繁盛店を作り上げているのはキャバ嬢だけじゃない♪ お店を土台で支える黒服さんたちにインタビュー!
今回お話を聞かせてくれたのは、メゾンドボーテでもおなじみの南柚子さんが在籍するすすきののキャバクラ(北海道ではニュークラブ)グループ『バルセロナ』の鹿澤紀章さん、富吉浩之さん。普段の仕事内容に黒服心得、そして人気のお店を作るための秘密をお伺いしました!
【お話をしてくれたのはこの二人】
鹿澤紀章(しかざわ のりあき)さん
ニックネーム:パパ
年齢:52歳
前職:バスの運転手
現在の役職:『桃李』シニアマネージャー
黒服歴:17年
担当キャストの人数:20人
富吉浩之(とみよし ひろゆき)さん
ニックネーム:トミー
年齢:26歳
前職:京都大学卒業後、新卒としてバルセロナグループに入社
現在の役職:『Leicester』ヘッドマネージャー
黒服歴:2年半
担当キャストの人数:18名
お二人は南柚子さんの元担当&現担当なんですね。
鹿澤紀章:そうなんです。柚子さんが初めてグループでNo.1になったとき(2021年)の担当が僕でした。悔しい思いをして泣いたことも何度もありましたが、二人で一年間頑張り続けたからこそ達成できて。柚子さんの目標を叶えられて良かったですし、忘れられない嬉しい思い出ですね。
富吉浩之:僕は現在の担当です。柚子さんが『Fillia(フィリア)』から今の『Leicester(レスター)』に移籍した時に鹿澤さんにおすすめされて担当になったんです。当初の自分はまだまだ未熟で経験不足でしたが…なんとか一年半頑張ってきて、今では柚子さんの担当は僕しかいないという自信があります! 柚子さんからも「成長してくれた」と言っていただけました(笑)。
お二人から見て、柚子さんはどんなキャバ嬢ですか? キャバ嬢・ゆずずのココがスゴイ!というところは。
鹿澤:お酒が強い。どれだけお席でシャンパンがあいても潰れることは滅多にないですね。それと、目標を作ったら必ず達成する力があることです。
富吉:柚子さんは人として本当に尊敬できるキャストさんなんです。24歳とは思えないほど合理性と情理を持ち合わせていて、近くで仕事をしているだけで応援したくなります。もしこの仕事を離れたとしてもずっと関わっていきたいと思っています。
バースデーで助けてくれたお店のキャストさん全員にプレゼントを用意するなど、周りのキャストさんやスタッフのことをすごく大切にしてくれるので、みんなから好かれていますね。
お二人が黒服になったきっかけは?
鹿澤:初めはすごく単純で、楽しそうだったからですね。
社歴2年半、弱冠26歳の富吉さんは新卒でバルセロナグループに入ったんですね。どうしてこの道を?
富吉:元々戦略コンサルをメインに就活を進めていたんですが、残業が多いなどハードすぎる業界という噂を聞いてなかなか働く覚悟ができず…。内定辞退しまして。そこから大学の友人の紹介でバルセロナの企業説明会に行き、活き活きと楽しそうに仕事について話す社員の姿を見て興味が湧いて入社しました。
それぞれの主なお仕事内容は?
鹿澤:グループ最大規模の店舗である『桃李』のシニアマネージャーとして、在籍キャストさん93名全体のキャストマネジメントをしています。
富吉:僕は『Leicester』のヘッドマネージャーとして、店舗のKPI管理と在籍キャスト全員のマネジメント、営業中のオペレーション管理などをしています。
『KPI管理』とは、売上を継続して出し続けるための細かなKPIがグループで設定されていて。それらを達成しているか、達成していない場合どういう改善策があるか、その改善策を実際にやってみて結果はどうか。というPDCAを回しながら行動指標を管理しています。
しっかりしたシステムがあるんですね。黒服さん達はどうやって出世するんですか?
富吉:バルセロナグループは入社すると基本的に全員「クルー」という役職から始まって、そこから「サブマネージャー」「マネージャー」「ヘッドマネージャー」「店長」「部長」と役職が上がっていきます。店長までは1店舗の管理ですが、部長からは複数店舗の統括となりますね。
ちなみに鹿澤さんの「シニアマネージャー」という役職は特例で、キャストマネジメントのスペシャリストとして長年の経験と実績が買われて作られたものです。
すごい! 鹿澤さんはこの道20年なんですもんね。一般的な会社のような査定の機会や評価制度などはあるんですか?
富吉:はい。査定は3か月ごとにあって、昇格は決められた評価制度の点数によって決まります。その中で各々が決めた個人目標に対しての行動量と成果実績に応じて点数がつけられるので、社歴が浅い人でも行動によっては昇格することも多くありますよ。
人気店を作り上げている秘密が知りたいです。お店を繁盛させるためにどんなことを大事にしていますか?
富吉:坪単価が高いお店はお客様の単価も高いというデータがあり、お店の内装にはとてもこだわっています。どの店舗も社長がデザイナーと相談しながら作っていますね。
それから黒服の採用にもこだわりがあります。バルセロナは新卒採用を導入しているので自分のように未経験のスタッフが多く入社してくるんです。そのぶんマニュアルや教育制度がかなりしっかりしていて、経験がない人も安心して働くことができます。
いい黒服さんが育つ環境が整っているんですね。
富吉:あとはキャストさん1人に対して、必ずスタッフが一人担当として付くようになっていること。そうすることでお仕事からプライベートの悩みも全て聞きながら一緒に売上目標を目指していける、2人3脚で頑張れる仕組みになっています。
お店ごとの特徴はありますか?
富吉:バルセロナでは全店舗で特徴はそれほど変わらないです。ニュークラブ(キャバクラ)が4店舗(『Leicester』『桃李』『P&J』『Fillia』)とキャストさんの年齢層が少し高めのラウンジ(『凛』)が1店舗ありますが、新規のお客様が多いのは共通した特徴ですね。どのお店もナイツネットやポケパラといったポータルサイトで店舗ランキングを常に上位独占しています。
大事にしている『黒服心得』を3つあげるなら?
鹿澤:①約束を守る②結果にこだわる③情熱を持つの3つです。
①については、どんなに些細なことでも無下にしないこと。些細な約束や依頼を必ず結果につなげることでそれが大きな依頼・相談につながります。大きな信頼関係を作るには小さな信頼の積み重ねで構築されると思います。
②は、キャストさん個々に目指す結果が違います。キャストさんと私で話し合い2人で作り上げた目標に対して日々行動につなげる。例えば、No.1を目指すのであれば勝つための心構えからレクチャーする。また、No.1としての影の部分(見えない闇の部分、アンチの増加など)も伝え覚悟を持たせる。などです。
③に関しては、キャストさんのなりたい姿を自分のなりたい姿として考えること。共に勉強、努力、悲しむ、喜ぶ、を同じ空間で共有すること。たまに熱が入りすぎて喧嘩にもなることもありますが(笑)。
富吉さんはいかがですか?
富吉:①なぜできないか・どうすればできるかを考え続ける②店舗というチームで勝つ③キャストを信じて心から応援する、ですね。
①については、未経験で飛び込んだからこそ出来ないで終わらせるのではなく「どうすればできるか」を考えて、それを後輩たちに共有していくことが必要だと思っています。
②は店舗を運営していくにあたって、1人の力では絶対に成り立つことはありません。なので、各々の特性や向き不向きを考えながら個性が活かせるポジション配置、全員で助け合うことを心がけています。
③ですが、キャストさんのマネジメントを行うには、まずそのキャストさんの可能性を信じないと言葉に重みが出ません。だからこそ「このキャストさんはもっと売上を作れる」と信じてサポートしていくことが必要です。
東京のとある有名ホステスさんがバルセロナグループの黒服さんはしごできだ、と言っているのを見かけたことがありまして。何か徹底していることや工夫していることなどあれば教えてください。
富吉:それは嬉しいですね。どなたでしょう…。例えば、お客様やキャストさんからクレームをいただいた時などは営業後スタッフ全員で行う終礼で共有して、なぜ起こったのか原因とその改善案について話し合っています。
とりわけ僕が所属する『Leicester』では業界が未経験なスタッフも多いので、経験値を高めていくためにも特に報連相を大事にしています。何事も全員でシェアできるような体制を作っていますね。
基本的なことが一番難しいというか、そういった体制をちゃんと徹底することでサービスの質は上がりそうですね。
富吉:そうだと思います。
黒服をやっていて喜びを感じるとき、悲しみを感じるときは?
鹿澤:一緒に頑張っている担当キャストさんの結果が出たときはやはり嬉しく思います。悲しいのは、キャストさんが辞めるとき。円満な卒業でも不本意な退店でもとても寂しい気持ちになります。
富吉:喜びはキャストさんの成長を間近で見られること。成績が伸びていくのはもちろんそうなのですが、それ以上に人間的に成長していく姿を見られると良かったなぁと思います。逆に、努力をしているキャストさんがあと一歩目標に届かなかったり、キャストさんの卒業だったりはやはり悲しいですね。
黒服さんから見て、売れているキャバ嬢と売れていないキャバ嬢の違いってズバリ何だと思いますか?
鹿澤:売れているキャストさんは時間の使い方がまず違いますね。美容のための時間にしても、お客様との連絡にしても、とにかく無駄な時間がないです。
富吉:自分の中で決めたことを徹底してやり抜く力があるキャストさん。そういう方は必ず結果がついてきます。あとは自分が頑張れる環境づくりでしょうか。スタッフにも周りのキャストさんにもサポートしてもらえるような関係性づくりができること。
人それぞれで違ってきそうではありますが、なかなか芽が出ないキャストさんにはどうアドバイスしますか?
鹿澤:ポテンシャルがある方と仮定すると、徹底的に基礎を振り返ります。ちゃんと営業連絡ができているか、容姿を気にできているかなど…。トップキャストとの差を比較してみて、できていないところを見直します。
富吉:なかなか努力したからといってすぐに結果が出る世界ではありませんが、自分を信じてやり続けるしかないと思っています。ただ、その努力が正しいものでないと結果はついてこないので、今頑張っていることがあっているのかどうか、データを見ながら二人で相談します。
キャストさんの面接で見るポイントは?
鹿澤:ビジュアルはもちろん見ています。それから話しながら接客ができるか、会話能力も見ます。あとは、手。手を見るとその人がどれだけ自分にちゃんと手をかけているかが分かります。
手! 確かに…。
富吉:僕も指先は見るようにしています。ネイルはちゃんとしているか、健康な生活が出来ているかなど、細かいところまで気を遣えているかが分かるので。あわせてカバンなど持ち物も見ています。話している間は「どういうことを考えているんだろう」ということを探りながらいつも話していますね。
担当キャストに対して日々やっていることは? キャストさんとのコミュニケーションで大事なことなど。
鹿澤:その日のモチベーションを上げるためにコミュニケーションはこまめに取ります。楽しくお仕事ができるように冗談を言いながらも、まずは自分からその日を楽しむようにしていますね。
富吉:キャストさんからの依頼に対する連絡は、レスポンス早く対応することを心掛けています。話している時は、本心ではどう思っているのかを表情などの反応を見ながらキャストさんに伝わるように言い方を変えたり話す構成を変えたりして、どうすれば一番相手に伝わるかを意識して話していますね。
担当キャストとどうもうまくいかない。人間同士なのでそんな事もありそうですよね。そんなときはどうしていますか?
鹿澤:ズバリ、逃げない。挨拶は必ずしますし、ちゃんと話す時間を作って向き合います。その中でなぜうまくいかないのか、うまくいくにはどうすれば良いかを二人で考えて実践していきます。二人で話す時間を多くすることでお互いの信頼関係は構築されていくと思っています。
富吉:同じく、話す時間が足りていない場合が多いのでミーティングの時間を取ります。何かスタッフ側の不手際があってうまくいかない場合などは、素直に謝って同じミスが二度と起きないように改善案を考えてお店全体でも共有します。
最後に、グループとしての今後の展望を教えてください。
富吉:この業界には制度化されていないところや世間からのイメージが悪いところがまだまだあるのが現状です。そういった部分を良い方向へ変えていくためにもまずはバルセロナがすすきのから全国へとシェアを獲得していき、バルセロナが行なっていることがこの業界のスタンダードとなるようなリーディングカンパニーとなっていくことを目標として、これからも日々邁進していきます!
富吉さん含め高学歴の社員も多いというバルセロナグループ。夜の業界のイメージもどんどん変わっていっていますね。鹿澤さん、富吉さん、真摯にお答えいただきありがとうございました!
<RECOMMEND>
こちらの記事もおすすめです。
個人店最強のホストクラブ『VELVET』代表・ロイ 「美しい売り方を」新天地での...