人の悩みの9割は人間関係とはよく聞く話。夜でも昼でも職場の人間関係は円滑なほうが幸福度の高い人生が送れそうですよね。そこで交友関係も広く、撮影現場でもいつもニコニコ♡ムードメーカーで、バースデーともなれば“肝臓を捧げる”後輩が引きも切らない日本一の愛されキャバ嬢、『ジェントルマンズクラブ』の椿そらさんの人付き合いのコツを深掘り! 敵を作らず、関わる人みんなと上手くやっていく秘訣を聞きました!
―お客さんだけでなくお店の女のコや同業の人たちからも愛されているそらさんに、敵を作らず周りからも大事にされる人付き合いのコツを教えて頂きたいなと。
愛されてるのかな? そうだといいなぁ(笑)。でも、昔は違いましたよ。キャバ嬢をバチバチやってた頃とか。自分さえ良ければいいみたいな時代もあって。今思えばその頃は自ら敵を作り出すような対応をしてましたよね。
―自分さえ良ければっていう時代があったんですね。
ジェントルに入って変わりました。20代前半の頃とか自分のことしか考えてなかったし。若かったっていうのもあるかな。毎月売上を必死で追い掛けていて余裕がなかったから。自分のことしか考えられないときって余裕がないんですよね。
―変わるキッカケがあったんですか?
自分さえ良ければ、で生きてた頃はワガママだったし嫌なヤツだったんですよ。それで最終的にいろんなものを失ったんです。人も離れていったし信頼も失ったし。何もない、さびしい人間になってしまって…。こんな生き方していても良いことないな、何のメリットもないなって気づいたんです。キャバ嬢という仕事を大事に思ってて、だからこそがむしゃらにやってきたのに、そこで何も残らなくなっちゃったから。それがすごくショックで。
そのとき、自分を変えなきゃって。「あ〜このままじゃダメだ。人間として一から作り直そう」と。そのときは何がダメかわかってなかったけど、今のままじゃダメだっていうのはわかってた。生まれ変わるつもりでジェントルで再スタートを切りました。
―今のそらさんはジェントル時代に作られたんですね。
そう! 「椿そらってすごいじゃん」って、売上だけじゃなく人としても認められるキャバ嬢になろうって誓って入店したんです♡
―ジェントルに入ってどんなところを変えたんですか?
人との距離感を考え直しましたね。根本的に人付き合いとか好きなんですけど、仕事関係ではあんまり深くなりすぎないように。ほど良い距離感で付き合うようにしてます。
距離が近くなりすぎるとお互い甘えや期待が出てくる。そこから気持ちに行き違いが生じたりして人間関係のトラブルも増えたりするじゃないですか。だから当たり障りなく。お節介焼かないとかね。
田舎娘だからお節介なところがあるんですよ。食べな食べなみたいな。性格的にも情に厚いから気を付けてます。親切や面倒見の良さは一歩間違えると厚かましさに繋がるから。
―面倒見の良さとお節介は紙一重?
優しさや親切のつもりでも相手にとってはウザいとかあるじゃないですか。相手から求められたこと関しては何かしてあげたいなって思うけど、そうじゃなければそっとしておく。「こうすればいいのに」と思ったとしても見守るくらいのスタンスでいます。押し付けがましくあれこれ言わないですね。
―職場などの関係なら“当たり障りなく”を心掛けておくと悩みや問題は減りそうですね。
一緒にいて害がないくらいでちょうどいい(笑)。言い方がアレだけど、人にそんなに興味を持たなくていいと思うんですよ。ほんとテキトーでいい。私がジェントルで上手くやれているんだとしたらテキトーだからかもしれないです。そんなに関わりを持たないから。人に対しては好きか興味ないかくらいにしてます。いまは嫌いっていう感情はなくなりましたね。
―「嫌い」はないんですね。
そこまでの思い入れがないのかも。嫌うって結構パワーのいる感情じゃないですか。ま、別にどうでもいいやくらいにしておく。嫌いとか苦手をガッツリ意識しながら生きてたら疲れちゃう(笑)。
人と上手くやっていきたいからああしようこうしようって思いがちですけど、逆だと思うんですよ。好かれるために何かするっていうよりは嫌われる要素を減らしていく。ゼロ地点を目指す(笑)。あとは一般的に見て、されたら嬉しいであろう普通のことだけしてればいいんじゃないかな。
―嫌われる要素というと?
時間や約束を守らないとか、態度や行儀、言葉使いが悪いとか…etc。常識的に見て「こういう人は嫌だな」っていう要素を自分からどんどんなくしていけば、自動的に害のない人になるんじゃないかと。
―嫌われる要素を減らすって理にかなってますね。
何かと生きやすくなると思う。何なら好感を持たれる可能性しかない。そう考えると嫌われる要素を作らなかったらメリットしかないんですよ。
―仕事もやりやすくなりそう。
特にキャバクラって1人ではできない仕事なので。いくら自分が指名をもらっていても、「この人のヘルプに着きたくない」と言われたら仕事にならないし、「こいつの席着きたくねえ〜」とか思われてたら接客もおざなりにされちゃう。人間関係が良好なほうが圧倒的に仕事はやりやすいですよね。そこを理解して自分の“得”を追求していくと、自然と周りとの関係も良くなっていく気がします。ある意味腹黒いのかもしれないですけど。
―「一般的に見て、されたら嬉しいであろう普通のことだけしてればいい」っていうのは、たとえばどんなこと?
人としてごくごく普通のこと。それこそ自分から挨拶をするとか、ちゃんとお礼を言うとか。挨拶されて嫌な気持ちになる人いないじゃないですか。何なら大御所の人とかイメージ的に怖そうな人に挨拶されたら「えっ、超優しい!」ってなりません?(笑) 普通にしてるだけでいいんですよ。立場が上だからってツンツンする必要もないし。
余裕があれば自分が人にされて嬉しかったことを周りにしていってもいいですよね。自分が後輩だったとき先輩にされて嬉しかったことを後輩たちに返していくとか。
―そらさんも後輩たちに返してるんですか?
そうするようにしてます。お店の女のコにドレスを貸したりするんですけど、それも自分がそうしてもらえてすごく助かったからなんですよ。駆け出しの頃って今ほどお金に余裕がなかったから。美容にお金をかけると新しいドレスが買えないとかドレスにお金をかけると美容メンテが手薄になっちゃうとかあったので。だからロッカールームに貸し出し用のドレスを揃えてるんです。「これ着て美容にお金かけな〜」みたいな意味で。
―それ自由に着ていいの?
全然OK。そのロッカーにカギとかかけてないです。それでドレスなくなっちゃったりとかもあったんですけどまあそういうことも込みで。
―大らかですね。
残念なことがあったらそのぶん幸せが来るっしょ!と思って気に留めない。いろいろ深刻に受け止めない♡
―人と衝突したときってどう収めます?
そういうものって勝ち負けじゃないので、お互い冷静に話して着地点を探すかな。人間なので感情に流されそうになることもあるけど踏みとどまる(笑)。
―感情的になってやり合うと事態が悪化しますよね。
揉めますね。そういうときは一旦保留。出かかった言葉を一度飲み込む。時間が経つと怒りって落ち着くから。腹が立っててもとりあえず「ま、いっか」って次のことに取り掛かってあえて忙しくします。忙しいと怒ってる余裕もなくなって頭が冷やせるので。考えるヒマがあるとそれについて考え続けて怒りが増幅するから何かしたほうがいいですよね。
で、落ち着いた頃にどうするか考えます。流せることなら流せばいいし、付き合い方を考え直したほうがいい場合もあるし、実害を被っているならちゃんと解決しなきゃいけないだろうし。ともかく怒りに身をまかせず一旦時間を置いて冷静になるのが先かな。
でも最近は全然怒らなくなりましたね。怒るのって時間も体力ももったいないから。それがどうでもいい相手だったらむしろ損でしかない(笑)。
―夜の世界だと「裏切る」って言葉をよく聞きます。人に裏切られたときにできることってなんでしょう。
よく聞きますね。「親友だと思ってたのに裏切られた」とか「結局人はいつか裏切る」とか。でも人間みんな自分の都合で生きているからそういうこともありますよ。大事なのはその出来事をどう捉えるかじゃないかな? 次に生かすのか、裏切られたって恨みを募らせるのか。
―そらさんの場合は?
どうして裏切られたんだろう、自分は何が悪かったんだろうと考えます。心当たりがあるならそこを反省する。何もないなら「そういう人だったんだ」と思う。「そういう人と関わらなくてもやっていけるような力を持とう!」って自分の成長に繋げます。結局は全部自分の責任。自分の選択の積み重ねの結果なわけだから。
―そういう人と関わったのも自分の選択ですしね。
その人を選んだのも信じたのも自分なわけだから。なぜ失敗したのか反省して次に生かせばいいい。「裏切られた!」って言ってるだけじゃ人のせいにしてるのと一緒ですよね。人を見る目も養われない。また同じような失敗を繰り返す気がします。失敗したら次に繋げる。そういうふうに切り替えていったほうが成長できますよね。
―人を見る目、養われました?
だいぶ。この人ヤバイなってわかります。経験値の上での直感だと思うんですけどセンサーが反応するんですよ。「この人ヤバイ!」って感じたら、挨拶程度の関係に留めて絶対深入りしない。安全な距離を保って必要以上に関わらないです。
―良い人間関係を維持するためにそらさんが気をつけていることってありますか?
身近な人の悪口を言わないことですね。お客様、友達、彼氏は自分の鏡なので、悪口を言うのはある意味自分をけなしているのと一緒。
―言われてみれば確かに。
悪口言いたくなるくらい嫌な人だったら離れます。どんなに太いお客様だったとしても指名から外れます。「指名いらないので。他のコにお金使ってください」って断っちゃう。嫌なら関わらないのも人付き合いのコツ。双方平和じゃないですか(笑)。
―彼氏の愚痴とかつい言っちゃいそうじゃないですか?
言いたくなりますよね(笑)。でも、どんなにイラッとしても私は言わないです。ダメなところムカつくところを言えば言うほど「じゃあなんでそんな男と付き合ってるの?」っていう、自分を下げちゃうことになるので。
身近な人のことを話すなら良いところを言います。誰も傷つかないし、万が一相手の耳に入っても褒め言葉なら嬉しいじゃないですか。どう転んでも良いことのほうが多いですよね。
仕事や人間関係の愚痴や不平不満もそうですよね。結論「やめればいいのに」しか答えはないから。愚痴ってばっかりで何も変えようとしない人はどんどん自分を下げちゃう。見下されるじゃないけど周りからも大事にされなくなるから、いっそ言わないほうがいい。
―愚痴、気をつけなきゃ!
まあでも、生きてれば愚痴のひとつも言いたくなるときはありますよね。本当に仲が良いコや大事な人にだけポロッと弱音を吐いちゃうのは悪くはないと思いますよ♡
〜敵を作らない人付き合いのコツをおさらい〜
♡踏み込みすぎないちょうどいい距離感を保つ
♡好かれるより嫌われる要素を減らす
♡されたら嬉しいことだけしていればいい
♡感情的になっているときは一旦保留
♡裏切られた経験は次に生かす
♡愚痴るより良いところを褒めてみる
「好かれるために何かするより、嫌われる要素を減らす」という発想が斬新だったそらさんの人付き合い術。今すぐ使える実用的なポイントばかりでした。人間関係で消耗している人は「居て害がないくらいでちょうどいい」を目指してみたら気が楽になりそう♪
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