歌舞伎町の実力派ホスト・天我さんをクローズアップ! 代表をつとめた『TOP DANDY vivid』を5月末で卒業し、今は新店『TOP DANDY NEON』をオープン予定の天我さん。のどかな田舎のギャル男から歌舞伎町の有名ホストに成り上がったヒストリーから、TENGAというアダルトな名称をあえて源氏名に用いたブランディング、天賦のヒモの才をホスト力に昇華したお仕事術まで根ほり葉ほり伺いました!
※本取材は『TOP DANDY vivid』在籍時に収録
『歌舞伎町リベンジャーズ』(愛沢えみりさんのYouTube企画で)はドラケン風のヘアアレンジもハマってましたけど、普段のヘアスタイルは?
ベースはツーブロックのロン毛。毎回セットサロンでウェーブにしてもらってます。髪色もヘアスタイルもメッシュの入り方も高校生くらいからこんな感じなんですよ。ギャル男とか流行ってたんで。今の時代いないですけど、でもそれが逆に良いかなと思って。
天我さんはTENGAとコラボもされてますよね? やはり名前つながりで?
してますね! そもそも源氏名つける段階からTENGAにあやかってて、最初は自分で勝手にTENGAと写真撮ったりしてコラボしてました。そのうちちょっと知名度上がってTENGAの会社の方にも知ってもらえるようになって、そこからつながりが生まれたっていう感じですよね。
TENGAが元ネタだったんですね。
そう。おかげで名前覚えてもらうの早かったですよ。一度聞いたら記憶に残るじゃないですか。最初は「名前呼びたくない」とか言われてましたけど(笑)。
「兵庫県の田舎出身」と何かで言っているのを見たんですけど?
地元は兵庫県の尼崎とか西宮の奥地のほうで、タヌキとかクマとかめちゃめちゃ出るような自然豊かな町です。「あのおじさんがクマに襲われた!」みたいな。そういうド田舎でギャル男やってました。中学から髪長くて。周りはメンエグ、メンナクをみんな読んでた時代ですかね。
地元を出たのは?
18、19くらいの頃かな。大阪で友達と住んでました。バーとかハプニングバーで店員しつつお昼もやってましたね。そこから知り合いのツテで東京の立川のバーで働き始めて二十歳になる頃にそのまま立川でホストに。その店がつぶれて八王子の系列に飛ばされ、さらにまた飛ばされて系列の歌舞伎町へ。そのお店もつぶれ、そこからグルダンです。
グルダンに入ったときは何歳くらい?
22、23歳かな。せっかく歌舞伎町に来たんだからちゃんと自分でお店を選ぼうと思って探しました。『REIZEND(ライゼンド)』っていうお店だったんですけど、ほどなく拡大移転で『TOP DANDY vivid』に名前が変わったんですよ。ややこしいんでvividで話しますね。
当時の接客スタイルは?
それまではギャーギャー騒いで下ネタばっかり言ってるような感じでした。子どもでしたよね。ホスト始めてすぐに、いきなり先輩のお客さんのおっぱい触ってめちゃくちゃキレられるとか。今思い出すとヤバイやつ。盛り上げようと思ってそういうことしちゃう。怒られたけど何が悪いのか全然わかってなかったし。アプローチが完全に間違ってた。
ホストっていう仕事がわかってきたのは、グルダンに入って売上が上がってからですね、上がったっていっても10組以下とか小計数万円なんですけど (笑)。ただ、それまでいた八王子とかのお店がホスホスにも載ってない看板もないようなとこだったんですよ。知られてないから初回も入らないし従業員3人とかだったんでww 初回入ってもホストの人数が足りなくて入店断るとかあったんで売れようがなかった(笑)。
当時はどうやってお客さん作ってたんですか?
ツイキャスとかナンパとかして店に来てもらうみたいな。お客さんいないからナンパでもしようみたいな、勢いとノリで。でも打率は良かったんじゃないかな。
そもそもその当時バイトだったんで。遊びに行こうみたいな感じでホストやってました。元々、ヒモだったんですよ。女のコにお金もらって生きてたクズ人間だったんで。仕事したくないなみたいな。ホストはバイト、ヒモが本業みたいなww
当時の本業はヒモ! でもヒモはヒモでヒモの才能も必要ですよね?
その才能ありましたね! こうやったらお金もらえるな、いけるなみたいなのが自分の中にあって、「俺、女のコがこの世に存在する限り、生きていくの困らないな」って謎の自信みたいなのありました(笑)。
売れ出したのはいつ頃?
vividに入った当初はバイトだったんですけど、ちゃんとやろうと思ってレギュラーで在籍してそこからですね。連絡先にある女のコに片っ端から連絡して「お金使ってよ」「エースになって!」って言いまくってました。そしたらたまたま「今、担当いないからいいよ」みたいな。それで入店半年後くらいに1,500万売って役職もついて、そのへんからちゃんとホストやってますね。売れたらさらに頑張らなきゃっていう気持ちが芽生えた。
天我さん、組数で51カ月店舗ナンバー1という記録もお持ちですよね?
2017年の終わり頃から2021年の12月まで組数1位でしたね。vividに入った最初の頃にお客さんを呼ぶことは得意だなって気づいたんで、そこはちゃんと伸ばしていこうと思って頑張ってました。その後売上の上げ方も掴んでいって2018年からナンバー上がるまでは組数も売上もずっと1番でした。
天我さんの売上の上げ方は?
これまでホストクラブであんまりお金を使ってこなかった人をちょっとずつ育てる感じですかね。今まで5万、10万くらいだったコを100万、200万使えるように育てていくみたいな。逆に元々使っているコは苦手。お金を持っていて誰に使うかは自分で決めるエースクラスのコは、ライバルも多いし慣れてるから大変ですよね。そこで頑張ろうと思ったら必死にならなきゃいけないから。
それよりも育てていくほうが好きだし得意です。「次はこうしていこう」とか少しずつ。多分これヒモの気質というか。ヒモってそうじゃないですか? ちょっとずつちょっとずつ財布のヒモをゆるめてくみたいな。そこはヒモ時代のキャリアが生かされてる。今思い至りました(笑)。
同時に稼げる女のコに育てるっていうのもあるのかな。「お客さんとかにこういうふうに言ったらいいんじゃない?」とか、「こんなふうに言われると男は嬉しいよ」とかアドバイスしたりモチベを上げていったり。
ヒモの方はどうやって財布のヒモをゆるめるんですか?ちょっとずつなんですかね。
コンビニでお会計するときサッとガムを置いたりして反応を見て、「あ、このコいけるな」と思ったらちょっとずつあれ欲しいこれ欲しいと言ってみる。そのうち「今日、ごはん行きたいからお金ちょうだい」とか言って少しずつ許容範囲を広げていく…。みたいな感じですかね。昔の話ですけどね。今はやってないですよ(笑)。
でもヒモもホストも、一緒にいる時間、女のコを楽しませるっていうのは共通ですよね。すべてはそこがあっての話。気に入られてなかったら何も始まらないから。
ちなみに昔からヒモ気質の自覚ありました?
ありました(笑)。ラクしてお金が欲しいとは元々思ってたんで。そのためにどう動くか。10代から21、22くらいまでの若い頃は、そのときそのときラクをしたいし楽しみたいっていう発想だったんで、目先のお金を手に入れたいっていう発想で。だからヒモとかやってたんですけど、その後は今を頑張って先々ラクをしようみたいな。「ラクしてお金欲しい」は変わらずあります。ただ、見通す距離が長くなったみたいな違いですね。
ところで天我さん、肩書きがマスタープレーヤーだった時期がありますよね? マスタープレーヤーってなんですか?
他店だとエグゼクティブプレーヤーとかいろんな言い方をしてると思うんですけど。役職にはつかないけど売上はある人みたいなポジションですかね。そのときバイトだったんで。
2019年に代表になって1億売った翌年からバイトになったんです。病んで(笑)。「代表めんどくせ」って2020年にバイトになる。一応週3、4以上は出勤するっていう約束はありましたけど基本何時に出勤してもいいっていうスタイルで。でも、このバイト期間もずっと1番でした。
「代表めんどくせ」はどんなところが?
重圧とか…。責任のある立場だと自分が考えなくてもいいんじゃないかということまで考えるじゃないですか。そのときグルダンでは最年少の代表だったんですよ。だから幹部の中では自分が一番後輩。下のコの面倒を見ながら先輩に対しても気を使う。代表っていう役職大変だなと思って一回逃げましたね。
心折れたっていうのもあります。自分が背中で見せることで士気を高めていこうと思って、1億売って1500本呼んだんですけど、後ろを見たときそこはあんまり響いていなかったww この人だからできるんでしょっていう空気になっちゃってて。そして病むっていう(笑)。
代表やめてバイトになるってレア?
本当はよくないですよね。めっちゃ止められました。しかも1年バイトして次の年にまた代表に復帰するっていう。前代未聞(笑)。バイトしている間に、お店が合併したんですよね。そこから空気が良くなった。このお店だったら代表やりたいなと思ったし、「こういうお店作りたいな」っていうイメージも持てたので。
周りの反発とかありました?
あったと思いますけど仕方ないですよね。そこは後輩の面倒をちゃんと見るとか、ヘルプに着きまくるとか、行動で見せていくしかないんで。売上と組数は維持しながらヘルプ回りは誰よりもしようと思って頑張ってました。それが去年1年間ですね。
天我さんがお客さんを増やすために意識してきたことは?
ブランディングですかね。派手で目立つやつっていう。服は好きなんですけどあえて超ゴテゴテの変な服を着たり、髪型をギャル男っぽいままにしたり、TENGA持ってたり(笑)。
女のコの好みに合わせに行くっていうよりは、「こういう髪型のこういうヤツが好きなコに刺されば指名につながる」そこを狙っていたので。“派手でDVしそうな雰囲気”っていう自分のイメージをある程度決めて、SNSに上げるのはそこからブレないビジュアルのものだけにしたりしてました。
DVしそうな雰囲気(笑)。
そう言われることが多かったんですよww それで指名もらったりとか。実際はDVとか一切しないんですけど、そういう雰囲気が好きな人もいるんだと知り。メイクもちょっと悪そうな感じにして、わざとクールっぽい感じのことをTwitterで書いたりしますね。キラキラさせず絵文字もつけず尖ってる感じの雰囲気を出してます。
これまでホストやっててしんどいなってことありました?
最初に代表になったときは精神がしんどかったですけど、それ以外だとこの仕事をしててそんなにないかな。でも、楽しくなるように自分で持っていってる部分もありますよね。
どう持っていってるんですか?
何かで1番になったらめっちゃ楽しいし、それが楽しくて仕事も頑張れる。だから絶対何かで1番になりたいと思ってやって来ました。売れてないときも掃除を一番するとか、コールで一番声出すとか。掃除組の中でもみんながしたくないトイレ掃除は絶対に自分がするとか。みんながタラタラ動いてたら自分が一番動いてピカピカにするとか。
全部負けるのは嫌だから、これは1番だなっていうものを見つけてそっからちょっとずつ自信を増やしていく。仕事ってオナニーだと思ってるんで。これやっててめっちゃ気持ちいいなっていうことをやればいいと思うんですよ。自分で納得できるくらいそれを頑張ればそこに価値が生まれると思います。
昨年いっぱいでナンバーは上がったわけで、そうなると順位で1番っていうものはなくなりますが、今は何で1番を目指してます?
今はなんだろうな。一番目立つことですかね。お店の顔なんで。一番カッコよくいようとは思ってます。誰よりも派手とか。それと今目指しているのは、自分がお店出すことですね。自分のお店を出すっていうことが目標。そこでみんなが楽しく仕事できる環境を作る。それが次なる野望です!
「ヒモ気質」や「派手でDVしそうな雰囲気」などなど、何かと興味深いお話が満載だった天我さん。「自分のお店を出すことが今の目標」と語っていた通り、念願叶ってグルダンから新店を出す運びに! オープンは9月ごろを予定しているとのこと。天我さんのこれからの活躍に注目です♪
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