同じフリーのお客さんについても、時間切れで席を抜かれるコもいれば、確実に指名につなげていくコも。これが毎回となると、もはやお客さんの好みの問題だけではなさそう。現役キャバ嬢兼ナイトビジネスプロデューサーの桜井野の花さんがレクチャーする『売れるキャバ嬢・売れないキャバ嬢』。第2回はキャバ嬢の腕の見せどころ、接客力に迫ります!
心に入り込むには“共感”と“共通点”が不可欠♥
メゾンドボーテの男性ゲストの方に聞いてみると、「つまんない質問をしてくるキャバ嬢は売れていない」ってみんな言うんです。やっぱりそう感じます?
おっしゃる通りだと思います。質問って会話の入り口じゃないですか? それがつまんなかったらやっぱり会話も盛り上がらないし、早い話がそのコと話していてもつまんねえってことですよね。
まあ、そういうことですよね。
友達でも誰でも、ものすごくありきたりでぶなんなことしか言わない人と話していてもつまんないじゃないですか?
でも、面白い話をするのって難しくないですか?
大丈夫ですよ。会話盛り上げるのに自分が面白い必要はないんで。そんな冴えたことや気の利いたこと言う必要は全くない。何が大事かって言ったら共感? しゃべっていて楽しい人って、何か言ったときに“良い反応”がある人だと思うんですよ。「へえ~」とか「ふーん、そうなんだ」とかじゃなくて、それなりに身のある返しがあるっていうのかな?
そういえば、売れているコはリアクションがむちゃくちゃいいって、バンデル会長の塩澤さんも言ってました。
そうですよね。逆の立場だったら自分だって嬉しいじゃないですか。自分の発言に対して「マジで!?」ってビックリしてくれたり、すっごいウケてくれたりしたら。ちゃんと返してくれる人は一緒にいて楽しいんです。
もっとその人と話していたくなりますね。
なるでしょ? 他人と話していて、距離が縮まる瞬間って大体、共感してもらえたときだったり、共通の話題が見つかったときじゃないですか? それまでの期待値ゼロの世間話から気持ちが一段グッと上がるっていうのかな。だから、その話にちゃんと反応するっていうのは、“私はちゃんと共感してますよ”アピールでもあるんじゃないかと。
受け入れられてる感ありますもんね。
さっきのリアクションの話に戻るんですけど、反応するにしてもただただ笑うとか、ただただ「マジで!?」を連発するのも全然いいんだけど、一歩進んでそこにちょっとリアリティがあるといいですよね。
いきなり難易度アップした感じがしますけど?
情報や知識をちょっとだけ入れる? お客さんが何か話をして、それに反応するじゃないですか、そのときに「それって○○のことですか?」とか、「私も〇〇で見て気になってたんですよ」とか、その話題に関して自分が持っている知識や情報をちょっとだけ入れる? お客さんがキャバ嬢をいいなって思うときは、自分との共通点を見つけたときだと思うんで。お客さんが何か言ったとき、返せる程度の知識があると喜びますよね。
それって知ったかぶりと紙一重では?
知ったかぶりにならないような注意は必要かも? 知ったかぶりしたらそこで話が終わっちゃうから。でも違うんだよなあ、そこから話が広がっているようなやり取りってあるんですよ。何かいい具体例はないかな…。
アニメの話とかだったら?
全くアニメに興味なかったら、「今期のアニメ、何オススメですか?」とかですけど、もしもそのアニメを見たことがあったら、「第何話は私的に神回なんですよ」とか、ちょっと自分の見解入れたりした日には、そこから果てしなく盛り上がりますよね。ニッチな話題で盛り上がったら、お客さんに好かれたも同然だと思います。「なんで俺のこの趣味わかるの!」って好感度がうなぎのぼり♥
話題を広げるの、若干難しそうな気がしてきました(笑)。
だからこそ、どんな球を投げられても打ち返せるように、情報と知識は大事なんですよ。それは超浅い知識と超浅い情報でいいんで。とりあえず全く知らないよりはちょっと聞いたことあるレベルだったら打率は上がる。1ミリでも知っていたほうが、リアクションのリアリティも全然違うから。
そう言われるとできそうですねww
相手の心に入り込む入り口を見つけられなかったら、席に着いてからの10分、15分は無駄になっちゃう。売れるコは入り口が見つけられるけど、売れないコは入り口が見つけられない。なんでかって言ったら、ぶなんな返ししかできないからです。
知識と情報を、野の花先生はどこからどうやって吸収してるんですか?
特別なことはしていないけど、日々生きている中で常にアンテナを張るように心掛けてます。何でもとりあえずちょっとは興味を持つっていうか、文字があったら読むとか、ニュースやってたらつけておくとか、人の話を聞くとか。で、少しでも「?」と思ったことがあったらネットで調べるとか。今、情報はめっちゃ手軽に手に入る時代なんで活用しない手はないですよね。
結構調べます?
調べますね。私の場合は、分析したり考えたりするのが好きなんで。年明けくらいから北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験をちょいちょいやってるじゃないですか。そういうニュースを聞くと、じゃあ日本のどこにいたら一番安全なのかな? とか気になって調べたりするんですよ。万が一北朝鮮から核が撃ち込まれた場合、一番生存率が高い地域はどこだろうとか。統計上とか数字の問題なんですけど。
ちなみにどこが一番大丈夫そうでした?
調査した結果、北海道でした♥
ノープランは禁物。リサーチ力を養って客のニーズを探る
新規の席で会話のキッカケをつかむまでの流れで、売れるキャバ嬢、売れないキャバ嬢で差はありますか?
そのコのスタイルがあるから“つかみ”は難しいなあ。確立されたキャラがあるコは全く変えないで行くだろうし、逆にお客さんのニーズを瞬時にとらえて臨機応変に対応していくコもいるし。あえて何か仕掛ける場合もあるだろうし…。
フリースタイルなんですね。
ほんと色々だと思う。でも、指名取るコは、なんとなくで席に着いてはいないと思うな。意識して「こうやろう」とは思っていないだろうけど、何かは考えてる。逆に売れないコは、席に着けられるままに行きあたりばったりで接客しているかもしれない。
ちなみに野の花先生の場合は?
私の場合は、それこそもう着く前、そのお客さんを見た瞬間に、“どう入ろうかな”っていうのは決めてます。スッと入って背筋伸ばして、大人しくして話を聞く態勢に入るのか、それとも自分がぐいぐい行くのか。席に着くなり、「景気いいの?」っていきなり聞くとか。その人によってほんとに全然違う。
見た瞬間に“このキャラで行こう”みたいなのはわかるんですか?
今、そう言われてみて初めて考えたんだけど、実は結構リサーチはしているのかもしれない。そんなつもりはなくても何となく把握しているっていうか。
何となく把握???
ある程度馴れているコだったら、店の中を移動するときとかに多分、無意識のうちにフロア全体は見ていて、「あっ新しい人がいるな」とか、「あの卓、盛り上がってるな」とか、パッと頭に入っていると思うんですよ。それでお客さんの様子っていうのは何となくわかっていて、その上で「あの席着いてください」って言われたら改めて見るみたいな。
チラッと?
見ます見ます。“あの席”っていうのがわかった段階で、遠くからパッと見ます。そこで、お客さんがしゃべっている場の感じとか表情とかそういうのを見れば大体わかるじゃないですか。
感覚的なものですか?
そう。“なんかわかる”みたいな感覚じゃない? 女のコとどういう感じで接っしているのか、その女のコがどんなタイプのコなのか、ドリンクは何を飲んでいるか、ルックス、服装、姿勢…etc。馴れているコや売れているコは、そういう一瞬のチラ見だけでいろんな情報を瞬時につかんでいると思う。その上で私の場合は結構聞きますけどね。付け回しの黒服さんに、「どんな感じ~?」って聞いたり。「アツイの? 太いの? オーダー出てんの?」みたいな。そういうのは結構うるさい。
太いか細いかで対応変えるんですか?
そういうことでもなく、どういうお客さんなのか傾向をつかむためのリサーチのひとつ。別にドリンク出てないからと言ってその人が貧乏なわけではないので。フリーで入ったらドリンク出さないって人もいるだろうし、そこで何か変えるとかってわけじゃないです。
こんな感じで行こうって決めて席に着いて、失敗することもありますか?
全然あります。さっき言った、「景気いいの?」とかいきなり聞いちゃう感じで入ったら、「ハア?」みたいな雰囲気になっちゃったとか。「あ、しくったな」ってことももちろんあるんですよ。ただ、そういうときにいかに持ちこたえるかですよねww 「あ、この人こっちじゃダメだ」ってわかったら、そのときは他のキャラに速やかに変更します!
失敗した恥ずかしい、みたいにはならない?
ならない。そこはハートを強く持つ。「ヤベ、ちがった」と思ったら、ちがうキャラ試せばいい。それでダメなら次のキャラ。試行錯誤ですよww
トライアル&エラーってやつですね。
ですね。そこにも売れる・売れないの壁はある気がする。「しくった」ってときに、気まずいままぶなんにやり過ごしてタイムアウトしちゃうか、くじけずにいろんな方法試して、球を投げ続けられるか。そこは大きいかもしれないです♥
(野の花の教え♥本日のおさらい)
★共感する。そして共通点を探す。
★浅くていいから幅広い知識と情報。
★席に着く前にお客さんをリサーチ。
★キャラ設定に失敗したら次のキャラ。
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