ほすちるメンバーをはじめ、はっしー( ´•ω•` )さんや帝世那さん、青空光さんやてみん(`・ω・´)さんなど、異質な個性を発揮して独自の地位を築いているMIZUKI GROUP(ミズキグループ)のホストの面々。
共通するのは「のびのび働いていそうだな」という印象と漏れ伝わってくるグループの住み心地の良さ。ホストの枠に収まらない人気者を多数輩出し続けるMIZUKI GROUPはいかにして作られているのか! その秘密に迫るべく会長の水城空雅(みずきくうが)さんをお招きしてにお話を伺いました♡
まずは空雅さんの夜歴を。いつどこから始まったんですか?
一番最初にホストを始めたのが歌舞伎町で、そのあと地元の福岡に帰って4年くらいやって。23の時にまた歌舞伎町に。
福岡のお店にはMIZUKI GROUPの根幹をなすメンバーが集まっていたって聞きました。
一陸斗、黒木総司、風舞幸輝、ジャスティン、今グループの役員をやってるメンバーはそうですね。陸斗は俺の親友の大好きな後輩で、ジャスティンはその親友の友達でした。だから出会ったのは15歳の頃とか。総司と幸輝は18歳のとき。一緒の寮に住んでたのが出会い。
福岡のこのお店は今も?
ありますよ。『CLUB GLOW』っていうお店。一条誠さんっていうすごい有名な人がいたお店ですね。
そして23歳で再び歌舞伎町へ。
4カ月くらいお店決まらなくて。ニートしながらいろんな店舗を回って、最終的に入ったのが冬月グループ。当時はコンフォルトグループでしたけど。そこの『コンフィデント』のオープニングメンバーに。で、冬月グループに変わった時に『FANG』の代表に25歳でなって。グループで2年連続で店舗ナンバー1をとって、独立してMIZUKI GROUPを作ったって感じですね。
独立したのは27歳? 若いですよね。独立は最初から視野に入れてたんですか?
もちろん! 『FANG』に入るときも最初から言ってました。「1年間で稼いでやめまーす」って。ま、そんな甘いもんじゃなかったですね(笑)。2年半くらいかかりました。
イメージとして、「代表」→「プロデューサー」→「グループ内で出店」…。そういう流れってありますけど、最初から独立だったんですね。
利益配分で考えたらやっぱりそっちのほうが、ね。自分が連れて来た人間たちにより多く利益を与えたいと思ったら独立だなっていう。上がいればいるほど利益は薄くなるのものなので。福岡から連れてきたメンバーのその先考えたら、自分が上に立つしかないなと思ったっすね。
一緒に上京してたんですね!
そうなんですよ。幸輝と総司は一緒に出て来て。自分が代表になったときに陸斗が来て、独立したときにジャスティンが来ました。そうなったらね、ついて来たメンバーの生活守んなきゃいけないんで。
独立、不安はありました?
それまで1位を取ってきてるんで自信はあったんですけど、大手から個人店になるわけじゃないすか。そこでね、苦労はしましたね。営業力はあったけどブランドはなかったので。女の子ってどこのグループのお店なのか、ブランドを気にするんで。みんな能力はあったのでいずれ流行るのはわかってたんですけど、無名っていうところで最初は多少時間はかかりましたね。その後、陸斗たちがほすちるでブレイクして、ほすちるのMIZUKI GROUPっていうブランドを作ってくれましたけど。
ここからはグループの運営やホスト育成について。MIZUKI GROUPの人たちってなんかいつも楽しそうですよね。
ほんとですか。それ嬉しいですね!
のびのびやってそうな気配。それはなぜかなぁと。今日はそこを掘り下げられたら。
プレーヤー長かったんで、店を出すなら自分が働きたいお店を作りたいってあったんですよ。プレーヤー目線というか。自分がプレーヤーだったら、こういうお店がいいなあっていう。
具体的にはどんな運営の仕方を?
トップダウンってあるじゃないですか。上層部が意思決定する指令系統として。そうじゃなくてボトムアップ。現場の従業員の意見やアイデアを上が吸い上げる、従業員みんなが作る店。そういうやり方ですね。
ホストクラブの9割はトップダウンで運営されているんですけど、MIZUKI GROUPはその真逆。上に言われたからやる、じゃなくて現場レベルで話し合って、「じゃあ、そういうやり方でやっていこう」とか、「このやり方は変えよう」って自分たちで決める。現場のみんなが自分たちのパフォーマンスが上がるようなやり方を追求して勝手に運営する感じ。俺はその報告を受けるだけ(笑)。
画期的! だからのびのびしているのかも。
そのへんすごく自由ですね。俺、店休日とか知らなかったりしますからね。店行ったら誰もいなくて「あれ、今日休みじゃん」みたいな。聞いたら「休みにしました!」みたいな。自由すぎる(笑)。
以前『FILIA』のはっしー( ´•ω•` )さんが、「うちの店は、『そんなんじゃダメだ!』って怒るおじさんはいない」と言ってましたが※、今のお話を聞いて納得。
※既出コラム『歌舞伎町の特定保護生物 はっしー( ´•ω•` )生態調査』参照
ハハハ。確かに。うちのグループを一言で言えば「風通しがめっちゃいい」なので。「ダメだ」って言う人いないですからね。自分の意見を自由に言えるし自由にやれるから。自分のスタイルでやりたい人にはいいと思います。
みんな言いたいことを言って、それで怒られることも否定されることもないから、周りの人間が自分の言いたいことを言っても煙たがらない。自由にさせてもらえるから、周りに対しても「自由にやっていいよ」と寛容になれる。そこが風通しの良さにつながってるんだと思います。
提案に対して「それはダメだよ。よくないよ」って思うことはないんですか?
思ったとしても言わないですね。みんながそう決めたのであれば、その人がそうしたいのであれば、「とりあえずやってみよっか」みたいな。まあでも、そんなに心配になるような子はいないかもしれないですね。
自由にのびのびやっていると言っても、みんな仕事に対してはストイックだから。「こうしたい」っていう提案は、サボりたいとか好き勝手したいとはまた違うベクトルなんです。自分はこういうやり方だったらもっとパフォーマンスが上がるとか、こういうやり方のほうがみんな仕事がやりやすくなるとか、ストイックに仕事をやっているなかでの改善点なので。それに対して俺が言うことは何もないみたいな。だから逆に、ストイックじゃない人に対しては厳しいっていうのはあります。
ミズキカラーに合わない人もいるんですかね?
いると思いますよ。平和が合わない人とか。だから結果的に変な尖り方をしているような人はいないかな。「俺が〜」みたいな。イキってるようなプライドが高過ぎるような人はいない。いたとしてもやめていきますね。
仕事に誇りは持ってて欲しいけど、周りに害を与えるようなプライドを持ってる人はいないかもしれない。「あれ? なんか俺尖っててキモいな」と思って変わっていくのか、店の雰囲気が合わなくてやめていくのか、わからないけど結果的にみんな平和な感じですね。
うちのグループは風通しもいいですけど、みんなが人間力も高いなって思います。そこは自信あります。幹部陣の人間力が高いので、新しく入って来た人たちもどんどん人間力が高くなる。そういう循環になっているなとは思いますね。
人間力養成所!? そうなる教えがあるとか?
みんな勝手に向上していってくれてますね。教えとして言うとしたら「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ですね。これはよく言ってます。人って上手くいきだすと調子に乗るじゃないですか。だから、「偉くなったら頭下げなよ」って言ってますね。
面接ではある程度グループのカラーに合う人を選んでいたりするんですか?
いや、基本全員採用します。ちょっと明らかに問題がある人とか、未経験40歳オーバーとか、そういう場合はアレですけど。ほぼほぼ99%は採用します。
ほぼ採用!?
合わなかったらやめていくし。あとはまあ育てればいい。うちのグループは教育ができるので。入ったら結構いいやつに育っていくんですよ。人は変わらないより、人は変わるマインドで生きてます。僕も変わった側の人間なんで。もちろん全員変われはしないだろうけど、変わる人は多い。変わるっていうか成長しますよね。
これまで従業員を見てきて、成長に必要なものって何でした?
いろんな考え方を知ることじゃないですか。それと言葉っていうものをたくさん覚えていけば自然と。上の人間はそういうことを教えてあげるといいですよね。「こういうときは、こういう考え方もできるんだよ」とかね。こうしろじゃなくて、見方や考え方のバリエーションを増やしてあげるみたいな。
言葉をたくさん覚えるっていうのは?
言葉や表現をたくさん知っていると、自分のなかで状況の捉え方にバリエーションが生まれると思うんですよ。たとえば病んだときを言い表すのに「病んだ」っていう言葉しか持っていなかったら病みしかないけど、「心の筋肉痛」って言い換えることができたら、あ、今はちょっと疲れてるだけだなって違った見方ができる。語彙力があれば考え方に幅が出ますよね。
言葉を知るって大事ですね。言葉も教えるんですか?
こういう言葉があるよって教えたりはしませんけど、いろんな表現を使って伝えるようにはしています。それこそ「大丈夫?心配だね」より、「大丈夫だよ。それ心の筋肉痛だから。治るよ」とかね。見え方が変わるような表現をするようにはしているかな。でも、そういったことは俺だけじゃなく、みんなが自然とやっていることですね。
最後に、空雅さんがホストグループを運営していくモチベってなんなんでしょう?
みんなを守りたいだけですね。守る人を増やしたいだけ。雇用もそうですけど、ホストって社会から外れているわけなんで。そういうやつ、普通の仕事に就けないような人たちの声を守りたい。そういう気持ちが根底にはあるかな。
従業員に対して願うことは?
いい仲間を作って欲しいなって思います。俺も昔、今いるメンバーと出会って人生の友になったように、そういう生涯の仲間をここで見つけてほしい。ここで出会った仲間たちと一生良い付き合いができるような、そういう環境を作りたいし、そういう環境を自分たちで作っていって欲しい。MIZUKI GROUPはそのためだけにあるといっても過言ではないです(笑)。
従来のホストクラブ運営とは真逆のアプローチでグループをまとめ上げている空雅さん、とても興味深いお話でした。過渡期のホスト業界、時代に即した変化が求められるなか、Z世代のホストクラブの在り方としても1つの指針となりそう!
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