てると、「この人こっちの席ではめちゃくちゃ乗ってるけど、こっちの席ではスベってるな」とか見えてくるんです。万能じゃないんだなみたいな。それで、売れてる人の良いほうの接客だけを徹底的に模倣しました。
―良い面だけを模倣。
1人だけを完コピしたらパクリって思われるかもしれないけど、2人以上を模倣したらそれはもうオリジナルなんですよ。だから、いろんな人の良いところを取り入れながら実践して合うものを蓄積していきました。
―そして、そこからポーンと?
いや、じわじわと。ちょっとずつです。今もそう。僕、ホスト歴6年の中で年間売上は落ちたことないんです。それってあるときいきなりガンッと上がったからじゃなくて、ちょっとずつ上がって行ってるから。一歩一歩成長していくタイプです。
―エアグルを辞めたのは?
ホストに対してのモチベーションが下がってしまって。「俺、ここからどうなりたいんだ?」みたいな。ホストってヤル気下がると続かないんですよ。それで一回辞めようみたいな。でも、2週間くらいでまたホストやりたいって思いましたけどね。
―2週間で…早いですね。
サバゲーが好きなんですけど、最初の2週間毎日サバゲーやってたんですよ。起きてサバゲー行って、夜はサバゲー仲間と軽くお酒飲んで帰って寝る…。それをずーっとやってるうちに、「なんなんだろうこの生活は!」ってなっちゃって。
―毎日好きなことできるの幸せそうですけどね。
遊んで暮らせたら幸せなはずなのにあんまり幸せじゃなかったんです。もっと人といっぱいしゃべりたかったし、生産性のない毎日ってキツイなあって。そこから、声がかかってたホストクラブに体入に行き始めました。
―復帰がシンスユーだったのは?
声が掛かっただけでいったら40店舗くらいあったんです。なぜか沖縄から北海道まで全国各地のホストクラブからww 今だから言いますけどそのとき僕の中でシンスは第4希望くらいだったんです。でも、体入のときに呼んだお客様たちがみんなが「シンス楽しい」って言っていて、僕的にも働いていてシンスが一番楽しかったんです。体入したときの歓迎ムードみたいなものも熱かったし。シンスが一番、僕を欲してくれている気がしたんです。
―入って良かったですね。
ほんっとに良かったです♥ 店との相性もすごく良かったし、毎日楽しいし。「良い店選んだな俺」って未だに毎日思います。
―入店即1,700万&100組オーバーって記録出してますよね。
当時の最高記録! そのときお客様2人にまで減っちゃってたんで、最初の1カ月は寝ずに営業しました。夏休みも毎日外でお客様と会う予定立てて、ランチへ行く人、お茶する人、晩ごはん食べる人、深夜帯に飲む人…1日5〜6人会うペースでフル稼働。でも、ラッキーも重なりました。切れたお客様でも昔のよしみで一回顔を出してくれる人もたくさんいたし。ありがたかったのがTwitterでの新規のお客様。休業中も更新は続けていたんですけど、「次のお店が決まったら指名しに行こうと思ってました」っていう人が結構いたんです。思いがけないラッキーが重なってこの結果を出せました。
―Twitter更新していてよかったですね!
「AIR辞めます」ってツイートが過去最高に回ったんですよwww それで僕を知った人が結構いたみたいで。これはデカかったです。想定外の来店!
―自分を心から欲してくれているところにハマるって移籍の目安?
そうかもしれない。シンス入っていきなり運が良くなってる感あるんですよ。歯車が噛み合ったみたいな。
―ホストでリスペクトしている人っていますか?
尊敬と好きのセットでいえばうちの代表の秋さんですね。この人のために頑張りたいって思うくらい好きww 秋さん超絶イケメンなんですけど、それを抜きにしても人を惹きつけるものがあるんです。ホストとしては天才肌。感覚でできちゃうタイプ。自分が持っていないものを持っているから憧れるっていうか。僕は考えながら石橋叩いて渡るタイプなのでww
―着実に進めるみたいな?
入念に計画を立てて準備をするほうですね。1億売るには毎月いくら売って、そのためにはこうしてああしてってそういうのすぐ算段しちゃうし。秋さんの場合は「なんとかなるっしょ!」みたいな。で、実際なんとかなっちゃう。ただ、天才肌なだけに後輩へのアドバイスはあんまり上手くないんですけどねww 「隣についてウェーイってやってれば大丈夫だよ!」みたいな感じだからwww
―長嶋監督みたいですね。
そういうとこも含めて人を惹きつけるんです。明るくて底抜けに優しいから。自然と周りに人が集まってくるタイプ。上に立つの向いてますよね。秋さんには店の顔としてそのまま優しく大らかでいてほしいんで、後輩への具体的なアドバイスとか厳しいこと言わなきゃいけない場面とかは僕がやればいいかなって思ってます。実際、的確に説明するなら僕のほうが適任なんでww
―秋さん愛されてますね。支えてあげたくなるみたいな?
「ねぇほんとに? それで大丈夫?」って心配になっちゃうんですよwww 僕、オダって呼ばれてるんですけど、「オダに任せておけば大丈夫!」ってよく言われるんです。「いや無理!」って思うけど、かといって心配だから超全力で頑張ってしまう。で、結局上手くいくみたいなww 心配にさせて人を頑張らせられるところすごいな。すごい才能だなって思います。
―信じて任せる秋さんの大らかさも素敵ですね。
そうなんですよ。僕は自分で走って行っちゃう。自分でどうにかしちゃう。だから秋さんみたいな感じ「いいなあ〜」ってあります。でも、こういうものって持って生まれたものだと思うから、僕はそこに努力で勝っていきたいですね!
―蓮さんが接客で大切にしていることってなんですか?
自分のなかで、「赤点を取らない60点の接客」っていうのがまずベースにあって。その上でいつも3手先を読んだ会話をするようにしています。こう言ったらどう思うかの向こう側。この話題から何を想起してどんな感情になる可能性があるか。できるだけそこを見据えるようにしています。60点以上の接客をベースにしながらプラスαを狙うみたいな。
―たとえば?
仮にもしもお客様が両親と死別していたといて、自分が家族とのほっこりエピソードを話したらそのコは悲しくなるかもしれないじゃないですか。そういうマイナス要素をできるだけ減らした上で、一緒に楽しめるような話題で盛り上がることを目指す接客です。
―新規の人とか、地雷の可能性に満ち溢れすぎてませんか?
逆に見ず知らずの相手だから一緒に楽しめる話題っていっぱいあるじゃないですか。それ以降で言えば付き合いが深まるほど踏んではいけない地雷ってわかるようになる。記憶力と想像力。その2点で楽しい時間って作っていけると思います。
―そう言われるとナルホド!
ホストでもキャバ嬢の方でも、夜の業界って癖が強い人や独自の感性の持ち主が売れると思うんですよ。何か独特なものを持っている人。そういう点で言うと僕は「持たざる者」なんです。めっちゃ普通だから。常識的だし、そんな突飛な人間性はないから。ただ、そういう「持たざる者」でも努力でここまでは行けるんだよってものを追求していきたい気持ち、むちゃくちゃあります。
―そう言われると、「普通」にロマンを感じますね!
僕、マジで普通なんで。逆に「普通の人でも努力でここまでいけるよ」っていう指標を作りたい気持ちありますね。それってわりと今後参考になるんじゃないかと思って。
―「普通の人」蓮さんの今後の目標は?
ゆくゆくは代表になりたいですね。シンスに入ってからの月日の中で、導くのは苦手ではないと気づいたので。代表という立場で後進を育てたい気持ちはすごくあります。名プレーヤーであり名監督になりたいっていうか。自分を超えていくような人間を後輩たちからたくさん出せたらすごく嬉しいだろうなって思います。
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