ホスト1年目から4年連続1億超え、キャリア2年で代表就任、月間最高売上5,550万円などなど、数々の偉業を成し遂げてきた“漆黒の皇帝・一希様”こと心湊一希(みなといつき)さんにインタビュー! スモーキーマウンテン※育ち、年商10億の会社経営者、30歳でホストデビュー…etc。異色の経歴が大渋滞する一希さんの人生から成功するマインドをCHECK! 一希さんが提案する、これからのホストの売り方に迫ります♪
※フィリピンマニラ市北方に位置するスラム街
―昨年いっぱいでプレーヤーを引退してエルコレ全体のプロデューサーに就任したとのこと。ところでプロデューサーって何をするんですか?
僕の場合は主にホストの教育とマネジメントですね。一言でいえば売れるようにしていくことです。今まではLatteのコたちをメインに指導してきましたけど、これからはエルコレを通して教育していく立場になったので。「ホストクラブを生きる目的、生きる喜びを得る場所にする」という自分のミッションをさらに遂行しやすくなりました。
―ホストになってまだ4年。引退を惜しむ声も多かったのでは?
そうですね。ただ、次のステージに進むためなので。自分、ホストで成功することが目的ではなくホスト業界を変えるためにここにいるので、お金や名声には興味がないんです。ただ、改革していくには影響力が必要で、そのためには説得力のある成果と知名度を上げることが必須。というところで結果を出してきたので。プレーヤーとして自分が成すべきことはすべて達成できました。
―“一希様”を語る上でその経歴は外せない、というところで年表をたどりながらお話を伺いたいと思います。まず誕生と同時に父親が蒸発。出だしから不穏な気配の幼少期ですね。
実父は、「まだ子供欲しくなかったので出て行きます」と置き手紙を残して消えたらしく、認知もされず父親不在からの人生スタートでしたね。それはまあいいんですけど、母親の再婚相手が麻薬の売人のフィリピン人でそいつに虐待されて大変でした。
―6歳で預けられたスモーキーマウンテンって、マニラにあったゴミの山のスラム街ですよね。治安が悪すぎて警察すら介入できないっていう…。
そうですそうです。普通にそのへんで人が射殺されて死ぬような。目の前で男のコがバーンって撃たれて死んだりしてました。住んでた家もツギハギのボロボロで、奥に行くと檻みたいな扉があってそこでたくさんのお友達と一緒に寝てました。ベッドもなくてただ床に寝てる状態。もちろんお風呂もないですしトイレもバケツっす。そういうところで1年間暮らしてたんで、日本に戻ってきたときは「ここは天国かな」って思いました。小1の終わりくらいに帰国したんですけどそれ以来自分、人生で一度も泣いたことないです。その後も貧乏で一瞬ホームレスになったりしたこともあったし、お風呂もない古い団地で暮らしたりしてましたけど、スモーキーマウンテン時代に比べたら全然!
―ホームレスってガチですか?
ガチです。小5のときですね。親がパチンコにハマッて借金ふくらませていって、どうにもならなくなって最終的に公園で生活してました。学校が終わったら深夜まで時間つぶしてから公園で寝て、朝も周りに気づかれないようにして学校へ行って…。1週間くらいで保護されて公営の団地で生活することになったんですけど。
―そして学校ではひどいいじめに…。
毎日いじめられてましたね。「あいつ臭いから」って教室のはじに席を置かれて、いない存在として扱われてました。お風呂に入ってないから臭かったんですよ。「牛乳シャンプーだよ」って頭から牛乳をかけられたり、一足しかないボロボロの穴のあいた靴を焼却炉で燃やされたり。靴を買うお金もないから、2、3週間は裸足で学校に通ってましたね。ずっとそんな感じだったんですけど学校には毎日行ってたんですよ。僕、小・中と皆勤賞なんで。
―それでも学校好きだったんですか?
誰も自分を見てくれない、自分という存在が無価値になってしまうと人って絶望するんです。いじめられていても構ってもらっているだけまだ幸せ。その頃は自分の性格もダメでしたね。弱かったしベクトルが自分に向いていたんで。で、あるとき、なんでいじめられるのか真剣に考えたら、「今の自分は害でしかない」と気づいたんですよ。臭いし、しゃべらないし、周りに害しか与えてないなって。それで小学校6年生の2学期からバカキャラをやるようになって変わりました。
―突然の激変!
人を笑わせることだけに一生懸命になって、フレンドリーになったらめっちゃ友達が増えました。「お風呂ないから入れない」って言ったらみんなお風呂を貸してくれるくらい。そのときに「あぁ、なるほどね」って。自分から人に何かをしなかったら、相手も何もしてくれないんだなって知ったんです。それからです。「利他的に生きる」っていうことが僕の人生の基本方針になったのは。
―高校卒業後、株で大成功♪
高校卒業後は専門学校へ進んだんですけどその頃から投資にハマって、元手数万円から3億以上稼ぎました。で、調子に乗ってFXに全額つっこんで全財産失うっていう。円高で日本円が72円まで落ちたときがあって、もう落ちないだろうと一気に投資したらまさかの60円ちょいまで下落。それが23歳のときですね。
―いきなりどん底!
彼女も友達も何もかもすべて失いました。そのときに「お金って価値ないなぁ」って興味がなくなっちゃいましたね。実際、お金はそんなに大事じゃないんですよ。持っているお金はその人の価値じゃないんです。それより人にどれだけ価値を与えられるかのほうが大事。それがその人の価値になるので。
―ん? どういうことですか?
従業員にもよく話してるんですけど、「50万円の指輪をしている俺としていない俺、価値変わる?」って聞くんですよ。変わらないってみんな言う。変わらないっていうことは50万円のこの指輪には0円しか価値がないんです。「みんな0円の価値のもの買う? だったらこの50万円のお金で人とごはんを食べたり、人のために役立つことをしたほうがはるかに価値を生むよね? それが自分たちのプラスになっていくんだよ」って。何が言いたいかというと、自分にベクトルが向いていても何の価値も生まないから、人にベクトルを向けてその人にとって価値のあることをしなさいってことですね。人に価値を与えて初めて自分の価値って生まれるんです。これはすべてにおいてそう。
―“価値を与える”ってホストの場合で考えたらどんなことですか?
女性に幸せや生きる喜びを与えることです。現状が超幸せで満ち足りている人ってホストクラブには来ないんですよ。何かが足りてない、何かが欲しいからくる。それは空虚さを埋めるためかもしれないしストレス発散のためかもしれないし、求めているものはそれぞれですけど、その気持ちをちゃんとすくいとることができればそれがそのホストの価値になります。ちなみに僕の場合、自分といることで幸せを感じられたらまた会いに来てくれると思っているので、「店に来て」と言ったことは一回もないですし、「シャンパン入れて」と言ったこともないですね。
―お願いしないでブラックパールとか入っちゃうんですか?
僕はそのコに価値を提供しているので、そのお礼として入れてくれているだけ。たとえばiPhoneって店の人に「iPhoneを買ってください」ってお願いされるから買うわけじゃないですよね? 欲しいからみんな買いますよね。商売の基本はそれ。ホストも欲しいと思ってもらえれば売れる。「このつながりには価値がある」と思える関係性を築くことができれば売れるんです。
―そして、全財産を失った一希さんは会社勤めを始めるわけですが…。
営業職を希望して3社くらい経験したんですけどめちゃくちゃ楽しかったですね。寝るのがもったいないくらい。気づいたらどの会社でも営業成績ナンバー1になってました。そのうちIT系、内装関係、物流系と会社を3つ立ち上げて3年くらい経った頃にホストになったっていう。
―今も引き続き3社を経営?
はい。おかげさまで業績も順調に伸びていて、今は3社合わせて年商10億円ほどです!
―「起業したい!」みたいなビジョンはもともとあったんですか?
いや全然。ただ、「ここに不都合があるな」って感じたらクリエイトしていきたくなるみたいで。「変えたほうが関わる人がもっと幸せになれる」と思って動いていったら結果ビジネスになっただけ。ホスト向けのセミナー講師もやっているんですけど、それもホストのマインドや売り方を変えていったほうが女のコもホスト自身も幸せになれるなっていうところで始めたことです。最初はLatteの従業員に対してのみ行っていたんですけど、それで店の売上がどんどん上がっていってグループ全体でもやるようになって、そのうち他グループさんからの依頼も増えて今に至るみたいな。
―店舗の売上どのくらい上がったんですか?
僕が入店した頃のLatteは店舗の売上が1カ月3,000万円くらいだったんですけど、自分が代表になって指導するようになってからは半年で月間1億8,000万円いきました。そのときは27位のコまでが全員小計100万オーバーしてます。
―そもそもなぜホストに? 十分成功しているのに…。
元々自分、クリエイトが好きなだけなんで創ったらそれで満足。新たに何かを創って誰かを幸せにしたくなるんです。それで次に興味を持ったのがホスト業界。AI の普及で、2040年までには今の仕事の8割が消滅して49%の人が職を失うって言われているなか、ホスト業界は絶対にAI化できないし、問題を起こさない限り契約を解除されることもない。常にウェルカムでお金が飛び交っていてクビがない会社って超優良企業じゃないですか? めっちゃ気になりますよね。
―面接10店落ちたってほんとですか?
ROMANCE、TOPDANDY、AIR、FIRST…全部落ちました!「30歳。お酒が飲めない」っていう人は厳しいですねww で、11軒目でドルチェワンに入店。初月はホストクラブのすべてを徹底的にリサーチしたんですけど、想像以上にクソすぎて愕然としました。
―どんなところがクソだったんですか?
ホストクラブ自体が搾取の構造になっているところです。オラ営、枕、本営、DV…そういった手法で女のコからお金を搾取するところから始まって、搾取するのが上手いホストが代表になって社長になって今度はホストから搾取する。さらにそのホストクラブ自体もグループから搾取される…。こういう構造の中にいると、従業員はひたすら働き続けるしかなくてホストしかできない人間になってしまうんですよ。結果、お金も残らないスキルも残らない、夢も希望もない未来しか残らない。もちろん、搾取される女のコも幸せではないですよね。
―近頃は、ホストとお客さんとのトラブルが事件に発展してニュースになることも…。
散々搾取されて裏切られての結果ですよね。そういうトラブルになるような営業は昔ながらのやり方。ホストはどんどん伸びる職業なんで、結婚営業とかDVとか今すぐやめたほうがいい。「メジャーになっていく業界にいてずっとアウトローじゃダメだよ。男女の関係に持ち込まなくても価値は提供できるんだよ」って僕は教えてますね。これからのホストはメンターやコーチングで女のコをマネジメントしていく能力がますます求められるし、そこが卓越しているホストは伸びていきますよね。
―プロデューサーとしてのスタートを切った2021年。今後の抱負としては?
グループ全体の従業員が幸せになれるように、今までに以上に従業員の意識を利他的に変えていきます! 人が人のために考えて行動することで本当に良い組織はできるので。ヘルプひとつとってもそうなんです。ただ何となく着くんじゃなくて、「今、自分という存在がどこに着くべきか。自分が着くことでどう生産性が上がるか」、ベクトルを外に向けて席に着けば世界観がガラッと変わる。Latteの売上が上がり続けるのも、Latteの離職率がものすごく低いのも従業員の多くが利他的に行動しているから。今後もそこは引き続き強化していきたいところですね。
―離職率、そんなに低いんですか…。
他店に比べると圧倒的だと思います。しかも、もともと暴言やDVのあったコでもLatteにくるとそれがなくなるんですよ。しかも売上も上がる。それってそのホストのコにとっても幸せなことだし、暴力もなくなるから女のコも幸せですよね。
―更生していく…。そしてみんなハッピー♪
ホスト業界を良い方向に発展させていくために、まずは現役のホストのコたちを変えること。やがて彼らが上に立つようになれば、営業のスタンダードもおのずと変わっていくので。僕が見ているのはそこですね。「ホストはクソ」って言われたくないし、女のコだってクソと言われる業界のコを応援しているなんて知られたくないと思うんです。ちゃんと誇りを持って「推しはホストの○○」って言えるようなそういう世の中に変えていきたいですね。
話を聞いているうちに、どんどん引き込まれてしまう一希さんのトーク。「他にいないタイプのホスト」と言われている理由が少しわかった気がしました! モチベの上がるツイートも要チェックです♪
有名ホスト紹介
軍神 心湊一希に “あのYouTube”(歌舞伎超TV)の話を聞いてみた!!
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