人気店を作っているのはキャバ嬢だけじゃない! キャバクラを土台で支える黒服さんたちは日々どんなお仕事をしているのか? 一條りおなさんが在籍することでも知られる、大阪ミナミを代表する老舗『ZOOミナミ』の黒服さん2人にインタビュー! どんな売れっ子でもその支えなくてしては輝けない、繁盛店の回し方から売れるコの育て方まで根ほり葉ほりうかがいました♡
【お話してくれたのはこの2人】
店長・赤塚弘幸さん(41歳)
ZOO&黒服歴8年。前職は飲食店の調理。かつてZOOミナミを訪れた際、ボーイさんの動きに感動! このお店で働いてみたいと思い黒服の世界へ。温厚で優しい黒服のトップ。担当キャストは15人(一條りおなさんも担当)。
チーフマネージャー・河嶋勁樹さん(22歳)
ZOO&黒服歴1年ちょい。前職はゴルフのキャディのバイト。地元の友達に「一緒に働こう」と誘われたのがキッカケでZOOミナミへ。SNSにもたびたび登場する盛り上げ上手な名物スタッフ! 担当キャストは7人。
店長の赤塚さん、マネージャーの河嶋さん。それぞれお店ではどんな業務を担っているんでしょう?
赤塚:メインは男子スタッフとキャストさんの教育。あとは会社に店舗の実績を送ったりシフトの管理をしたりといった店長としての業務です。
河嶋:僕は主にホール業務をしています。具体的にはドリンクの提供やお会計、シャンパンの抜栓などです。マネージャーもさせてもらっているので女のコが指名をもらって楽しく仕事ができるようににサポートしています。
ZOOは大型店舗。黒服さんの人数は? 大箱ならではの動き方ってあったりするんですか?
赤塚:在籍キャストも多いですが(80人以上)、スタッフも多くて上のフロアのZOOロイヤルも含めると総勢35人。大所帯ですね。大箱ならではというところではやっぱりスピード感。10卓、15卓と目を配りながら1つのサービスに対してスピードを上げることが求められます。
河嶋:見るべきところが多いぶんみんな緊張感を持ちながら動いてると思います。ただ、緊張感全開でやってると顔が険しくなってしまうので表情は常に笑顔。「忙しい=楽しい」雰囲気になるように心掛けてますね。
赤塚 女のコやお客様からお願いをされる前に気づける目配り心配りが一番大事なことですね。これはお店の規模に関わらずスタッフに求められる姿勢。それでもいろんなところでトラブルは起きるものなので、いつも気が抜けないです(笑)。
大箱の付け回しも大変そう…。付け回しに求められる能力は?
赤塚:営業マンとしての視点、営業力だと思います。軽自動車を買おうと思っている人に新作のベンツをおススメしても買ってくれないじゃないですか。それと一緒でお客様それぞれに好きな女のコのタイプや求めるものがあるので。それを把握する観察力や直感力は必要ですし大型店になるとスピードも大事になってきます。ホールに対しての指示も出すので素早い判断力も必要です。
河嶋:判断力、スピード、正確さ、自分はこの3つを大事にしてます。なかなか難しいですけど。
赤塚:慣れればある程度できるようになりますけど、ベテランでも付け回しが苦手な人はいるので、付け回しが上手いかどうかはセンスのようなものもありますね。
キャバクラではキャストさん1人1人担当がつきますが、担当キャストに対して黒服さんがすることは?
赤塚:シフト管理(出勤確認、来店、同伴予定)や、お客さん情報の共有は当然として、売上が上がるようにサポートするのが担当の仕事なのでそこにつながるようなこと全般ですね。
何をどうサポートしていくかは担当するコのキャリアや性格によっても違ってきますが、新人の子であれば可能性を見出せるように少しづつ「できる!」「できた!」を増やすように指導していきますし、キャリアのあるコであればさらにパフォーマンスを高めていくことがテーマになりますね。
ただ、新人でもベテランでも「売上を上げる」というところにベクトルを合わせていくことが担当の役割なので、モチベーションが上がった状態で仕事に向き合ってもらえるように、1人1人の性格やプライベートも把握しておくっていうことは心掛けています。
プライベートも把握しているんですね!
赤塚:メンタルや意欲と関わってくるところでもあるので心に留めておくようにしています。どういう生活サイクルか、昼職をしているならどんな職業でどういった働き方をしているかなど。
まだ結果が出せていない女のコに対してはどんなアドバイスを?
赤塚:まずは笑顔でよく笑うように。やっぱり笑顔の人の周りには人が寄ってくるので。会話を楽しみながら接客するのが大事だよって言いますね。難しいことをするよりもお客様を好きになってその場を楽しむ。それが覇気につながって人を惹きつける魅力になるので。
河嶋さんの場合は?
河嶋:僕はキャリアがまだ浅いので新人の方を担当をするときは、お店のマニュアルブックなどを利用してどんな女のコでも仕事が覚えられるように一緒に学んでいます。それと尊敬しているキャストさんを見てどんな接客がリピーターを生んでいるのか研究したり、どんなふうに仕事をしているかを教えてもらったりしてそれを活かしてます。
コミュニケーションをとるときに意識していることは? 定期的に面談とかするんですか?
河嶋:自分は基本元気が取り柄なのでハイテンションで女の子に挨拶してコミュニケーションを取っています。まずはそこが入り口かなと。面談も定期的に。
赤塚:私の場合はキャリアのあるキャストさんを担当することが多いので、様子が気になったり表情が冴えなかったりしたときに場を設けてます。話すときはまず相手を理解するように。そして頑張っているところを褒めるようにしています。
叱ったり注意したりもするんですか?
赤塚:何か問題があったときや店側として直して欲しいところがあったときは伝えますけど、知らなくて間違えてしまっていることが多いので叱るというよりは教えてあげるという感じです。
河嶋:ときには耳が痛いことも言わなきゃいけないときはあります。体型管理であるとか…。ヤル気をそがないように言い方には気をつけつつ。
担当するキャストさんに好き嫌いってあったりするんですか? こういうコはえこひいきしちゃうとか。
赤塚:一生懸命頑張っているコであれば、こちらとしても精一杯応援したいなという気持ちにはなりますけどそもそも好き嫌いでは考えてないですよ。「このコがもっと売れるために何ができるか」、自分がこうして欲しいではなく店の理念軸で行動してます。話をするときもまずはそのコに寄り添う気持ちで接しています。
担当の喜びってなんですか?
河嶋:元気に出勤してくれることです。いろいろ病んだりすることもある職業だと思うので。笑顔で楽しそうに接客しているのを見ると嬉しいです。
赤塚 :そして指名を取ってくれること。お店のキャストさんが育って売れてくれる、これ以上の喜びはないです。
担当の悲しみは?
赤塚 :女のコが辞めてしまうときが一番しんどいです。出会いも別れも多い職場なのである意味仕方ないですが。去っていくときはさびしいです。
河嶋:理由はいろいろあるだろうけど辞めるという形になってしまったときは悲しい。もっと何かできたんじゃないかと力不足を感じるし不甲斐なさも感じます。
担当とキャストの相性が悪いときってどうしてます? どうしてもダメな場合は?
河嶋:あんまりないですけど意識して話す回数を増やしますね。コミュニケーションを多くとってそのコの良いところをたくさん知る。相性以前にお互いを知らないからっていう部分もあると思うので。
赤塚:自分の場合であれば、そのコがしてくれている良い部分を探すようにしています。意見の不一致などでどうしても修復が無理な場合はお店に残って頑張って貰えるように担当を変えたりする場合もあります。どちらもお店に大事な存在だから担当を変えてもう一度頑張って欲しいという方向で双方と話をしますね。
ZOOミナミといえばとにかく派手でブチ上がるバースデーイベントで有名ですが、そこはお店としてのブランディングなんですか?
赤塚:自分が黒服になったときからもう既にこの感じでした(笑)。ビル壁面やエントランス、入り口からバーッと装飾がしてあって、特大ポスターを飾ってお祝いのお花をたくさん並べてみたいな。イベントを打つキャストさんたちのプロデュース力が高いので、装飾に関して従業員サイドはサポートに徹してます。
河嶋:ZOOミナミはボーイの人数が多いので、お店がつくる盛り上がりはどこにも負けないと思います。普段からみんな元気なんですが、バースデーとなると何カ月も前から準備しているので。気合いの入り方が違う。普段の何倍も盛り上げてます!
何カ月も前から準備してるんですね。
赤塚:バースデーに向けては何カ月も前から打ち合わせしますし、イベントの準備は少なくとも2カ月前には始まります。ポスター撮影、ノベルティグッズの製作から始まって、外装・店内装飾、お祝いのお花、オリジナルボトルやタワー、お酒の発注など業者さんとの打ち合わせ、イベントが近くなってきたら来客予定、席割の打ち合わせ…etc。
やることいっぱい!
赤塚:バースデー当日は事前にお客様情報をスタッフ全員で共有はしていますが状況は刻々と変わるので。お客様が不満にならないようにスタッフの動きをリアルタイムで更新しながら回していきます。上手く回すには男子スタッフの連携が重要になってくるので、事前にイベントを想定した動きのロープレもとにかくやっていますね。
練習もしてるんですね。
河嶋:シミュレーション大事だなって思います。イベント当日となると、予想外の出来事も起きたりしててんやわんやなんですけど、そこで頭が真っ白にならないのは何度も練習したおかげ。ベースの動きを把握できていたからっていうのは大きいです。
練習もしているって女のコたちは知ってるんですか?
赤塚:どうなんでしょう。別に言ってはいないので知らないかもですね(笑)。
これまでにいろんな女のコを見てきたなかで、伸びるコの共通点ってありますか?
赤塚:やっぱり笑顔が素敵なコは売れますね。自然といつも笑っているようコや愛嬌があるコ、気遣いができる女の子は伸びているなと感じます。人のせいにしないコも売れていくなあって思います。
河嶋:何年もキャバ嬢さんを見ているわけではないですけど、パッと見て愛嬌がある感じの人は売れてますね。あと、返しが上手いです。新人さんでも、何を言われても笑顔で上手い返しができる子は確実に指名増えてるなって思います。
顔がかわいくても伸びないコの共通点は?
赤塚:共通点というほどではないですが、悪口を言うコほど成績も残念だなぁっていうのは感じます。
河嶋:同じく、シフトがいい加減なコは成績も上がらないなぁっていう印象はありますね。
黒服さんから見て応援したくなるのはどんなコ?
赤塚:誰に対しても挨拶がきちんとできるコは応援したくなります。
河嶋:僕もです。愛嬌があって元気に挨拶をしてるコは応援したい気持ちになります!
赤塚:それとやっぱり一生懸命仕事と向き合っているコですね。もっと良くなろうって努力しているコ。そういうものって伝わってくるので。
ちなみに面接ではどんなところを見てますか?
赤塚:メイク、笑顔、元気。それと身だしなみとして髪の毛や服装を見ています。面接はオーディションなので本人のベストな状態で来てくれたら嬉しいですね。
黒服さんのお給料事情知りたいです!
河嶋:キャバクラの黒服は勤続年数より結果主義。自分の頑張り次第で出世もできるし給料も良くなるので、頑張りがいがあるなって思います。
赤塚 :昼職もさまざまな業種でお給料は変わると思いますし、夜の仕事もピンキリなので断言できないですけど、インソーグループ(ZOOの会社)の場合、結果が出ている人は上がりやすいですね。
インソーグループでの黒服さんの出世の階段は?
赤塚:「ウェイター」→「主任」→「ジュニアマネージャー」→「チーフマネージャー」→「トップマネージャー」→「副店長」→「店長」といった流れ。担当するキャストが多くなって、指名を取らせることができるようになっていくと出世もしやすいです。
この流れでいうと河嶋さんは?
河嶋:今は下から4番目の「チーフマネージャー」というポジションです。今後はZOOの店長になれるように日々努力していきます!(笑)
黒服さんのお仕事をいろいろ聞かせてもらいましたが、やりがいを感じるのってどんなときですか?
赤塚:いろんな場面で日々たくさん喜びを感じられているんですが、お客様や女のコから「ありがとう」をもらえたときがやっぱり一番嬉しいですしやりがいを感じます。
河嶋:僕は、お客様に名前を覚えてもらったときが本当に嬉しいです。従業員はあくまでも裏方。存在を認知してもらえても名前まで覚えてもらえることってなかなかないので。名前を呼んでもらえたときは、「覚えてもらえるまでになったんだ!」ってすごく嬉しいですね。
「キャバクラ黒服の心得」を3つ挙げるとしたら。河嶋さんの場合は?
河嶋:「元気、やる気、活気」ですかね。3番目の「活気」はZOOだけかもしれないけど(笑)。
赤塚さんは?
赤塚:「挨拶、誠実、継続」この3つですね。「挨拶」はコミュニケーションの基本ですし、「誠実」は人と向き合っていく上での姿勢。それをふまえて3つめの「継続」という感じです。結果ってそんなに簡単に出るものではないし、継続することで見えてくるものってあるので。
黒服とは?
赤塚:誰かを輝かせることはできる最高の職業だと思ってます。人を輝かせることもできるし楽しい空間をそこに作れる。本当に最高の仕事だなって思っています。
お店としての今後の夢や目標は?
赤塚 ・河嶋:日本一です!
河嶋:まずはZOOの入っているビルをすべてZOOにしたいですね(笑)。2階、3階は既にZOOなんで。叶わない夢じゃないと思います!
黒服さんにスポットを当てたインタビューいかがだったでしょうか。キャバ嬢が今日もスムーズに仕事ができるのは黒服さんあってこそ♡ お話を聞かせて頂いた赤塚さん、河嶋さんありがとうございました!
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