今年11月にラウンジ嬢を引退した元『リリック東京六本木』のゆりおさん。 “気高く美しいゆりお様”はどんな心掛けから生まれたものだったのか、これまでゆりおさんがやってきたこと、やらないようにしていたこと、そのお仕事ノウハウをピックアップ!
取材時には引退する気持ちがあるとはつゆ知らず、まだまだキャリアは続くと思っていたその温度感のままにお届け! 六本木・最強ラウンジ嬢を貫いたゆりお様、現役最後のお言葉を胸に刻んでくださいませ♡
今日は「気高く美しいゆりお様でいるために」が大きいテーマです♡
何も考えてないですけどね。面白ければいいのでw ブランディングとか別にしてないですし。自分のなかで面白かったらなんでもいい(笑)。
“ブランディング”と言うと、細かいけど大事なものがこぼれ落ちてしまいそうなので、見た目、営業、SNS…そういったところで「やっていることやらないこと」という括りで拾っていけたらなと。
SNSは更新が億劫で(笑)。ストーリーの質問箱ぐらいしか更新できてないですけどね。TikTokもアカウントはあるんですけどイマイチやり方わからないまま放置…。
そういえば配信はやってないんですか?
ちゃんとやったことはないですし向いてなさそうではありますよね。言葉に気をつけなきゃいけないじゃないですか、瞬時に。文章だったらちょっと考えて配慮できるんですけど。いずれにしてもSNSでは自分をあまり出しすぎないようにしているので。ただ、面倒臭いだけっていうのもあるけど(笑)。
出しすぎないっていうのは?
プライベートとか自分の想いとか全般的に出しすぎない。そもそも皆さんに伝えたいことがそんなにないっていうのもあるんですけど、公開されている場所で余計なことは言わない。会った人だけ、しゃべったことがある人だけわかってくれればいいやっていうスタンスです。「こんなことがあってこうだった、ありえない!」みたいな感情とか、お客様の悪口とかは言わないです。
ちなみに炎上することってあります?
そんなにないですね。攻撃されることはありますけど。事実ではないことを書かれたときは、「違いますよ」ってその投稿やコメントに対して割と言いに言っちゃいます。スルーしたくないことはしないので。みんなそういうプロレスも楽しんでますよね。もちろん絡むとダルそうな人はスルーします。
SNSで叩かれて病む人も多いですけど、これまでのコラムでもゆりおさんはそうじゃないということは語っていて。改めて気にしないでいられるマインドは?
会ったことがある人の言うことしか聞かないからだと思います。リアルの知り合い以外の“意見”は雑音としか思ってないです。ネットの人は自我とか自分の理想を押し付けてくることがほとんどで。お金が貰えたり、お金を払ってるわけでもないのに。“アドバイス妖怪”の意見に対して思うのは「ふーん」程度。むしろ無。
会ったこともない、生い立ちも知らない人たちの意見を無料で聞くのはお客様にも失礼くらいに思ってます。そういう有象無象の意見はいちいち真に受けない。取り合わなければいいんですよ。
そういう人っていっぱいいますけど、知り合いだったらアドバイス妖怪の言うことにも耳を傾ける?
「説得力のある人に言われたら聞く」という基準はあります。たとえば仮にですけどヤマトリノちゃん(『ジャングル東京』、ゆりおさんのお友達)から、SNSについて何か言われたとしたら参考にします。彼女はフォロワー数が多いのでそこに説得力があるから。そういう感じ。
「出しすぎない」というところは初登場コラム(『私のことは会った人にしかわからない。秘密のラウンジ嬢ゆりお』)から変わらないですね。接客の場であんまり自分をさらけ出さないみたいな。
私生活とか見せないですね。聞かれたら答えますけど、そんなに聞いてくる人もいないですし。そんなに普段から自分の話はしないかもしれない。
面白がってもらえるほど個性が強いわけではないし、わざわざさらけ出すほどの何かがあるわけでもないし。知りすぎないほうがそのぶん勝手に想像してもらえるかなっていうのもありますけど、そもそもそこ求められているのか?みたいな。
お客様たちは私の話を聞くためにお金を払うわけではないじゃないですか。接待を盛り上げて欲しいとか自分の話を聞いて欲しいとか、お客様それぞれに店を利用する理由があるわけだから。そこをできる範囲で満たすことが自分の仕事かなと。であれば自分の話とかどうでもいいですよね。その前にもっとやることがあるみたいな感じですかね。
ファッション、メイク、 ヘアアレンジ…etc。見た目に関しては?
プロの手を借りる。やっぱり見た目を磨くには自分のこだわりより、その道のプロにどれだけゆだねられるかっていう部分が大きいと思ってます。
こだわりはその人の好みですけど、センスって突き詰めたら知識量だと思っていて。正解をたくさん知っているほど選択肢が増える。センスが良い人ってそれだけトライ&エラーの数が多かった人なんだなと思うんですよ。でも、各分野でそこを追求するには膨大な時間が必要だから、何が良いか何が似合うかはその道のプロにゆだねる。そこから自分の正解を蓄積していくほうが効率的かなっていう。
トライ&エラーをショートカット!
トータルの良し悪しを判断していく経験値は自分で積まなきゃいけないですけど、本当にセンスがある人たちをどれだけ見つけられるか、見た目を磨くって情報量にも左右されるなって思ってます。
見た目の話でいうと、“ナメられたいとき”っていうものもあって。そういうときはそれに合わせた格好をしたりっていうことはあります。ちょっと気安くされたいときとか。
ナメられたいとき、というと?
入口として「ナメられやすい見た目を作るときもある」くらいの話ですけどね。やっぱり親しみがないと懐に入り込めないってあるじゃないですか。一分の隙もなく高嶺の花みたいな佇まいでいると近寄り難いと感じる人もいるので。男ウケってナメだと思うんですよ。ナメとか隙とか。
あ〜なるほど!
全然そっち系の格好も好きなので、ナメられるためだけにそうしているわけでもないんですけど。「なんかこの見た目だとナメてくる男多いな」とかはあります。
ナメられやすい見た目とは例えばどんな?
やっぱり前髪があるとそうかも。それで茶髪とか明るい髪でかわいい系の服を着てるときはナメられますね。それが万人に当てはまるとは言わないけど、男ウケがナメなのは確実だと思ってます。男ウケはイコール「この子、イケるんじゃないか」なわけで、それナメてるやんっていう(笑)。
ちなみにナメられたくないときはこんな感じですか?
きっちりした服着てますね。タイトな服とかきっちりした感じ。でもナメられない見た目って範囲が広いから難しい。別にそこは意識してないですし。
高額を使って欲しい場面もありますよね? そういうときのお願いの仕方は?
ありますね。バースデーとか。そういうときはストレートにお願いします。ただ、お願いするのはそのときだけ。普段はお願いしないです。1年に1回のお願い♡
となると普段おりている高額シャンパンはもうデフォルトみたいな?
それは、私が使ってもらおうとかではなくて。お客様のお祝い事とかでおりるものだったりしますよね。もしくは飲みベが上がった結果。私のためにっていうものではないです。
単価を上げたいときこちらができることとしては?
いかに気持ちよく楽しんでもらえるか、そこをサポートする。要は自分の仕事をする。それだけです。
ゆりおさんは、界隈の有名太客様たちから愛されてそうですよね。
いや全然そんなことないです。いませんよ、そういう人は。でも有名なお客様は自分からはいかないですね。いきたくない(笑)。
なんでですか?
有名ってことは、いろんなお店に行っているし、私だけじゃないじゃないですか。それだけキャパもあるってことなんですけど、私は、私だけのお客様が好きなんです。飲み慣れていてもいなくても、この人は私のところだけに来てくれる人って思える人がいいんです。
有名太客様が来て席に着くことになったら?
それは全然普通にちゃんと。求められるであろうレベルの接客は自分なりにします。ただ、ガツガツはしないっていう。
「高いお酒をおろすのがあたり前」、そういう空気感を作るために必要な要素って何でしょうね?
そこはもう「使うのがあたり前」みたいな思想の方であれば自ずとじゃないでしょうか。使う体力や習慣がない方を変えていくよりかは、使い慣れている人に使ってもらうほうが楽ではありますよね。だからぶっちゃけ単価に関しては今いる環境にもよるのかなと。
ただ、環境どうこうはさておき、使ってもらおうと思ってした行動は相手にも伝わると思うんです。そこは自分が思っている以上に透けて見えている。なのでその次があるかどうかは分かれるのかなぁって思います。
となるとどういうスタンスでいればいいの?
求めない。見返りを求めて何かするんじゃなくて、ただ普通に仲良くしていたらいいんだと思います。普段から良い関係性であれば、何かあったときに「してあげたい」ってなるじゃないですか。でもそれも結果論。すべて結果論ですよね。そこは期待すべきポイントではない。
使ってもらえなかったことに対して怒ったりとか、してもらえなかったことで裏切られたと感じるとか、そこに対して文句を言ってる人って結構いますけど、それが一番無駄な時間だと思う。そこであーだこーだ思うくらいなら今まで使ってくださった方に感謝するほうが建設的だと思います。
使ってもらえなくて怒る場面というと?
たとえば、あのコにはこれくらい使ったのに、私にはこれしか使ってくれなかったとか。そういう話は聞きますよね。これまで、そういうパターンを経ての潰し合いとかいっぱい見てきたから。親友同士だったのに、その太客が欲しいがためにその友達の暴露したりとか。そういうお客様の取り合いみたいな。でも、そこでお客様を奪い取っても結局すぐ切れてる。
と考えたら結局誰も得しない?
中長期的に見たらそうですよね。小銭のためにお友達も失ってるしお客様も失ってる。損失しかない。
お金を使ってもらうにはそれに値する“価値”を高めなきゃいけないって聞きますけど“価値付け”というところでゆりおさんがしていることは?
見た目や接客力を磨く努力をするのは当然のこととして、それがイコール自分の価値ではないというか。価値を付けてくれるのはお客様。自分に価値を感じるかどうかっていうのもあくまでもお客様側の範疇の話になってくるので…。そこも踏まえて“価値付け”について考えると、自分主導でどうにかできることはそんなにはないかも。
価値を高めるっていう考え方よりは、今与えてもらっている価値を落とさない、そこですかね。そこで何ができるか考えるほうが重要かなって思います。
ゆりお様、現役最後のお言葉いかがだったでしょうか。“有象無象の意見”や“アドバイス妖怪”などなど毒とおかしみのあるゆりお節はやっぱり最高!! ゆりおさん、ざっと7年間の六本木人生おつかれさまでした♡ (取材・文/ささきみどり)
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