職業は訪問看護師。そして、ロリータモデルでもある青木美沙子さん。
国内はもちろんのこと海外にも足を運び、ファッションショーやトークショーの参加など、日本のポップカルチャー発信使としても活動しています。一見モデル業だけでも順風満帆そうな彼女が、それでも看護師を続けている理由を探りました♪
【前編はこちら】
ナースを辞めない勇気が生んだ成功♡|青木美沙子・前編
ロリータファッションに出会ったきっかけは?
【青木美沙子さん(以下A)】KERAというファッション雑誌がきっかけです。たまたま原宿を歩いていたら、編集部の方にスカウトしていただけたんです。当時は読モブームで…憧れていたので、せっかくだし出てみようかなって。
今で言うとインフルエンサーみたいなものですか?
【A】それに近いです。まだSNSがない時代で…今だったらSNSで有名になるって方法があると思うんですけど、当時は読モとしてストリートスナップに載ることがモデルになる近道でしたね。
なるほど。読モから始まったんですね。
【A】スカウトしていただいたときはまだ高校生で、ロリータのお洋服を買うことができなかったのですが、ある日の撮影で試着させていただいたんです。それがロリータファッションとの運命的な出会いでした。
そこから魅力に取り付かれたんですね。
【A】女の子として究極のときめきを感じました。こうでありたいという願望を叶えてくれるファッションだと思いましたね。
学生時代から勉学と読モ、大変じゃなかったですか?
【A】読モはひとつの趣味というか…バイトみたいな感覚でやっていたので楽しかったです。そこで生計を立てようとかは全く思っていなかったですね。
看護師になったあとも、読モ活動は継続?
【A】看護師としてちょうど5年目くらいに外務省認定のプロジェクトからオファーをいただいて、日本のポップカルチャー発信使として活動しました。海外に足を運ぶことが多かったんですけど、そこで衝撃をうけましたね。
衝撃…?
【A】私自身、海外に行ったことがなかったですし、PR活動をしたわけでもないのに、海外にたくさんのロリータファンがいたという事実に衝撃を受けました。日本じゃ考えられないくらい本当に熱狂的で。“カワイイ”って言葉がこんなにも浸透していたなんてって。当時初めて知りました。
視野が広がった瞬間ですね!
【A】プロ意識もなく趣味感覚でロリータモデルをしていたのに、なんだか国と国を動かしているようでやりがいしかなかったです。
一方で看護師のお仕事は?
【A】ポップカルチャー発信使として一年の任期を終えたあとは、訪問看護師として働きました。
どうして訪問看護師に??
【A】専門的な知識とか技術が身についてきて、オールマイティーに仕事をこなせるようになってきたので。今度はそのスキルを違う環境で活かしてみたいと思って…訪問看護師を選びました。訪問看護師はすぐにナースステーションに戻ることも、先輩に聞くこともできない。なので、経験値が問われるんです。
臨機応変な動きが必要なんですね。
【A】病院は起床から食事まで、その病院の時間軸で看護をする。でも在宅はまた別で。患者さんの個別性にあった看護をするんです。だからこそ距離感が近くなるのか、私のSNSをフォローしてくださっている方もいますよ。
すごい。SNSの時代ならではのコミュニケーション…!
【A】海外での様子をストーリーズにUPすると、それも見てくださって「海外に行った気分になれて嬉しい…」とかメッセージが来たりもします。
これからもふたつの「好き」を続けていきますか?
【A】私にとって、看護師とモデルを両立するほうが効率的というか、理想的というか。日本はひとつを極めることが大切とされる風潮が強いですが、そんなことないと思うんです。チャレンジすることで、視野が広がることもある。理想の花を咲かせるための根の部分に近いので、これからも続けていきたいですね。
看護師とモデルの切り替えが大変そうですが、何か意識していますか?
【A】私はファッションで気持ちのコントロールをしていて…何かイヤなことがあっても、今日の自分は看護師だと切り替えができるし、逆も同じです。大好きなロリータファッションに着替えて、お出かけすればリフレッシュにもなります。
ナースとロリータ。真逆にも見えるファッションですが、そこで上手くバランスを取っているんですね。
【A】そうですね!あとそこまで協調性を大切にする必要もないと思うんです。みんなが同じでなければいけないルールはない。何歳だからこの格好とか、ママだからこの格好とか、そんなことに縛られるのはもったいないなって思います。「好き」を貫くことで、ポジティブにいられることもあるので。
青木 美沙子さんが、看護師を続ける理由。それは、自分の視野を広げるためでもあるようです。それにしても、彼女のSNS更新を楽しみにしている患者さんもいるのは驚き。ちょっぴり胸を打たれてジーンとくる取材チームなのでした♡
ナースを辞めない勇気が生んだ成功♡|青木美沙子・前編
ナースを辞めない勇気が生んだ成功♡|青木美沙子・前編