前編が大好評だった桜井野の花さんのコラムの後編です。
普段のSNSからだと想像できないような野の花さん流の考えられた成り上がり術は必見です!
前編はこちらから
売れる戦略を考えるために、徹底的に自己分析した!
どうやって“桜井野の花”という商品を有名にしていくか、ブランディングする上で、自己分析はすごくしました。なんせ商品が自分なんで(笑)。私とはどういう人間なのか、性格的な向き不向き、長所と短所、どんなことなら頑張れるのか、ヤル気を失くしてしまうのはどんな状況なのか…。客観的に自己分析した上で、売れるための戦略を考えました。
アジアンやジェントル、美人茶屋のような激戦区でシノギをけずってナンバー1になるというのが歌舞伎町で名前を売るための王道だと思います。王道というか、そこまで昇り詰めてナンバーをキープできたら、もはや伝説なんで自動的に売れますよね。
そもそも激戦区に入店できるコたちっていうのは、相当なフルスペックの持ち主たちなわけで、大企業と大企業が大きな市場を奪い合っているような戦いなんです。途方もなくて想像し難いのでわかりやすい例を挙げれば、テレビ局の視聴率競争みたいなもんなんですよ。日テレとフジが視聴率ナンバー1を競い合っている、そしてその周囲にはテレ朝やTBSがいる、そんな感じです。で、そういう現実を前にして、私が選んだのはテレ東になることでした。
日テレとフジが競い合う、みたいなメジャーなところで勝負をしてもやっぱりトータルでの勝算はないんです。勝ち目がない戦いをしても意味がない。1回、2回は1番を取れるかもしれないけどそこが上がりなんです。だったら勝ち目のある市場を狙ってそこを入り口にして知名度を上げていくしかないと思いました。日曜大工とか大食いとか見応えのある深夜ドラマとか、ニッチな市場にターゲットを絞ってコアなファン層を開拓していく戦略、テレ東戦略です!
私の最大の長所は、コレだと思ったとを持続できること!
いろいろ例え話をしましたが、要は勝てる市場で圧倒的に勝ち続けるっていうことを狙ったわけです。私の場合は、身の丈に合った“ナンバー1になれる店”を選んで、継続的にずっとナンバー1でいようということです。
自己分析した結果、自分の長所は、「コレだと思ったひとつの物事に対して、集中してそれをずっと継続できるところ」だと思っていて、これをやると決めたときのパワーの持続力には自信があるんです。ホストに入れ込んだときも同じですよね。経済的にマイナスに働きはしましたけど原理は一緒です!
そんなこんなを割と明確にキッチリ考えて選んだお店が『バロンドール』でした。
性格的にもお店選びは間違っていなかったと思います。私は1日でも誰かに売り上げで負けたくないんです。負けたらそこで何かプツンと途切れてしまいそうなので。だからこそ、スペックの高いキャバ嬢たちが、日々激しい戦いを繰り広げている有名店よりも、ちょっと一瞬気を抜いても負けないようなお店にいて、優越感にひたるほうが仕事のモチベーションが維持できるから。というちょっと語弊(ごへい)があるかな? 言いたいことは、私は、人の背中を見て追うよりは、背中を見せて追わせるほうがモチベーション高く仕事ができるっていうことです。
連勤、連勤、また連勤。正月三が日すらも休まない。
『バロンドール』にいたのは3年半ぐらいですかね。その後、経営サイドの意向で系列の『グレンズフォール』に人事移動して1年数カ月…。今年の6月にお店をやめるまでの5年10カ月の間、ずっとナンバーワンをゆずったことはないです。
“勝てる店で勝負してきた”というと、さもチョロく聞こえるとは思いますが、それなりにヤバイみたいなことはありましたよ。なにせ、私の目標は1日たりとも売り上げで抜かれないことだったので(笑)。ヤル気が出ないとかで休んでるヒマなんかねえ! みたいな。今考えるとだいぶ大人気なかったなとは思いますが、バースデーのコの売り上げにすら負けたくないと思っていました。
連勤も日常でしたね。『バロンドール』から『グレンズフォール』時代の途中まで、店休というものがなかったので。127連勤して、1日法事で休んで135連勤とか。そのあと1日休んでまた90何連勤とか、そんなことを喜々としてやっていたわけで。思えば、正月三が日も休まず出ていましたよね。
なんなんですかね、“売り上げ”っていうものが常に頭にあって、それが私を落ち着かなくさせるんですよ。
まず、そもそも自分は1日でガツンと売り上げを出せるタイプじゃないっていいうのが根底にある。有名キャバ嬢みたいに「バースデー1日で何千万も売る!」とかいう伝説の位置に自分は存在していない。もっとチマチマしているところで生きている。日々の積み重ねで生きているから。1日休むと、平日のヒマな日で20万、忙しい日で300万の売上がフイになるわけで。といっても、その目先のお金どうこうよりも、心に引っかかるのは1年先の売り上げだった。1日休んだことによる損失を考えると、もったいなくて休みたくなかった、というのが正直なところです。
ホストで使ったお金は、ホストで回収しなきゃ!(笑)
たとえば、休んだ日に来たお客さんが1週間後に歌舞伎町に飲みにきて、「さて、次どこへ行こうか?」と考えたときに、「1週間前、野の花いなかったからな。また今日もいないかもしれないからやめておくか」、そう思うことは恐らく多々あるわけで。「いつでもいますよ」営業の場合、キャバクラって気分で来るお客さんのほうが圧倒的に多いから、とある1日休んだことによって切れちゃうお客さんの数を思うと怖くなる。そういった部分も全部拾っていこうとする、落ち穂拾いみたいな、そんな切迫感と共に自分は生きてきたなと思います。少なくとも、店休ができるまではそういう心持ちで生きていましたよね。
そういった根こそぎ逃したくない、落ち穂ひろい的な連勤にしろ、バースデーの子に花を持たせてあげられなかった人間の小ささにせよ、私には余裕がないのかな?と感じます。逆に言えば、「安心感が欲しい」んだと思います。キャストという雇われの身から独立したのも、突き詰めると安心感がほしかったからかもしれない。自分がお店に出ていなくても、食べていけるようになりたい。そういう思いは強くあるかもしれない。別に贅沢をしたいというわけではなく、食べていけるくらいの安心感でいいんですが。私の尻を叩いて行動させるのは常に“不安”という切迫感(笑)。まあ、行動させてくれるものなんで、きっと悪くはないんだろうなとは思いますが。
目下の課題はプロデュースしたキャバクラ『N』。この店を流行らせることが自分の課題です。他にもやりたいことはいっぱいありますよね。まつエク、ネイル、ヘアメイクといったキャバ嬢御用達のお店から、バーやサパー、それこそ案内所だったり。そういうナイトビジネス全般をガッツリまるっとやりたい! そして、おいおいはホストクラブも経営したいという野望もあります。桜井野の花の原点といえばホスト。ホストクラブで使ったお金はホストで回収しないと!(笑)。
某キャバ嬢サイトでは絶大な人気を誇る桜井野の花さん。キャストからプロデューサーへと転身して結婚か引退しかないキャバ嬢の未来の明るいニュースになってもらいたいですね。今後の活躍に期待です。
セカンドキャリア有名キャバ嬢紹介
夜の実業家・桜井野の花 美容室『cerisier-スリジエ』を語る♥
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