上を目指すキャバ嬢であればバースデーイベントは大きな夢。とはいえ、イベント成功までの道のりは山あり谷あり病みありとなかなか大変…。六本木『ベネ東京』のえりなさんの場合は、シャンパンタワーをドタキャンされるという“絶望”を経験!! 紆余曲折ありつつイベントを成功させたえりなさんの初バースデーをリポートします♪
―キャバ嬢として初めてのバースデーイベントが開催されましたね。
はい。ちょっと前なんですけどね。7月17日、18日の2日間イベントを打たせて頂きました。私も初なんですけど、六本木ベネ自体もバースデーイベントは初なんですよ。
―お店自体もバースデーイベントは初だったんですか!?
周年とかハロウィンとかそういうイベントはもちろんあるんですけど、バースデーは初なので私もスタッフも手探りみたいな。試行錯誤すぎてww 六本木ってあんまりバースデーイベントを打たない文化らしくて。大体バースデー月として1カ月間通してお祝いしてもらうのが一般的みたいです。私も去年はそうでした。
―今回イベントを打とうと思ったのはどうしてだったんですか?
やっぱりキャバ嬢をやってる以上一度はバースデーイベントやってみたいじゃないですか。コロナのご時世でもあるし、あまり良いタイミングじゃないことは重々承知していたんですけど、入店2年目には絶対にバースデーを打ちたいと思ってやってきたし、六本木ベネで初めてバースデーを打つのは自分でありたいっていう野望を持って頑張ってきた部分もすごくあったので。お店とも話し合って「やろう!」っていうことになりました。 今年を逃したくなかったっていう自分の希望が一番大きいですね。
―イベントのお花や内装でひまわりが印象的でした。キャバ嬢のバースデーでひまわりのチョイスってめずらしいですよね?
そうみたいです。お花屋さんにもひまわりの注文は初めてだって言われました。ひまわりを集めるのだいぶ大変だったみたいです。でも私の一番好きな花なので「ぜひに!」ってお願いしました。ちなみに内装のイメージはディズニーです。ひまわりのカラーが勝っているのでパッと見わかりにくいんですけど、バルーンの雰囲気とかパネルやポスターの書体とか、実はディズニーに寄せてるんですよ(笑)。
―準備期間どのくらいかけました?
大体1カ月前くらいからバースデー用の撮影をしたり、お花や店内装飾をどうしようか相談したり…。オリシャンも3種類50本作ったんですけど、その手配をしたりしてました。ノベルティを作るのが楽しかったですね。定番のライターを作ろうかとも思ったんですけど、タバコを吸わない方もいますし、お家に持って帰るのもどうなのかなと思ってオリジナルのミンティアを作りました♥
―えりなさんのシールを貼って?
そうそう。ドンキでミンティアを300個くらい買いだめして、ラベルを発注して…。夕方5時とかに出勤してはラベルを貼ってラッピングして。こそこそと内職してましたwww
―どんなドレスを着たんですか?
バースデーではふんわりしたドレスが着たくて、1日目はウェディングドレスっぽい白のドレスで、2日目はディオールの黒のロングドレスを着ました♥
―元ウェディングドレスコーディネーターのキャリアが役立ったところもありましたか?
自分に合うドレスのシルエット、顔が映える色、胸周りのビジューのデザインとか、そういったことは探す段階から意識して見ていましたね。
―すべて順調に進みました?
準備を始める前は、バースデーの華やかな部分だけが頭にあったんですけど、やってみると大変でしたね。店も私も初心者すぎて上手く段取れなかったっていうのもあるし、思っていた以上にプレッシャーがすごかったです。それでバースデー前に2回、過敏性腸炎になっちゃいました。
―過敏性腸炎…大変でしたね。しかも2回も!
その影響で亜鉛欠乏症になっちゃってww 亜鉛が欠乏すると味覚異常を起こすらしいんですよ。そうとは知らず、大好きなカフェラテが美味しく感じなくなって、何を食べても苦く感じて…。「そういえば、コロナにかかると味がわからなくなることもあるって聞いたな…。もしかして私、コロナなんじゃないか!?」そう思って即病院へも行きました。結果的に新型コロナは陰性で亜鉛欠乏症だっていうことがわかったんですけど、万が一ってこともあるじゃないですか。それで、バースデー直前も含めてPCR検査を2回受けました。
―なんかいろいろあったんですね…。
そして、最後の最後でいきなりの大どんでん返しですよ。2日連続でシャンパンタワーをやる予定が、超直前で大きいタワーが1基ドタキャンになっちゃって……事件!!
―えっ!! そんなことあるんですか?
あるんですねぇ…。このときは衝撃すぎて地の底まで落ちました。どん底…。もう病みすぎて誰とも口をききたくなくなりました…。バースデーの理想と現実を知りました(笑)。
―地獄…。どうやって立て直したんですか?
ドタキャンが超直前すぎて、タワー自体をどうにかするっていうことはできなかったんですけど…。でも、気持ち的にどん底まで落ちたあと吹っ切れました。店のスタッフもこの日のために準備を進めてくれていて、キャストの女の子たちもイベントのために自分の時間を使ってくれている。何より、私をお祝いしてくれるためにわざわざ来てくれるお客様がいる。周りで支えてくれている大勢の人たちのことを考えたら落ち込んでる場合じゃないなって。せっかくこの日のために集まってくれる人たちがいるんだから、ハッピーな気持ちを届けなきゃと思って、気合いで180度切り替えました♪
―タワーのドタキャン。本当にあった怖い話って感じですね…。
タワーが1基ポシャったことは自分的には大打撃ですけど、他のお客様からしたら知らない話だしどうでもいいことじゃないですか。せっかくバースデーに来たのに主役がどんよりしていたら意味わかんないですよね。もうこれは人生のネタだと思って、イベントをハッピーに楽しもうって切り替えました♥
―いろいろありましたが、イベント自体は上手くいきました?
はい!それはもう♪ 直前までしっちゃかめっちゃかでしたけど、当日となると嬉しいことばっかりでしたね。こういうご時世にも関わらずお客さんも予想以上にいっぱい来てくれてお祝いしてくれて、店のスタッフも女のコたちもみんな一生懸命手伝ってくれて全部が嬉しくて嬉しくて…泣きました。キャバ嬢になってよかったし、この店で働いていてよかったなあってしみじみ思いました。いろいろあったけどやってよかった。
―結果的にハッピーなバースデーを迎えられたみたいで何よりです。
後祝いで改めてお誕生日を祝ってくださる方もたくさんいらっしゃって、後々までハッピーが続きました。特にイベント終了後ってもうプレッシャーからも解放されているので、ひたすら喜びにひたれましたね♥
―初バースデーの経験から、次に活かしたい反省点とかありました?
全部ですね。やっぱり自分もお店も初イベントだったので慣れていない部分がめちゃくちゃ多かったし、リサーチも足りなかったなって思います。今思えば事前に確認すべきことがたくさんあったのでそこは本当に勉強になりました。後悔はないですけどね。キャバ嬢として越えるべき山をひとつ越えた感じです。キャバ嬢は鋼のメンタルになるっていうけど本当ですね。メンタル鍛えられました!
―来年もまたやりたいですか?
それ言われると、トラウマがまだ生々しいので来年のことはまだ考えられないですwww でも、やれるとしたら今年の改善点を活かしてもっと盛大に、もっと楽しんでもらえるように。みんなの記憶に残るようなイベントにしたいなとは思います。この仕事を辞めたあとにも「そういやあんなコいたな~」って思い出してもらえるような。そういう祭りにしたい気持ちはあります♥
―そういえば10月でキャバ歴も丸2年ですが、趣味の貯金は順調ですか?
はい、順調ですww 思ってた以上に貯めてます(笑)。そもそもこの世界に入ったときは、店のナンバー1になれるなんて思ってもいなかったので。逆に今の自分が順調すぎますね(笑)。
―入店2カ月でナンバー1になって、それからずっとキープ?
おかげさまで♥ ナンバー1になるとどんどん欲が出てくるんですよね。六本木ベネで史上最短でナンバー1になって以来、「記録と記憶に残るキャバ嬢でいたい」っていう思いが芽生えたんですよ。「売上・指名・同伴」で初三冠とか、初シャンパンタワーとか、“ベネ初”っていうものにこだわってやっています。
―では最後に今後の抱負を一言お願いします。
抱負があるとすればやっぱり「みんなの記憶に残るキャバ嬢になりたい」ですね。お客さんとか店のスタッフとかに、辞めたあととかも覚えていてほしいんです。「あんなやつもいたな~」って。「えりなっていたじゃん」「え?誰だっけ」ってなるのは悲しいので。いつまでも覚えていてもらえるように記録を残して記憶に刻まれたいんですよ。“ベネ初”にこだわりながら仕事をしてきて、そろそろ“初”がなくなってきましたけど、どうにか次の何か見つけて達成していきたいですね♥
初バースデーを経てひと回り大きく成長したえりなさん。次に狙う“初◯◯”は何なのか気になりますね。 今後もえりなさんの活躍を追い続けたいと思います♪
編集部注:このコラムは2020年10月に収録されたものです。その後11月上旬、えりなさんは「ベネ東京」の卒業とホステスの引退を発表されました(詳細はえりなさんのInstagram投稿へ)
有名キャバ嬢紹介
元『ベネ東京 六本木』えりな “電撃引退”の一部始終! 私がキャバ嬢をやめたワケ♥️
元『ベネ東京 六本木』えりな “電撃引退”の一部始終! 私がキャバ嬢をやめたワケ♥️