一條りおなが持っているものはキャリアの長さと若干の知名度。若さや色恋は提供できない♥
当初からメゾンドボーテモデルとして登場しており、小悪魔agehaをはじめ、雑誌やモデルで活躍中。昨年発売された超人気ゲーム『龍が如く6』にはキャバ嬢役として登場するなど、大阪キャバ嬢のパイオニア的存在の一條りおなさんの特集記事です。
美容部員をしていた19歳の頃にキャバでバイトを初めて、夜一本になったのは22歳の頃。途中で美容部員からアパレルに転職しつつずっと昼夜兼業だった。
最初に働いたお店はZOOとは比べものにならないくらいちっちゃいとこで、友達しか働いていないようなお店。友達に「楽だよ!」と誘われて入ったんだけど、そのときはほんとにもうヤル気のないダメキャバ嬢で遊びに行ってる感覚だった(笑)。
ドレスに着替えてタイムカードを押したらまずコンビニ。ごはんを買って待機の部屋で食べて雑誌読んでおしゃべりして…。ボーイさんに呼ばれたら、「え~~~、それ私じゃなきゃあかんの?」みたいな。極力接客をしたくなくて、何もせずに帰ることが毎日の目標だった(笑)。そこで何かを成し得たいとか、そういう向上心はこれっぽっちもなくて、「最低限の時給だけください」みたいな。お店からしたら真面目に仕事しろよって話なんだけど、あの待機の時間は楽しかったな。今でもそのときのメンバーとは仲良しでたまにみんなで会ったりしてる。
このお店がなくなるタイミングで移ったのがミナミの『CLUB ZOO』。その頃には昼職のほうも美容部員からアパレルに転職してた。
夜の仕事にやりがいを感じるようになってきたのは、ZOOに入店して、“売れる楽しさ”を知ってから。案内所やサイトに顔出しをすると、お客さんも増えると知ってからは、少しずつ顔出しもするようになって、そうこうするうちアパレルのほうに夜のバイトがバレちゃったんだよね。ダブルワークは禁止じゃないけど水商売はNGだったから、どっちかやめなきゃいけなくなった。ちょうど新店の店長に抜擢されたタイミングだったからずいぶん悩んだけど、そのときはもう夜をやめるという選択肢は自分の中になくて、それを機に夜一本になった。
水商売歴もだいぶ長いけど、ずっとお酒は飲まずにやってきてる。飲まないというか飲めないんだよね。乾杯のグラスに口はつけるけど飲み干すのは無理。飲んだら大変なことになっちゃう(泣)。
お酒を飲まないから二日酔いとは無縁だし、顔がむくんでパンパンになる心配もないけど、飲めたらいいなって思うことも多々ある。売り上げを考えたら飲めるほうが圧倒的に有利だし、飲んでるほうが時間が経つのも早く感じると思う。そろそろ閉店かなと思って、パッと時計を見たとき「えっ、まだこんな時間!?」ってことが私はちょいちょいあるけど、お酒を飲むコに言わせると楽しく飲んでるときはあっという間に時間が過ぎるらしい(笑)。
自分がシラフだと、相手が酔っ払っているんだってこともつい忘れがちになる。今だったら、「酔っ払って口が悪くなってるんだな」って受け流せることでも、昔はいちいち真に受けてた。相手もシラフで話しているような感覚になって、「この人、なんでそんなこと言うんだろう」ってイラッとしちゃったり。
飲まないから「酔ってて覚えてない」が通用しないけど、逆を返せばしゃべった内容を誰よりもしっかり覚えていることはできる。頭の中がクリアなぶん常に空気が読める状態でいられる。そういう“飲まないからこそできること”は大事にしたい。人より気を遣うとか、会話もおろそかにしないとか。この人は何を求めているのか瞬時に判断して、話を聞いて欲しい系の人だったら聞くし、私の話を聞きたい系の人だったらいっぱいしゃべる。ワイワイ系の席だったらシラフで酔っ払いの人のテンションに合わせる。これはちょっと特技かも。「えっ酔ってる?」ってよく言われるくらい(笑)。
私の場合、「店に行ったらおるやろ」っていう安心感がウリの“毎日いますよ営業”だから、撮影以外でお店を休むことってまずない。出勤は普段は週5でイベントがあったら週6っていうのがいつものペース。いつもいるイメージが定着しているから、連絡ナシでお店にくる人の割合のほうが多くて、大体7割くらいは突然くるパターンかな。
毎日出勤生活はずっと変わってないけど、お客さんとの関係の築き方は年々変わってきてるかもしれない。特に、20代後半に入ってからは、「お客さんのメリットになることを私はちゃんと提供できているかな?」そんなことを意識するようになってきた。広い意味で人間関係は損得だと私は思ってる。“得”っていうのはお金や物や情報だけじゃなく、楽しいとか嬉しいとかの感情も含めて、その人にとってプラスになるもの。指名され続けるためには、何かプラスになることがなきゃいけないって思う。
つき合いが長いお客さんになると、指名だけ入れて別に席に着かなくてもいいケースって増える。「かわいいコ、紹介してよ」みたいな感じでダブル指名を入れてくれて、接客するのはもうひとりの指名のコで、私は席に着いても着かなくてもいいみたいな。それで結果的に指名替えされちゃったこともあったけど、それって全部自分の責任。ダブル指名を入れてまで私とつながっているメリットがなくなったから、ってことなんだと思う。そういうことがあってなおさら、「私を指名するメリットが何かないとあかんのや」って思うようになった。
キャバクラだから若くてかわいいコならいっぱいいる。その中でわざわざ私を指名するメリットって何だろうなって考える。私が提供できるのは若さではないし、色恋でもない。あるのはキャリアの長さと若干の知名度。そこを自分の強みとして、私を指名することでお客さんがステータスを感じられるような演出も大事にしてる。
些細な積み重ねだから説明が難しいけど、たとえば指名のお客さんがお連れさんと一緒に来店されたら、「○○さんが来るっていうから、すぐに入れるようにしておいたよ」と一言添えるとか…。実際に席を用意しておいたかどうかよりも、その一言を添えることでVIP感が演出できる。そのお客さんがお連れさんに対してちょっと鼻を高くできる、そんなひと工夫だったりする♥
お客さんに合わせて、「この人にはこうしてほしい」ってお店のほうに要望を伝えて環境作りもしてる。複数でくるお客さんだったら、今日はどんな会なのかを聞いて接待なら接待らしく、打ち上げ的に盛り上げたいならそれに合うように、女のコの顔ぶれを考えてお店のほうに伝えたり。私にまかせておけば気持ちよく飲める、そういう実績を積み重ねることも自分のブランディングのひとつ。そうしていくことで、初回はお連れさんで来店した人が次は別な人たちと一緒に来て、私を呼んで卓をまかせてくれるっていうパターンも増えていて、連絡先は知らないけど、店に来れば指名してくれるお客さんも結構多い。
ここ数年は店の女のコのこともよく考えてる。このお客さんとこのコは気が合いそうだなとか。このコは磨けばもっと伸びそうだなとか。昔、先輩キャストのお姉さんたちがたくさんいた頃、先輩たちが自分の席に呼んでくれたり、お客さんを紹介してくれたりしたから、今度は逆の立場で若手のコたちを引き立てていかなきゃなって思う。
私が若手の頃、いつもナンバー上位にいるような“上の人たち”は、めっちゃキレイでキラキラしていて、服も持ち物もおしゃれで、いつか自分もそうなりたいって憧れてた。追いつきたいし追い越したくて、いつか絶対あの場所に行くんだって競争心を燃やしてた。今の私があるのはそういう夢を見させてくれた上の人たちの存在がすごく大きい。
自分がZOOの“上の人たち”になった今、私は若手のコたちにちゃんと夢を見させているのかな? そんなこともよく考える。がんばればこんなふうになれるし、こんなこともできるんだよって。魅力のある世界がちゃんと見えるように、夜は夜でキッチリやって結果を出しながら、それ以外のことにもどんどん挑戦していきたい。“夜をやっていたからこそできること”その可能性を少しでも広げられるように♥
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