バースデー3日間で1億円を売り上げ歌舞伎町の伝説になったホスト、愛夢路澪(あむろ れい)さんにインタビュー♪ 2019年に上梓された著書『3日で1億円売り上げたホストの稼ぐセオリー』のこと、オーナーを務めるホストクラブ『Arthur(アーサー)』のこと、そして夢を実現するための“成功のセオリー”について、前後編でお届けします!
☆後編:クソ人間でもピュアなら売れる 愛夢路流・稼げるホストの作り方!!~
―以前メゾンドボーテで取材させて頂いたときは、バースデーで3日で1億売ったその直後くらい。まだ独立前でしたね。
『アーサー』のオープンが2019年の11月1日なので、メゾンドボーテに出させてもらったときはまだ全然『Men’s&Queen(メンクイ)』にいましたね。今はどこにも属さず自分でホストクラブを経営してます。
―当時は3年連続で年間1億超えをした段階でしたけどその後は?
2020年で6年連続1億超えしてます。3日で1億売った月を除いた月間記録も当時はMAX3,000万だったんですけど、それも更新してます。ちなみに先月の売上は4,500万ほど。今はもう表立って売上とか謳ってないですけど、良い感じで上がっていってますね。
―著書『3日で1億円売り上げたホストの稼ぐセオリー』を出版されたのも、アーサーのオープンとほぼ同時期でしたよね。
アーサーのオープンが11月1日で、本の出版が11月11日。そこは狙って時期を合わせてます。ぽつりぽつりと新しい出来事を発表するより、時期を合わせてドカンといったほうが話題にもなりやすいし認知もされやすいんで。それで11月第3週のボジョレーヌーヴォー解禁日に合わせて、出版会見と出版パーティーを開いたんですよ。ミネルヴァシャンパン※の解禁日でもあったので、レペゼン地球さんともコラボさせて頂いて。
※レペゼン地球によるシャンパンのオリジナルブランド
―余談ですけど『稼ぐセオリー』を出版された経緯は?
2017年のバースデーで3日で1億売った後、幻冬舎さんとあともう1社から「本を出さないか?」ってオファーが来てたんですよ。最初はうさん臭いなと思ってスルーしてたんですけど、そんな中知り合いからも「本出せばいいじゃん」って言われて、「あ、そういえば、そんな話も来てたな」とコンタクトを取るようになって。お店をオープンするのに伴ってただホストが店出したってだけじゃ普通すぎるから、本を出すことで1コ肩書きを増やそうかなと。あとビジネス書っていうところで歌舞伎町以外にもちょっとリーチできるかなっていう。効果は全くわからないですけど、とりあえずやってみようみたいな(笑)。
―『稼ぐセオリー』読みました! 一般の人にも響く内容だなと思いましたけど反響は?
それが、自分が思っていた以上に反響あったっす! 20代から30代の落合陽一さんの本とか読んでいそうな人たちに刺さったみたいで。本だけ持ってお店にサインもらいに来る人とか結構いたんですよ。みんな男性なんですけどww
―著書を読んで改めて思ったんですけど、澪さんって売れるための戦略の組み立て方とか、考え方が完全にビジネスの人ですよね。
それに関して思うんですけど、ホストで成功している人たちには「ホスト脳」の人と「ビジネス脳」の人と2タイプがいると思うんですよ。そして、この2つって全く違うんです。
―「ホスト脳」と「ビジネス脳」…どう違うんですか?
「ホスト脳」の人はずっとホストの人なんですよ。感覚でホストができちゃう。好きでやってるとか、とにかく女のコ好きだとか、稼ぎたいし楽しいからやっているとか…。ともかくホストという仕事が天職で難なくできる。且つその仕事が好きっていうプレーヤー気質の人たちですよね。一方、「ビジネス脳」は逆算して組み立てるタイプ。僕とかは明らかにこっちのタイプです。こうなりたいから資金力はこのくらい必要で、じゃあこのくらいの期間でやって、その間にこのぐらいお金抜けてくから…とか、到達点を先に思い描いてそこに向けて逆算して戦略を立てていくタイプ。
―良い悪いではなく完全にタイプってことですね。
そうそう。ビジネス脳で且つホストという仕事が大好きという人もいると思うし、どっちが優れているかっていう話では全然ないんすけど。でも、傾向的にビジネス脳の人のほうがホストを育てるのは上手いと思います。人に何かをちゃんと伝えたいときって話の組み立てが必要じゃないですか。ビジネス脳の人は普段からロジカルに組み立てて動いているぶん、なぜそうなるのか、何が必要なのかを明確に伝えられるっていうリーチはあると思います。プラスそこに感情が合わさったらもっと響きますよね。
―3日で1億売ったときも、逆算して計画を立ててたんですか?
そうです。「3日で1億を売る」っていう事象が起きたらどういう反響があるか、ある程度は考えて。すべて計画的に進めていたプロジェクトっていう感じですね。バースデーの1カ月前に告知を打ったんですけど、その時点で事前入金も全部済ませてましたし。ぶっちゃけ入金スタートは1年前くらいからやってましたよ。僕の場合は、ひとり貴族みたいなお金持ちの女のコがいたわけではなく3日間で67組なんで。すべてコツコツ。前々から準備は進めてまんべんなく合計で1億っていう。
―この計画はいつから考え始めたんですか?
バースデーが12月で、その半年前の5月に殿堂入りしてナンバー上がったんですけど、殿堂入りするって決まった時点で「もうナンバー上がるわけだから逆にめっちゃ鬼貯めできるやん」と思って。そこで「3日で1億」に照準合わせて貯め期に入りましたね。一応月に700万くらい売りながらたまに1,300万とか売って、月間売上の最低ラインは押さえつつ。例年よりも鬼貯めモードみたいな。同時に新しいお客さんも作って組数も貯めに入ったり。調整の1年って感じで準備進めてました。だからこの年、逆に2億行ってないんですよ。年間売上1億7,900万でした。今はざらに2億いますけど、僕は2億いったことないんです。平均タイプなんで。
―澪さんがアーサーを作ったのは25歳のときですよね。若いオーナーというところで不安とかありませんでした?
いや、むしろ自分の中では遅いくらいだったかも。ナンバー上がったのが23歳で店の代表になってすぐの頃で、その年の年末にはプロデューサーに就任して、その時点でそろそろ自分の店を出したいなって思ってました。ただ、僕が抜けたら店にとって痛手だなっていうのもわかってたんで、卒業する前に何千万プレーヤーを作ってから独立しようって決めたんですよ。稼げる人間を育てることができたらそれが店への恩返しにもなるし、同時に自信にもなるじゃないですか? それでたくさん人を育てましたね。月間2,500万のやつと2,400万のやつとか。1,700、1,500、1,000万…と。 メンクイにもメンクイを巣立っていった歌舞伎町の住人たちにも、愛夢路チルドレンいっぱいいるんですよ。
―澪さんはオーナーですけど普段から席に着いて接客もします?
しますします。初回の席に着かないだけで、自分の指名卓とかヘルプとかめっちゃ着きますよ。「この席シャンパン入れたいんで着いてください」って言われたら着くし、あるいは「あのお客さん誰も攻略できないわ」ってなったら僕が取りに行くし。そしたらもう取りこぼしなく指名につなげるので。そこは店全体の様子を見て判断。裏ナンバー的にはなんだかんだ80カ月以上ナンバー1ですね。
―指名卓も多いと思うんですが、ヘルプに着くヒマあります?
そこちょっと変わってるんですよ。普通指名卓に着かなかったらクレーム出ると思うんですけど、一切ないんです。僕が別の席に行ってる間、指名卓のコ1人になっててもクレーム一切出ないです。僕が抜けた後ヘルプが着くわけでもなく、かといって着く時間短いから怒って帰ったりとかもないですよ。
―指名のお客さんはその間ポツンとしてるんですか?
ゲームとかしてます。店に来る目的ってあると思うんですけど、僕はそれを作るのが上手いんですよ。この空間にいられたらそれでいいっていう人を作るのが得意。いうたらディズニーランドでアトラクション乗るわけでもなく、この空間の中でただうろうろしているのが好きっていう人もいるじゃないですか。それと同じですよね。どっか他の店行ってしょうもないホストが2時間着くより、僕の店にいて働いてる様子見たりしているほうが楽しいみたいな。僕と10分話すほうが一気にバンとテンションはね上げられる、そういう感じですよね。
―そういうふうに育てるんですか?
会話の中で、こういう思考になったらものごと楽だよとか、上手くいくよ、楽しいよっていうことは伝えますけど。人の目気にしてても人は大して見てないよとか、怒ってもしゃあないやんとかあるじゃないですか、こっちの思考のほうが楽だよっていう。僕のスタンスを理解してくれる人とかは店全体が好きっていう人多いですよね。その空間にいられたらそれでいいっていう。
―アーサーはオープン半年っていうタイミングでコロナ禍に入りましたけど、店的に大丈夫でした?
1回目の緊急事態宣言のときは完全に2カ月間自粛しましたね。4月、5月と。そのあと時短要請が出たときも22時に閉めてました。21時半完全退店、22時撤収で。後から知ったんですけど、そのとき時短要請に応じたホストクラブが歌舞伎町で1店舗しかなかったみたいでwww それでテレビの取材5回きました。『スッキリ』と『グッとラック!』と。
―経営的には?
大丈夫です。従業員も頑張っていたし僕がいれば万が一にもつぶれることはないんで。箱もそんなデカくはないんで。他の大手グループの大箱に比べれば維持費も全然。僕一人でもつぶさないぐらいはやっていけるんで。こういうとき安心ですよねw
―参考までに澪さんの1日の流れを教えてもらえますか?
何もなければ朝4時頃家に帰ってきて、お風呂入ってデトックスしながらゲームして営業して、ゲームしながら5時半くらいには寝落ちするって感じですね。で、15時〜17時の間に起きて、支度しながらその日のスケジュールを全部組んで営業して、車運転しながら今日の営業で話す内容をイメトレしてそっから寝るまでフル稼働。そういう毎日ですね。
―意外と睡眠十分。15時に起きたとしても9時間以上!
寝てないと思われがちですけどよく寝てます♪9時間余裕です。僕ロングスリーパーなんでめっちゃ寝るんですよ。睡眠ですべて一気に回復させてるんで。逆に睡眠取らないと何にもできない人になっちゃう。だから睡眠時間を確保できるように逆算して動いてます。ちなみに僕、お酒全く飲まないのでお酒抜くために睡眠が必要ってわけじゃないです。
―ロングスリーパーなんですね。
起きてる間、余白ゼロで脳と全神経フル稼働させてるからリカバリーするのに結構かかるんだと思います。営業中も接客しながら従業員見てるし、こいつにこれ言ったほうがいいなってところ見てたり…。
―ビジネスで成功している人ってショートスリーパーが多いイメージですけど、そうじゃないんですね。
僕は逆です。寝る時間が絶対的に必要だし寝たほうがいいよって思ってます。そのほうが頭も回るし効率よく動けるので。僕は人より寝る時間が必要だから長く寝てますけど、ここまで寝なくても自分にとって適正な睡眠時間を確保できるように働くことって大事ですよ。長い目で見たときにそのほうが成果は出ると思います。ストレスフリーって大事なんですよ。コンディションを整えるのも仕事なので。ホストで1年間売れ続けるために重要なことって体調管理なんですよ。営業が大事、飲むのが大事ってみんな思ってると思うんですけど、絶対的に大事なのは体調管理だったりするんです。
―ホストの基本は体調管理。
1日休むって超ムダなんですよ。大して何もやってない人からしたら大差ないんですけど、こうなりたいって目指すところがあったら、体調崩して1日休むって損失がデカいんです。こうなるために必要なのはこれだ、それを毎日このぐらいやっていけば達成できるって逆算してタスクを決めていくわけじゃないですか、1日休んだらそれがこなせなくなる。目標に向かって進んでいる人間ほど、それをこなせなかったその1日の損失はめっちゃでかいんですよ。「風邪をひいて休んだ」が痛手になるかならないかが、成功する人としない人の境目というか。
―そのぐらい違うんですね。
やることが多くてタスクが終わらないから睡眠時間削ってやるっていう人は、ただやることが多いだけの人なんです。やることが多いことが大事なわけじゃなくて、「こうなるためにはこれが必要、だからこれをやる」っていうことが大事なんですよ。だから寝てもいいんですよ。寝たところで「これをやる」さえできていれば結局問題ない。でも体壊して「これをやる」ができなくなったら元も子もない。だから体調管理すごい大事っていう発想。「これをやる」をどうこなしていくかが重要で、寝る時間がないならやり方を見直してムダを省いて効率よくやる方法を模索するとか、集中力を高めるやり方を身につけるとか方法を変えたほうがいい。ゲームしようが、何してようがなんでもいいんですよ。逆算して「これをやる」そのためのスケジュール管理さえできていれば問題ない。
―寝る間がない人は仕事に追われている状態から脱する方法を探ったほうが良さげですね。
追われているうちはすべてが後手後手に回りますよね。物事を逆算して後々仕事がたまらないようにするほうが成果が上がります。僕はそれ得意なんです。常に動ける余裕を残せることで週5くらいはお店に顔出せるし、いつ緊急で呼び出されても常に動けます。チャンスって不意に訪れるものなんで、余力を残しておくことでその機会を逃すことがない。時間を生み出すことで生まれるものは時間以上のものなんですよ。
寝る間もないほど仕事に追われているなら効率化を図る。睡眠時間を確保できる逆算も成功のセオリーというお話、勉強になりました。後編もお楽しみに♪
有名ホスト紹介
3日で1億のホスト、愛夢路澪 ~後編:クソ人間でもピュアなら売れる 愛夢路流・稼げるホストの作り方!!~
3日で1億のホスト、愛夢路澪 ~後編:クソ人間でもピュアなら売れる 愛夢路流・稼げるホストの作り方!!~