ホスト雑誌にも度々登場する、歌舞伎町CRAZY GROUPの顔であり『Drop(ドロップ)』代表の獅龍 仁(しりゅう じん)さんがメゾンドボーテ初登場!! パッと見コワモテ、でも超おしゃれ、そして多彩な趣味…。いわゆる“ホストっぽくない”という形容詞すら追いつかない、仁さんの型にハマらない生き様、マインドを掘り下げます!
―仁さん、コワモテなので怖い人だったらどうしようとちょっと思ってましたけど、取材前に雑談をしていて優しかったので安心しました(笑)。
いや、全然ですよ。よくホスト雑誌とかからアウトローという言葉を使われてきましたけど、アウトローではないし周りには優しいと思いますよ。
―ホストの前は何をしてたんですか?
中学出てから床屋さんとか美容室で働いてました。ホスト以外の職業はこれだけですね。
―ホストを志した理由は?
お金を稼いでみたいと思ったからですね。100万とか見てみてえなみたいな。現金で車買いたいなとか。『夜王』読んでかっけーなと思ってましたし。ザ・ホストみたいな。夜王の真似して指鳴らしたりしてましたよ10代の俺は。漫画と違って周りの音がうるさくて全く聞こえてなかったですけど。
―ホストデビューした街は?
中洲です。全然売れてなかったですけどね。入店して3カ月目くらいで借金400万くらい食らってましたし。建て替えまくってナンバー1、ウエーイ!みたいな。
―え、大丈夫ですか!?
ヤバかったっす。金ねー!と思って。キツかったすけどキツイのが楽しいみたいなとこもあって。相当ヤバイけど追い詰められてはいなかったかな。400万もどうにか返したし。とはいえ、福岡でも売れてなかったのになんで東京に来たのかもわかんないんですけどね。
―仁さんのブログに19歳、20歳頃の写真が載ってましたけど、だいぶ雰囲気違いますね。
歌舞伎町に来たのが20歳とかなんすけど、当時はカラコンも入れとったしホストっぽかったと思います。“昔ながらのホスト”っぽさですけど。
―ホスト人生の転機っていつでした?
人間性が変わったのは今のグループの社長に出会ってから。丸くなったというか人らしくなった? 人じゃなかったですもんそれまで。小学生からこっち、人を威嚇する以外の生き方を知らなかったんで。土地柄“ナメられたら負け”みたいな文化やったんで。それが当たり前すぎて。そういうツッパリ的なものがダサいなと思ってからですかね、変わったのは。そういうのいらないんだなって。
―社長ってどんな人なんですか?
雫さん。めっちゃイケメンです。そして良い意味で圧倒的に変わってます。怒鳴ったところも見たことない。俺、地元では上の人に怒鳴られて生きてきたんですよ。だけん逆に怖いです。物腰やわらかい感じで「最近大丈夫?」って聞かれてビビるみたいな。大丈夫じゃないけん大丈夫?なのか、普通に聞きよるだけなのか。こっちが深読みしてるだけなんですけど。もやもやするから逆に怒鳴ってよみたいな(笑)。
―プレーヤー時代、仁さんのお客さんには傾向ってありました?
系統バラバラでしたね。「なんで俺指名しとんの?」って人ばっかりでした。けど、「ホス狂い」って言われるような女の子から指名もらったことなくて、指名がかぶっとるみたいなパターンなかったっす。結果、自分にお金使うコは自分だけだったかな。他の店に行ったとか聞いても「じゃあ、行けば」みたいな感じだったんで。「お前よそ行くなよ」って嫉妬する振りとかするじゃないですか? それが気持ち悪くてできなかったっていうのもあって。
―色恋的な営業は?
全くないっす。1位になる意外に興味がないみたいなスタイルだったすね。それを応援してくれる人がお客さんになる。今思えばどうやってたんやろな。「これいくらやけど、やれる?」って聞いて、やれんやったら「わかった」ってスッと引く。無理じいとかはせんかったです。
―仁さんの普通の1日の流れを教えてください!
朝9時に起きて、昼までは本を読んだり観たいアニメを観たりっていう自分の時間。そこからジムへ行って軽く体を動かしてからの撮影or会議。そのあと出勤。仕事が終わって帰ってくるのが3時〜5時の間っていう毎日ですね。
―ご飯いつ食べてるんですか?
朝と出勤前。夜は基本食わないです。ラーメンとか食べないし外食はほぼしないです。
―ストイックですね。
そんなんでもないっす。ただ、デブが食う飯を日々食うことはないってだけ。毎日筋肉飯を食べてるわけじゃないですよ。体型管理って自分の意識ひとつで保てるジャンルじゃないですか。そこは気をつけているだけです。
―午前中は読書。イケてますね。
いや、社長から本読めって言われて読み始めたんで。人から勧められたら「俺ちょっと…」って断ることないんですよ。やってみて合ったら続けるし、合わなかったら忘れる。読書は合ってただけ。
―素直なんですね。
そうかもしんないですね。この歳でそこまで柔らかいのは確かに…。特技は「素直!」ですかね(笑)。でも俺、一生勉強できますたぶん。
―本はどんなジャンルを?
何ってことなくタイトル見て気になったものを中身を見ずに買います。1カ月に1冊は新しい本を買うようにしてるんですよ。1年経ったら12冊たまるじゃないですか。それで改めてタイトルを見ると、今自分が何を求めているかっていう集計が取れるんです。その集計が年々変わる。
―去年読んだ本の集計から見えてきたものは?
「時間」でしたね。時間に関わるようなキーワードがたくさん出てきた。時間が欲しいのかな?
―仁さんは宣材もインスタもPV的なものも含めて、自分の見せ方やビジュアルの作り方が上手いですよね。全部自分でディレクションされているんですか?
作業をしてくれるのはそれぞれプロの方ですけど、こういう世界観でこういう感じで表現したいみたいなことは全部自分で考えますね。イメージとか伝えて作り込んでいくみたいな。そういうの好きなんですよ。
―お部屋をリメイクするDIYの腕もプロ級で有名ですよね。創造的なことが得意なんですかね?
好きですね。そんな感じのことをゆくゆくは仕事としてやりたいなって思ってます。そういうのまとめて一個会社作りたいなとか。誰かひとりが幸せになることを提供したいんですよ。超たとえばですけど、旦那とか彼氏とかの誕生日に何か特別なことをしてあげたいってとき、それをトータルでプロデュースしてあげたい。サプライズとかも含めて。
―インスタにおしゃれスナップ的な写真を載せる一方で、作り込んだコスプレ写真とかも載せてますよね?
中2病大好きなんでww
―仁さんから中2病というワードが出るとは思ってなかった!
いや、全然中2病ですよ。未だに左腕から雷出ると思ってますからね。でも、中2病って2種類ありますよね。尖ってるだけのただただダメな中2病と、夢見る中2病と。俺はずっと夢見る中2病でいたいすけど。
―夢見る中2病とは?
大人になると「無理やろ?」ってなってくること多々あるじゃないですか。そこで、「いや、できるやろ」みたいな。「やろうと思ったこと、人間ができんわけなくね?」とか思っちゃうタイプなんで。
―それは良い中2病な部分?
良い中2病だと思います。悪いほうは20歳くらいで捨てました。「ナメられたくない」とはじめましての人に強く当たるとか、ありがとうございますが言えないとか、見境なくタメ口とか。それはダメな中2病なんで。そういうのは一切なくなりましたね。
―夢見る部分は失わず…?
それがないと生きてる価値ないじゃないですか。妄想しなくなった人間って絶対面白くないですよ。こうなったらいいなあって思ってたほうが楽しいから。「こうしたいけど無理やろ」って思ってたら生きててキツイ。そうなったら今この日常がすべてになってしまうんで。中2病的な夢見る力は生きていくために絶対必要ですよ。
―19歳、20歳の頃はホストっぽい見た目でしたけど、そこから今の仁さんになっていったのはいつくらいなんですか?
上京してちょっと経った頃くらいすかね? 歌舞伎町での見栄の張り合いみたいなのダルくなっちゃって。俺がどれだけホストっぽくかっこよく見せようとしても、別にホストのイケメン死ぬほどおるし。そもそも自分キラキラした感じとかどうでもいいしどう見られたいとか全くないし。それでホストっぽい格好良さみたいなの捨てて、自分がなれる自分になろうと思ったんすよね。そのときに短髪になって、そっから今に至るみたいな。
―独自のイケメン路線を歩んでいる?
いや、イケメンではないww 俺イケメンだと思ったことマジで一回もないっすよ。イケメンと言われても何も得しないし承認欲求とかマジでないんで。むしろ人から褒められるとなんかこう息が詰まってしまう。すごいねとか言われると、「まだ限界じゃねえし!」とか。なんせ中2病なんでね(笑)。
―大体、承認欲求みたいなところから始まったりしますけど、そういうのないんですね?
「ない」は言い過ぎかな(笑)。自分の価値を作り上げたいとか、周りに認められたいとかはあったすね。ただ、褒められたいとか褒められることでモチベーション上がるとかってなってくると違うっていう話で。そういや24歳の後半くらいから褒められたことないですね。褒められて喜んでるようじゃ上に立てないなって思ったのもあるし。
―褒められると息が詰まるっていうのは?
褒められて育ってないんで居心地悪くなるっていうのもあるし…なんやろうな。褒めを受け取ったら捉われてしまいそうな気がするんすよ。たとえば、SNS見てくれてる友達から、「オマエのああいうの見てるとめっちゃ元気になるわ」とか言われたら、「俺間違ってないな」とか、「やり続けていかなきゃいけないな」とか思ってしまいそうじゃないですか? そう言われるためのことを無意識に選びそうじゃないですか。そうなってしまったら自分の感覚からズレていきよるというか。
―言われてみれば確かに。褒めには「こうあって欲しい」っていう相手の期待があったりしますからね。真に受けるのって実は危ういかもですね。
俺は何も言われんのが一番いいです。「パワーもらってます」とか言われたらそれはまあ嬉しいですけど、「べつに〜」って感じです。受け止めないです。
―最後に、仁さんの今後のビジョンなどお伺いしたいです。
今のステージを通して得た知識を活かして、 “サプライズ”をテーマにデザイン性の高い動画などを制作する会社を作ることですね。今頭にあるイメージを形にして面白いものを作っていきたいし笑顔の多い会社にしていきたい。それが目標ですね。その為に一歩ずつ日々進んでいるんで今後もこの馬鹿野郎にご期待下さい!
見た目も考え方もホストの型にハマらない仁さん。今までのホストさんのコラムともまた一風違ったインタビューになりました。自然体な博多弁も耳に心地良かったです!
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