21歳でキャバ嬢を始めたとき以来同じお店で上位をキープし続けている、歌舞伎町『キングダムクイーン』の一ノ瀬れなさん。その安定感の秘密は何なのか。ずっと人気者でいられる働き方をれなさんのお仕事方針から探ります♪
―以前ナンバーを聞いたときは毎月トップ3には入っていると言っていましたが、今も引き続き?
変わらないですね。1〜2位を行ったり来たりしながら、たま〜に3位のこともあるっていう感じです。キンクイって2カ月に1回看板が変わるので、毎月のナンバーがどうかっていうことよりも看板の並びがどうなるかっていうところで判断みたいな。2カ月間の売上順に上位7名までが看板になるので。
―写真も撮り直すんですか?
撮り直してます。でも、看板はもういいかなあとも思ってるんですけどね。仕事は変わらず頑張りますけどそろそろナンバーは上がろうかなって。と思ってお願いしてみたんですけど「それはちょっとまだダメ」って言われました(笑)。
―看板はもう十分?
昔は看板の真ん中になりたくて、それがステータスだったんですけど。もうそれは十分味わったかな。それより、新しいコが看板になっていったほうが人も育つし、若手が育つほうが店としても安心じゃないですか。まだ、辞めないですけどいずれはやめていく側の人間なので、これから伸びていくコたちに席をゆずったほうが若いコたちのモチベーションも上がるかなって。
―看板から姿を消したら「あれ、辞めたのかな?」って思われそうじゃないですか?
そういうのも気にして頑張って載ってなきゃと思ってたんですけど、もう大丈夫でしょう7年目だしw 看板から姿を消しても大丈夫じゃないですかね。店にはいるわけだし。
―れなさんは火〜金までの週4出勤ですよね。それは変わらず?
変わらず。4、5年このペースですね。3連休のうち1〜2日間はお客さんのために使う日なので、ある意味仕事なんですけど。普段あんまり席に着けなかったりするし、アフターも「忙しいだろうからいいよ」っていうお客さんが多いから、時間のあるときごはんに付き合ったりしています。
―店以外でお客さんに会うのダルいとかないですか?
休みの日に会うのは長い付き合いのお客さんだけですよ。いつも良くしてもらっているから、ごはんに誘われたら快く「いいよ♪」って感じです。そういうときならもう出勤関係ないから、日本酒飲もうよ、ワイン飲もうよみたいな。それでお酒飲んでご飯食べてバイバイみたいな。気兼ねなく飲んで食べてます。時間も19時にスタートして22時には解散するほどよい感じで。
―普段の席ってどのくらいかぶるんですか?
普段は2、3卓かぶりくらいで、忙しいなって思うときは5、6卓かな。
―ずっと売れ続ける秘訣ってなんでしょう。意識していることはありますか?
スレないことですかね。仕事に対する意識の根本の部分? 性格とか中身とか「変わったよね」って言われないようにしていたい。キャバ嬢が何で変わるかっていったらまずお金。お金を稼げるようになって、何でも好きな物を買えるようになってくると、“金額”に対しての感覚が狂ってくるっていうか。価値がおかしくなっていきやすいんですよ。特にそこはスレたくない。
―金銭感覚ってこと?
お金の使い方に関しては贅沢しようが倹約しようがそこは別に自由。そこじゃなくて“使ってもらっている金額”に対しての感覚。そこがスレてくると「○万円だから安い」「○万円しか使ってくれない」、そういう発想に誰しもなりがちな気がします。でも、始めたばかりの頃って数万円のお会計でも喜んでいたはずなんですよ。お客さんを掴み始めた頃ってお客さんが出来たことが嬉しいから、どんなに小さいお会計でも「ありがとう」って思っていたはず。それが時間がたって使ってもらうことが当たり前になってくると、ありがとうどころか「使えねえな」みたいなことを思い始める。女のコの会話でもそういう言葉をよく聞いたりするけど、ありがとうって思う気持ちは忘れないようにしています。
―お店をやめようかなって考えた時期とかありますか?
ありましたよ。若い頃はもっと他が見てみたいと思ったし、方針が合わなくて移籍を考えたこともありました。でも、ここを辞めてまた一から時間をかけて同じような信頼関係を築いていけるかなって考えると、今より上手くいくと思えなくて。やっぱり、黒服さんたちとあうんの呼吸で仕事ができる関係性になっていると働きやすいですよね。そうじゃないと出せる売上も出せない気がします。
―信頼関係はどう築いていったんですか?
積み重ね? 店の人とぶつかったときには、言いたいこと言って終わりじゃなく、次の日もう一回話し合ってわだかまりをなくすとか。あと、店の方針と自分のやり方が合わなかったときはとことん話し合いました。ここ数年は怒ることも揉めることもないですけど。ぶつかり合ったり話し合ったりする中で信頼関係が出来ていった部分ありますよね。
―思うところがあったら溜めずに話し合う?
そうですね。ただ、要望を伝える前にまず自分がちゃんとするってところは大前提だと思います。信用されたかったら、信用される行動をまずとる。勤怠をよくする、お客さんを呼んで売上を作る。最低限やることをやって、その上で仕事のやり方で上手くいかない部分があったら率直に話し合う。
―付き合いの長いお客さんが多いれなさんですけど、新規のお客さんを増やす努力も?
お客さんの事情で来店頻度が減ることもあるので新規は大事。指名のお客さんが来る前にちょこっととかでもフリーには着きます。とは言えそんなにフリーバック率は高くないですけどね。周りの友達は90%なんですけど、私は場内もらって50%。悪くもないけど高くはない。
―意外ですね。
好みもありますからねww ただ、絶対また指名してほしいみたいな気合いはないかも。いつも通りの自分に近い姿を見せていると思います。あんまり期待を大きくしないでほしいので(笑)。
―そのぶん指名になったらずっと切れない。
そうですね。切れることないですね。お客さんと喧嘩することもないですし。喧嘩すると、次わざとフリーで来て違う子を指名したりする意地悪ってキャバクラではよくあるんですけど、そういう揉め事になったこともないですね。大概のことは冗談で全部流しちゃう。平和主義なんです(笑)。
―以前の取材でも「嫌な人がいてもその人の中の良いとこ探す」って言ってましたもんね。
嫌なとこ見てても嫌なとこが大きくなるだけじゃないですか。だったら良いとこ見つけてそこに注目しているほうがいいかなって。自分にも余裕が生まれるし。でも、言われて我慢ならないことは伝えますよ。「そういうこと言われるのは傷つくなあ」とか、柔らかい言い方で。
―キャバクラを始めたときから変わらないスタンスってどんなことですか?
アフターに誘われたら行くことですね。これは売れるようになってからもずっと変わらず。もちろん付き合いがそれなりに長くて信頼関係のあるお客さんですけど。
―売れたら行かなくなる人もいるし、ブランディングとして行かない人もいますよね。
私の場合、全然売れてない頃から付き合いでアフターへは行っていて、そこで楽しんでもらえて新たな指名につながったり、売上が上がっていったので、「あっ売れたらアフター行かないんだ」ってなるのは何か違うと思って。これだけ良くしてもらっているっていうありがたさもあるから、少々キツくても誘われたら行きますね。飲みの場が好きっていうのもあるし♥ アフターに行くか行かないかはその人の価値観だから、良い悪いじゃないですけど、私の中では売れてることは行かないことの理由にはならないんですよ。アフターも仕事の一環だと思っているから。早く帰りたいですけどねww
―売れてもスタンスを変えないってできるようでできないかも。
できなくなるときもたまにありますよ。でも、いつも同じスタンスでやっているからこそ逆に気付きますよね。「あ、雑にしてしまったな。良くないな」って。全然席に着けなくて、でもアフターフォローもしなかったなとか。そういうときは「申し訳ないことしてしまった」って気付いて何かしらフォローしたり、気を引き締め直したりします。
―れなさん病んだりしなそうですけど、メンタルもずっと安定?
病まないです♥ たぶん、人や物事にあんまり期待してないからじゃないかな。
―期待しない生き方!
こうだったらいい、こうしてほしいって期待があると、そうじゃないときにストレスがかかったり、落ち込んだりしそうじゃないですか? 期待値が高いと「こんだけやってるのに」とか見返り求めちゃうじゃないですか。期待値が低いと別に落ち込むこともないですからね。されて困ることや要望があったら普通に言えばいいし。
―どのくらいの期待値で生きてるの?
何かされても言われても、「あぁ、そうなんだ」くらい。流せるくらいです。
―約束ドタキャンされたりしたら?
「あぁ、そうなんだ。もうちょっと早く言ってほしかったなあ」みたいな感じです。前に同業の友達とランチの約束をしていて、時間になっても姿を現さなかったことがあって。そのときはその店でひとりでランチ食べて帰りました。「予約もしてるしせっかくだからご飯食べて帰ろう♪」みたいな感じで。
―え、寛容!! 腹立たないですか?
連絡も取れないからこれはきっと寝てるのかもなって。同業なんであり得ることじゃないですか。そこはもう気持ちを切り替えて。楽しめることしようみたいな。
―「何でも許してくれるんだ」ってナメられませんか?
基本何でもいいんですけど「これはダメだよ」とか「これはできないよ」っていうことはハッキリ言います。自分の中の基準に照らし合わせてみてできないことには「NO」。結構そこは厳しいです。それでも領域を侵してこようとする人は私の嫌いリストに入ります。でも、それ以外のことは大体OK♪
―仕事にしても何にしても「基準」あってそこからブレないんですね。
そうかも。軸みたいなものがあって、そこに関しては頑固なんですけど、そこがブレなければ別になんでもOKなので。「自分はこういう人間だな」と思っていることと違うことをするのは嫌なんですけど、そこさえ守れていたらあとは別になんでもいい。限界だけ決めておくと人生結構ハッピーかもww
―だからいつも楽しそうなんですか?
かもしれない♥ 大体いつも楽しいなあとは思ってますけど、さらにそれを口に出すと気分も上がるから「楽しいねえ♪」って言いながら生きてます。「楽しくねえよ!」って言われても「楽しいねえ♥」って言ってます。口に出して言ってると楽しくなるのでこれオススメです♪
「こうありたい」という自分の軸を持つことがれなさんの安定感のカギ。軸がしっかりしていれば働き方もブレないですし、大らかな気持ちでもいられそうですよね♥
有名キャバ嬢紹介
一ノ瀬れなの良い日旅立ち♥7年間私には 『キングダムクイーン』しかなかった
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