2023年『CANDY』年間王者! 唯一無二の輝きを放ち続ける橘花みらいさんの仕事術に注目。接客、顧客管理から見た目、SNS 運用までスタープレイヤーでいるためのマイルールを本人解説で深掘り!
「突出したものがないからこそロジックでブランディングしてきた」と語るみらいさんのお仕事メソッドは、今よりもっと売れたいホストさんはもちろん、自分の価値を高めたいすべての働きマンにおすすめです♡
みらいさんが売れるために実践してきたやり方や考え方を教えて頂ければ。まず、ホストとしてはどんなタイプなんでしょう?
売れてるホストさんってもともとの個性が強くてぶっ飛んでたり、何かに突出していたり、天性の才能でやってる人が多いんですよ。それでいうと僕は総合力で戦っているタイプ。ステータスの総合値を上げることに注力してます。普通の人なので。
普通の人…ではない気がしますけど。
個性という点では普通ですよ(笑)。爆発的に瞬発力のある接客ができるとか、ものすごく容姿がいい、スタイルがいい、女の子に寄り添える、ホストにおける要素はいろいろありますけど、自己分析をした結果、僕は何かに突出している人間だと思っていないので。
キャラクターのステータスを表示するときに使われる5角形や6角形のパラメーターってあるじゃないですか。スピード、攻撃力、防御力みたいな。僕はその多角形をいかに大きくキレイな形にするかを意識してます。
ホスト力をレーダーチャートで考えて美しい形になるように?
そう。突き抜けているものはないけど、その代わり何が強みかというと「ミスをしない」「できないことがない」そこが僕の長所なので。キレイなチャートを作ることによってトータルでSクラスに持っていく。
パラメーターで考える上でもまずは自分を知ることが大事そう。
自己分析は必須です! 主観と客観、両面から自分を分析してすべて把握した上で自分に足りないものは何か、得意なものは何かを考える。僕はトータルバランスに振りましたけど、「何が得意」で「何が苦手」か全部洗い出した上で、欠点をなくしていく作業をすればその人は確実に今よりもっと伸びると思います。
職業問わず自己分析はやったほうがいいですね!
めっちゃいいと思います。自分で自分を知る唯一の方法なので。定期的に自己分析をする習慣を身につけたら成長速度も速くなるし仕事の質も上がると思います。僕は週に1度「自分会議」みたいなものをするんですよ。今考えていること、できていないと思うこと、何が調子が良くて何が調子が悪いか…etc。自分の今の状態をすべて書き出す時間を作ってます。
へえぇ!
現状を文字に起こして可視化する。言語化する。そうすることで自分の状況やメンタルを把握することができるし問題点を見つけやすくなる。それと併せて顧客の状況もそのタイミングで確認します。
顧客の状況確認?
僕に対しての好き度が80〜90%ならいいんですけど、人って感情の波が必ずあるので60%とか50%になる瞬間は絶対にある。そこを見逃さず好き度を上げるアプローチをとる。それで気持ちを回復させて80%をキープする。そういう作業を継続していれば顧客が切れる現象は起きないんです。
「自分会議」で問題点が見つかったら?
対策を講じるわけですけど、意外と「なぜそうなっているか」問題の本質ってわからなかったりするので。根本を掘り下げていくプロセスが入りますね。いずれにしても念頭に置いているのは“自責”で考えること。すべての矢印を自分に向ける。自責と他責ってありますけど成長を考えるなら常に自責思考を選んだほうがいい。それ大事だなって思ってます。
「他責思考」は外的要因に左右される。環境に左右される考え方。周りがこう扱ってくれない、優しくしてくれない、外に原因を求めるとすべて他人しだいなので生き方がすごくブレる。周りに恵まれていないと成長できない。
「自責思考」は全部自分が招いた結果っていう考え方。自分の力不足だったな、やり方が間違っていたな、じゃあ次はこうしようと改善点を見つけられるから成長できる。どんな環境でもブレない生き方ができる。
ちなみに自分を成長させる働き方がなぜ必要なのかっていうことについては、『仕事の思想 なぜ、我々は働くのか』というすごく良い本があって。仕事に対しての意識がガラッと変わる名著なのでおすすめです。
みらいさんでも病むことありますか?
病むことはないですけど、怒りを感じたり感情が揺れる瞬間はあります。でも、そこを分析していくと結局自責になるんですよね。「俺の成長が足りなかったんだな」とか「俺がもっとこうだったらこういう扱いされなかったな」とか。“現象”って自分のしたことの結果が返ってくることだから。「何カ月か前に動いた結果が今返ってきてるんだ」と考えたら納得できる部分ありますよね。
ある意味「自責」はアンガーマネジメントに近い。感情的になったとき、いや、待てと。俺に原因があるんじゃないかと考える癖をつけていると、怒りを抑えられたりも怒りを引きずることが減る。むしろ人間的な成熟や成長にフォーカスできるので、病むこともなくなる。
接客など人と接するときに意識していることはありますか?
エネルギー値の高い状態で接客する、パワースポットであるということはすごく意識してます。エネルギー値が高い=会うと気分が上がる、元気になれる。これは価値のある人間の必須条件だと思うので。
みらいさん、声量や声の張りからして生命力が高い感じがあるのはエネルギー値が高いからなんですね!
声量ww 発声に関してはもともと芸能をやっていたので訓練されているんですよ(笑)。でも確かに声の抑揚、声色は印象に影響しますね。役を演じるときはまず声のトーンや話し方から演技をつけてましたから。声は大事です。
エネルギー値を高めるには?
自己分析の話にもつながりますけど自分を肯定すること。「俺にはこんな良いところがある」ということを知っておく。自分の悪いところは目につきやすいけど、良いところって考えるのに少し時間かかりません?
マイナスになっているときって、自分の長所を見失っているとき。だからこそ、自分の良いところ10個くらいパッと浮かぶようにしておくと強いです。「俺はこういうこともできるし、ここはいいところだな。今の状況や流れはよくないかもしれないけど、俺なら大丈夫だ」と、すぐに切り替えられる。「今までだって自分で乗り越えてきたし、目標も達成してきた、自分はやるべきことを遂行できる人間だから大丈夫だ」そんなふうに自分への信頼感を取り戻すことができるので。
見た目で意識していることは?
カッコいいかどうかは好みなので。見た目の良し悪しよりも清潔感ですね。服や体の清潔を保つのは当然として清潔な印象があるかどうか。そこは全人類共通のモテ要素なので。
清潔感って髪や肌のキレイさ、体型、匂い、全体として醸し出されるもの。特に男性よりも女性は清潔感を重視しますよね。それってもう動物レベルの話にもなってくる。
動物レベル?
自分の遺伝子を残すことだけにフォーカスすると、オスは性行為さえできたらそこにかけるコストってほぼゼロ。でも、女性は1人の遺伝子を残すために時間もコストもものすごくかかるわけです。であればより優秀な遺伝子を選ばないと割に合わない。受け入れる遺伝子を吟味する必要がある。その目安になっているのが髪や肌といった外見の健康状態なんです。
生きていく上で大事なパーツってまず臓器じゃないですか。その部分が正常に機能してはじめて髪や肌といった体の末端に栄養が行き届く。毛ヅヤや肌ツヤがよくなる。女性はそこを見て“清潔感”と言っている。
不健康だと肌ツヤも悪くなって変な匂いとかしそうですもんね。
清潔感=健康なオスということなので。そこは最低限であり最上級の要素。実際の健康と併せて、健康に見える外見を心掛ける必要がある。顔の良し悪し以前にまず、歯、髪、肌、ツメ、身だしなみです!
みらいさんのブランディング術も改めて知りたいです!
僕はハイブランド寄りのブランディングをしているんですけど、そこは完全にロジックで考えています。ブランドの価値の作り方には『認知−普及=価値』という公式があるんですね。認知はどれだけ知られているか、そこから普及率をマイナスする。イコール価値っていう。
価値を作るためにはまずは知ってもらうこと。僕の場合は見た目をアイコン化してイメージを刷り込むっていうことをしています。エアグル時代にハットをかぶり続けたのもそうですし、『CANDY』の今は常にサングラスでスーツ。これはイメージを定着させて認知されるため。
認知から普及率を引くっていうのは?
たとえばバーキン。エルメスもバーキンも広く知られていますよね。でもブランド側は誰でも彼でも売らない。プライオリティの高い人に売る。それは普及率を調整しているんです。だからそこに価値が生まれる。
初登場コラム(『橘花みらいという希少価値』)で、「お客様を選ぶ」話をされていましたが、それは普及率を調整しているから?
そういうことです!
僕はハイブランド的な文脈でブランディングをしていますけど、それがすべての正解でないです。自分の個性やどう売っていきたいかによってブランディングは変わる。ユニクロ的にみんなに愛されるというブランディングもありますよね。みんな知っててみんな手に入る。そういう人気者路線。どう売ったら一番シェアを拡大させることができるか。自分がどの文脈でより売れやすいか、そこはその人それぞれになってくる部分ですね。
SNS関して。みらいさんならではの運営方針は?
「すべてをオープンにする」というスタンスを取ってます。お客様がおろしてくれた高額なお酒に関しても毎月ストーリーで載せていて。プライバシーもあるのでアカウントは載せないまでも、その人が見ればわかるようにはしています。これもブランディングの一環。
その人への感謝の気持ちをLINEなどクローズドな場ではなく、オープンな場で伝えるっていうのもポイント。社会的承認=みんなの前で承認されるってすごく幸福度が高いんですよ。個人的に「お前すごいな、頑張ったな」って言われるよりも、表彰式でみんなの前で讃えられると満足感や幸福度って上がるんです。それと同じ仕組みをSNSで作っています。
思えばホストの方って誰に何をしてもらったか、キャバ嬢さんみたいにストーリーに載せないですね。あんまり。
かぶりが気にしちゃうからじゃないですか? 「なんだ使ってくれる人いるじゃん」とか、「私だってこれがやりたかったのに」とか。お客様がいるいないもなるべく隠したりしますよね。僕はそこをオープンにしてます。
「私がやってあげないと」とか、「この人に嫌われたくないから入れる」とか、それって負の方向の数字の立て方で、束縛や依存、執着みたいなところに対してお金が発生するやり方。僕はそのやり方はちょっと違うと思っていて。頑張っているからこの人のことを支えたい、会うと元気になれるから応援したい、そういう感覚でお金を使うほうが双方幸せだと思うんです。「応援する」というマインドを持ってもらうには、「これだけ僕は応援してもらっているよ」ということを発信するのが一番わかりやすい。
情報をオープンにする意味は他にもいろいろありますけどね。お客様がメンブレしないとか、嫉妬深くなりすぎないとか調整している部分もあったり。あとはボトルをたくさん載せることで、「この人を指名するにはこのぐらい使わなきゃいけないんだ」っていう指標の発信にもなるので。
聞いておいて何ですけど、考えて実践していることがいっぱいあるんですね。
僕は突出したものがない普通の人間なので。感覚でホストができる天才たちと渡り合うには戦略を立てて戦うしかなかった。それが根底にはありますよね。
ホストって特殊な仕事のようでいて紐解いていくと、売れる方法って見えてくるんです。そこがわかっているのが僕の強みかなとも思う。どうすればいいかすべて言語化できるし、再現性のある売り方を構築できているので。男の子たちを育てるっていうことに特化できる。そっちのフェーズのほうが恐らく向いてるんです(笑)。まだ、具体的なことを発表できる段階ではないんですけど、近い将来はお店を出すとか、マネジメントのほうに注力していきたいと思ってます。
わかりやすさの極みだったみらいさんの仕事術。昼職にも生かせるヒントがあったのではないでしょうか。みらいさん、丁寧な解説ありがとうございました!
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