ベテランキャバ嬢、一條りおなさん(大阪『ZOOミナミ』)を先生に、前・後編2回に渡ってお届けしている夜職のお悩み相談室。
フリーの掴み方や集客、接客に関するお悩みにお答え頂いた『前編:今よりもっと売れたい編!!』に続き、後編となる今回はより現場レベルでの悩みに直結した『こんなときどうする!?編』をお届け♡ 「フリーに着けてもらえない」「枕はしたくない」といった切実な諸問題をさくさく解決!
さっそくレジェンド・りおな先生の回答を見ていきましょう♪
<お悩み18>
アフターや店外の上手な断り方が知りたいです。
<レジェンドの回答>
事前に伏線を張り巡らせる!
私の場合、誘われないように「毎日めっちゃ忙しい」アピールをしてましたね(笑)。今日は朝から○○があってとか、明日は朝から○○があるとか、なんかいっつも忙しいねんなっていう気配を出してました。
この人、アフターありそうやなってときは、「昨日、全然寝れへんかったから、めちゃ気ぃ遣う人ばっかりやったらどうしようかと思ってたけど、○○さん来てくれてよかった! 今日、めっちゃ流れいい!」とか言ってましたね(笑)。「気心が知れてるお客さんで助かった」というニュアンスの中に「全然寝てへんからアフターどころじゃない」も織り交ぜて、誘いヅラさと断りやすさを演出w
ただ、複数人の卓の場合、みんな行くのに私指名の人だけ誰もおらんってなったら申し訳ないので行ってました。でも、「アフターどころではなさそう」という伏線を張っておくと、「めっちゃ眠いのに来てくれたんやありがとう!」ってなるんです。だから顔だけ出してサッと帰ったとしても「顔立ててくれてありがとう」となる。伏線は張っておいて損はない(笑)。
<お悩み19>
上手な枕の断り方ないですか? したくないです!
<レジェンドの回答>
「印象が良かったからこそお金でどうにかなる女って思われるのは嫌だ」と言います。
したくないですよね(笑)。わかります。私は性格的にそういうのが本当に無理なので、しない道を追求して生きてきました。その1つが顧客数を増やすことです。数人しかお客さんいなかったら不安定やし弱みも生まれる。私はお酒が飲めないこともあって、最初から顧客数を意識していたんですけど、結果的にそれで枕とは無縁でいられたなとも思ってます。
「別で振り込むから一緒に帰ろう」と、ガチトーンで言われたことがあるんですけど、そのときは、「私は合うなぁって思ったから、知り合ってすぐそういう関係性になりたくない」と言いました。ちゃんと仲良くなりたいし、お金でついて来たって思われるのも嫌やしって。「印象が良かったからこそ、時間をかけたい。お金でどうにかなる女って思われるのは嫌だ」そういう断り方をしました。「そうやんな〜わかったわ〜」ってなりました。
<お悩み20>
お客さんに直して欲しいところ、やめて欲しいことがある場合、どう伝えたらいいですか?
<レジェンドの回答>
使えるダメ出しテクニックを3つ伝授します♡
言いにくいことを指摘するにはいくつかテクニックがあって。まず1つ目は「褒めてからのダメ出し」。一言多い人に対してなら、「○○さんっていつも約束守ってくれはるし困ってたら助けてくれるし、女のコに好かれる要素いっぱい持ってるのに、その一言なんで言うん? もったいな!」みたいな。相手を肯定してから問題点を指摘する。これやと角が立たない。
「やめてほしい」と言ったらトゲがあるときは、「それ、他のコにはやめてあげてほしい」っていうすり替え作戦も有効です。「それ言われたら傷つくコは多いから、他のコには言わんといて」っていう。これやと伝わり方がだいぶソフト。
「それだけは嫌!」っていう、かなり言い難いことを言うときには、「これからも仲良くしたいから…その上で言うね」っていう前置き法も使えます。「○○さんとはこれからも仲良くしたいし人と人として付き合いたいと思ってるから、その上で言うね」みたいな。この3つを駆使してみてください!
<お悩み21>
色恋の方に何度もお店に来てもらうには? 管理方法が知りたいです。
<レジェンドの回答>
パワーバランスで圧倒的優位を維持するのみ!
色恋で引けてるなら店に来てもらうの、めちゃ簡単じゃないですか? 「頼る人が他にいないから来て欲しい」、「頑張りたいから応援して欲しい」言いたい放題ですよ! 「彼女にお金払って会う意味がわからん」とか言われたら、「なんで彼氏やのにわかってくれへんの? 一番の理解者じゃないの?」と言えばいい。どうにでも持っていける。そうできひんのやとしたら、それは自分が釣られた魚になっているからでは?
管理方法は1つだけ。「主導権は自分が握る」じゃないでしょうか。釣る側でいないと色恋営業は成立しない。そのためには自信、余裕、精神力、いろいろ必要だと思います。なかでも性格的な部分での向き不向きは大きいです。私は向かないとわかっていたので手は出さずにやってきましたけど、色恋で引いたのち、人間的な魅力でつなげられたらその人は最強やと思います。
<お悩み22>
色恋すると罪悪感が…。どうしてますか?
<レジェンドの回答>
向いてない! やめたほうがいいです。
一個前の回答でも話しましたけど、色恋に向かない性格というものもあるんですよ。内省する、思い悩む、そういうタイプは向かない。罪悪感があるということは向いてないです! 色恋で売れてる人は罪悪感ないと思います。相手に対してウザッと思うことはあっても申し訳ないことをしている、みたいな感情はない。仕事って割り切ってます。
でも、「色恋が上手い=キャバ嬢」ではない。割り切れない気持ちがあるんやったら、私のように「信頼と実績営業」にしたほうがいいと思います(笑)。時間はかかるけど心は健全でいられます。色恋で引かなくても、自分にそれ以上の価値をつければ上手くいきます!
<お悩み23>
お客さんのことを好きになってしまったらどうしますか?
<レジェンドの回答>
自分の思うがままに行動したらいいと思います。
キャバ嬢って職場でしか出会いはないようなものだから、お客さんを好きになるのは普通によくあること。そこでどうするかは自分がどうしたいかによる。自分の思うがままでいいと思います。
ただ、キャバクラで出会った人は少なからずキャバクラへ行く人やからそこは大前提になる。そこにいろんな葛藤が絡んでくる。何にしても「自分のスタンスはこう」って基本方針を最初に共有しておくといいと思います。それでもモヤモヤする部分は出てきますけどね。
<お悩み24>
大箱店ではないのでキャストからの嫉妬や妬みで働きヅラい。立ち回り方を教えて欲しいです!
<レジェンドの回答>
お客さんを呼びまくって忙しくするのが正解♡
いろんな女のコを見てきて思うのは、「出る杭は打たれるけど、出過ぎた杭は打たれない」コレです! 嫉妬や妬みは相手と自分は同格だと思うからこそ生まれる感情。だったらもっと圧倒的に売れて、レベチな存在になるっていうのが建設的な解決策じゃないかな?
小さい箱で人間関係がしんどいなら、他のキャストと絡まなくていいくらい予定を立てる。待機にいる時間もないくらい呼びまくる。そしたら他の女のコのこと気にしてるヒマなんてなくなるし、売上も上がって一石二鳥です♪
<お悩み25>
お店の女のコとどこまで仲良くしていいのかわからないです。
<レジェンドの回答>
和やかに世間話ができる程度で十分♡
キャバクラは友達を作る場所ではないし、リスクヘッジとしても深く仲良くなる必要はないと思います。かといってギスギスするのもやりヅラいから、「楽しく雑談できるレベル」が理想じゃないかな。
出会ってすぐに、なんでも打ち明けられる仲になるみたいなのはどうなのかな?と。逆に最初は挨拶程度でも、同じ職場で長く接するうちに関係性が深まって信頼し合える親友になっていくこともある。“同じお店”という括りで考えたとき、私は時間をかけたほうがいいと思う派ですね。
<お悩み26>
他店の女のコとの同業付き合いは積極的にしたほうがいいですか?
<レジェンドの回答>
「不義理をしない」それだけでいい。
何もしなくても、自然と付き合いは広がっていくものだから、むしろ頑張らなくていいと思います。ふわっと当たり障りなくつながりつつ、気が合うようなら仲良くなっていけばいい。そうしたなかで、「やってもらったことに対しては返す」そこは徹底! その上で、何かしてあげたいときは見返りを求めずにする。損得は考えず与える精神。利他的に行動するのがいいと思います。
<お悩み27>
場内からの本指名で返ってきてないのに店外するべき?
<レジェンドの回答>
自分を安売りしちゃダメだよ!
飲み馴れていてお金もあるお客さんやったら、店外しといてそのあと店に来ないという不義理はしないと思うけど。うーん…。そもそもこれ、自分から誘うパターンかな? 誘われているパターンかな?
誘うパターンなら、いきなり“店外”という飛び道具は使わないほうがいい。私の場合、店外は何か大きなお願いごとをするときの前触れみたいな扱い。それだけ大事なことなんだって思ってもらうための奥の手。もしくは本当に仲良いお客さんとの楽しいイベントの場合です。
指名以前の相手から誘われたパターンなら、それは安く見られてます。ナメられてる。「この商品、タダなら貰ってもいいよ」って話ですから。キャバ嬢を中途半端にやってる感じが出ちゃうとそうなりやすいです。そういう扱いをされる原因を掘り下げたほうがいい!
<お悩み28>
苦手なタイプのお客さんだけど指名は欲しい。どう付き合うのがいいですか?
<レジェンドの回答>
無理するより良いお客さん2人と出会えばいい♡
私だったら、指名をもらっている以上そつなく接客しますけど、無理はしないです。苦痛を我慢してそれがストレスになって時間を無駄にするくらいやったら、「この人いらんから、別な良い人2人と出会おう♪」マインド。メンタルが落ちるくらいやったらそのほうがいい。長い目で見たとき、自分のベースは崩さないほうが結果売れると思います。
<お悩み29>
店舗で一番レベルに場内は取れるけど、あまりフリーつけてもらえない…。
<レジェンドの回答>
店側の立場で自分を客観視してみて!
「自分が付け回しやったら?」と考えてみてください。たとえばフリーの入りが悪い店やったら、私なら確実に本指が取れるコで布陣を組みます。仮に「ノリが良いからその場は場内が取れるけど、体型管理ができてなくて本指にはつながらない」というコがいた場合、優先度は下げます。チャンスを与える余裕はないから。
「フリーに着けてもらえない」そこには必ず理由があります。心当たりがないなら聞いたほうがいい。「なんでですか?」って。指摘してもらえたらその問題点と真摯に向き合う。それが答えです。
ちなみに、これは私が克服できなかったことですけど、「付け回しの人には好かれといたほうがいい」というのは絶対にあります。確実に指名が取れるコが2人いて、どっちを良いお客様に着けるかと言ったら好きなキャストを着ける。それが心理。私は媚びたり愛想を振りまいたりができひんタイプやったから、そこで、ぐぬぬ…みたいな経験はいっぱいしてきました。でも、だからこそチャンスは逃すまいと頑張れるところは多々あるんです。ここはひとつ負けん気を発揮して頑張ろう! 場内で終わらず本指を取りに行きましょう!
お悩みは以上ですが、「キャバ嬢人生での失敗エピソードを教えて欲しい」という質問もきてまして。
失敗ですか? 人がするであろう失敗は一通りしてきてますし、今も失敗だらけですww 失敗と反省の積み重ねで生きてきてるみたいなものなので。何から話していいのやら(笑)。
じゃあ、記憶に残る失敗談を1つ。
知り合いのキャバ嬢さん経由で来店されたお客様に、「キャバ嬢としての器を試される」的な場面があってそこで失敗したことがありますね。これ、だいぶ堪えました。でも、同時にそこでキャバ嬢としての在り方も深く考えさせられたんですけど…。
そのお客様は最初にクリュッグを飲んではったんですよ。で、私が席に着いたとき「なんでも好きなものを頼んでいいよ」とおっしゃってくれて。でも、そこで私は考えるわけですよ。「クリュッグ飲んではるからドンペリは失礼やろな。でも、はじめましてでお財布事情も知らんし高すぎるお酒を頼むのもどうなんやろ」って。
結果、無難なチョイスとしてクリュッグよりちょっと高いクリスタルにしたんですけど、帰り際、「一條りおなはクリスタル止まりの女やったって、○○(共通の知り合いのキャバ嬢さん)に言っとくわ」と言われて…。どうやら私は間違った選択をしたんだなと。
このクイズ難しい! 正解は?
そのとき、「どこどこの誰々は、アルマンドのアタッシュケース言うたで」と言われたから、「めちゃ高いシャンパンをオーダーする」が正解やったんでしょうね。私は空気を読みすぎて無難な選択をしたことが仇になった。売上が上がるチャンスを逃し、お客様もちょっとシラけ、自分の株も下げた。はぁ…みたいな。もう、私のバカバカバカバカバカッ!って思ったんですけど…。
でも、今同じ場面が訪れても私は同じ選択をすると思うんです、きっと。ほどよいところから攻めるやろうなって。だからあの答えでよかったんです。不正解だったということは、私はその人の求めているキャバ嬢やなかった、それだけのこと。自分自身の答えとしては正解やったんだって今は思うんです。
キャバクラは教科書もないし正解もない職業なんですよ。だからこそ自分のなりの正解を常に持っていないとなって思った出来事でしたね。
ここまで、いろんな質問に対して、自分なりに回答してきましたけど、でもそれは私の正解であってその人の正解ではないんです。「そうじゃない、私はこうだ!」そう思う部分があったらそれは大事にして欲しいです。それがきっと自分ならではの魅力につながっている部分やと思うから。
「自分はこうや!」そう思った部分は伸ばして磨いていって欲しいって、すごく思います。それがあなたの正解です! 私のアドバイスなんかどうでもいいんです♡
前・後編2回に渡ってお届けした夜職のお悩み相談室。ミニインタビューでも語られたように、「自分の正解を持つ」、その姿勢は夜昼問わず大事なことなのかもしれません。ベテランならではの含蓄あるお言葉の数々、りおなさんありがとうございました♡ (取材・文/ささきみどり)
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