売れっ子キャバ嬢/ホストの一つの目印ともなる、豪華なシャンパンタワー。その発祥はモエ・エ・シャンドン社など諸説あれど、多くの人が思い浮かべるようなホストクラブなどで行われるようになってからも20年は経つとされる、意外や由緒ある文化です。
その最初期からタワーやフラワースタンドを製作し、自社も置く歌舞伎町をきらびやかに彩ってきたのが、有名キャバ嬢・ホストの指名率ナンバー1!なイベント演出会社「ゴッサム(GOTHAM)」さん。写真映えすぎるタワーの数々がSNSでバズり続け、近年はTVで特集されたりも。シャンパンタワーが夜の世界だけじゃなく広く注目を集めるきっかけを作った、異端で偉大な集団なんです!
ここ最近もバカラの高級グラスを使用した「バカラタワー」でSNSを賑わせていたゴッサムさん。このコロナにも不況にも負けず今日も夜の世界を盛り上げているらしい、その近況が気になる! ということで、広報部に所属するベテラン社員・長根さんと若手女性社員・金子さんにお会いしてきました♪
ー長根さんは社歴11年だそうですね。改めて、どういう経緯でこの会社に?
長根:入社する前は、車の製造工場で働いてたんですよ。それがたまたま…当時キャバクラとかによく出入りしていた縁で(笑)こんな仕事があるんだって知って、興味を持ったのがきっかけでした。気付いたらこんな経ってましたね。
ー当時から広報という部署で?
長根:はい。広報という言い方をしていますが、要は営業ですね。お客さんの窓口というか。
ーメディアに登場するのも大体長根さんですよね。
長根:出たくないんですけどね(笑)。出たい人が他にいれば全然出てもらいます。以前テレビのお話があったときなんかは僕が出たくなかったので(笑)、現場で頑張っている人が出たほうがいいということで出てもらいました。
ー金子さんは?
金子:普通に求人サイトで募集を見つけて。職種として営業は営業なんですけど、ちょっと変わってる仕事だなって興味が湧いて(笑)。朝が苦手なので夜遅い仕事なのがいいなあとか、条件もすごく良かったんです。
ーそうか、顧客が夜のお店中心だから。
長根:打ち合わせとかもお店の営業時間帯になったりするので、一般的な世の基準とはやはり少しずれてますね。
金子:出社は14時で、終わるのは大体22~23時です。
ー長根さんは多少馴染みがあったとして(笑)、金子さんにとって歌舞伎町や夜の街は新鮮な世界でしたか?
金子:普段からインスタで有名なキャバ嬢さんをモデルさんとかよりもかわいいと思って見てたんですよ。なので、わりとすっと入り込めました。
ーかわいい方が本当に多いので、キャバ嬢さんをSNSでチェックしている女の子って今たくさんいますよね♪ ちなみに、目が肥えていらっしゃるお二人が今「推し」のキャバ嬢さんやホストさんっていますか?
金子:私は、オーバーチュアの天乃えまさん!メゾンドボーテの人気記事ランキングでも2位に入ってましたよね(取材当日)。とってもかわいいですし、入店されてまだ一年ちょっとだと思うんですけど、もう看板嬢なのがすごいです。ホストさんだと、APiTSの風早涼太さんですかね。これはもう本当にただ個人的にかっこいいって思ってる感じでアレなんですけど…(笑)。
長根:世の皆さんはそういうリアルな意見こそ聞きたいんじゃない(笑)? 僕は、今以上にもっと売れそうだと思っているのがrevjuのことみさんと、六本木ベネ東京のえりなさんですかね※。これも本当に個人的な意見ですけど(笑)!
※この取材の後にお店とホステスを惜しまれつつご卒業…!
ー皆さんメゾンドボーテの専属モデルさんです♪ 長根さん推しのお二人はどちらかというとかわいい系のルックスの方たちですね。
長根:たしかに、「ぽい」感じではないですね。その方向で言うと、天使かれんさんとかもそうかもです。僕はホストさんだとLIPSの隼人さんがイケメンで、すでに売れてますけどもっと売れそうな気がしますね。あとLuminousのJOEさんもすごいイケメンですよ。もっともっと売れると思います!
そう考えると、「この方、伸びるだろうな」と思ってたら一年後とかに有名になってたりすることってよくあって。こうして後から振り返ってみるのは楽しいですね。
ー長根さんは先見の明がありますね!
長根:いやいや…。でも、売れてる方って共通する何かがある気がしますね。それが何かと言われてもまったく言葉にできないんですけど(笑)。
ーそこが知りたいですね(笑)。これまでに売れるなと思って当たった方は?
長根:うーん。今売れてる方々はみんなそうなんじゃないかって思っちゃうくらい、よくあります(笑)。
ーでもそれはゴッサムさんの影響もありそうですね。
長根:いや~うちにそんな影響力ないですよ(笑)。でも、少しでも力になれたらと思ってやってはいますね。タワーやスタンドを投稿いただけた時は極力広まるようにゴッサムでもリポストをするようにしていたり。うちもこれまでキャバ嬢さんやホストさんたちに広めてもらってきたわけなので、そこはお返ししていきたいなって。
ー最近人気のタワーやスタンド、アートフラワーは?
長根:アートフラワーだと文字型とかハート型とか、それらを組み合わせたりとかしたものが多いですね。星形とかひし形とかバリエーションはありますが、やっぱり落ち着くのはそのあたり。あとはポスターや宣材写真を入れ込んだパネル型のスタンド。色は赤かピンクが安定してますけど、まあ赤ですかね。写真の時に、可愛くも品良くも撮れるので。
そういうのが最近は多いですけど、とりわけ人気なのはキャラクターものですね! インスタで「保存」されてる件数を見てみると、圧倒的なんですよ。どんなに凝ってて変わった形をしたタワーよりも、キャラクターが強いです。中でも一番はプーさんですね。
金子:ディズニー以外だとサンリオ、ポケモンとかも人気ですね。
長根:でも、同じプーさんモチーフのタワーでも、バルーンとかグラスとか同じ素材を使っていても、業者さんや職人によって仕上がりのクオリティや見栄えって全然違うんですよね。もちろんゴッサムの中でも、何人かのスタッフで「せーの」で同じ素材で同じモチーフのものを作っても同じものはできないんです。
ー独自のオリジナリティーという点で言えば、葉月芽生さんのバカラのタワーが最近話題でしたね。費用が380万円とも見かけましたが…!
長根:あの企画は、僕らもどうしていままで思い浮かばなかったんだ、と(笑)。バカラさんにご協力いただいてあれだけの数のグラスを集めていただいたんですけど、グラスもレンタルじゃなく購入していて。380万円は単純にその購入金額ですね。全体の費用総額としてはもっとです。
ーすごいですね!ゴッサムさん発のアイデアだったんですか?
長根:はい。もともとうちでそういうリリース計画があって、今年の10月頃にっていう目処もあったんですね。そしたらちょうど芽生さんからお声がけいただいて、それがバースデーな上にご卒業という大きなイベントだったので、思い切って提案してみたらご快諾いただけて。
ーバカラのグラスって重たいから、積んでいくのも大変なんじゃないですか?
長根:そうですね。でも、重いからこそ通常のグラスとは仕上がりの質感がまったく違うんですよ。段数は少なくても、バカラのグラスってだけで厚みが出て高級に見えるんです。
ー割れたり、アクシデントはなかったですか?
長根:そこはさすがに1回目ですし慎重にいきましたよね(笑)。
ー以前のインタビューによると割れないタワーの組み方もあるらしいですね、企業秘密の。
長根:そんなこと言ってましたね!ちょっとプロっぽいこと挟んどかないとって思ったんだろうな(笑)。押さえるべき要点はあるんですけど、絶対割れないってことはないですよ。
ーデザインは依頼者からのアイデアをゴッサムさんが膨らませて作っていく感じ?
長根:そうです。ちなみに、その作り方ってキャバクラさんとホストクラブさんでも変わってくるんですよ。キャバクラさんは主役のキャバ嬢さんのやりたいイメージやデザインの希望に沿って作っていくんですけど、ホストクラブさんだと主役っていうより、主役のホストさんの女性のお客様のご意向に沿っていくことのほうが多いんです。
例えば、そのお客様がマイメロが好きだからマイメロをモチーフにしようとか。打ち合わせにも同席いただいて、「ここにリボンを入れたい」とか、こだわりをお伺いすることが結構あります。
ーそんな裏側が。キャラもののタワーって手間がかかりそうですね。
長根:規模感によって人員を当て込むので、タワーは小さいもので1時間以内、大きいものでも2~3時間あれば終わるんですけど、キャラものは細かい作業が入ってくるので時間がかかることもありますね。
金子:目の位置がちょっとずれてたりとか、それだけでブサイクになっちゃったりするんですよ(笑)。
長根:グラスを積み上げることより、そういうパーツの調整に時間がかかるんです。ただ、そういう細かい作業にもこだわっているから良いものができるのかなと思います。
ー当日現場で「間に合わない!」というピンチはないんですか?
長根:昔は何度かありました(笑)。でも、そういう経験を元にイベント開始2時間前には終わるスケジュールを組んだり対策をしているので、今はもうないですね。
ーなんだか私も頼んでみたくなってきました…! 打ち合わせから当日はどれくらい時間がかかるものなんですか?
長根:当日までの打ち合わせは1時間程度のを1~2回。先ほどの芽生さんのとか規模感がでかくなれば、1回2~3時間とかかかることもあります。芽生さんのは、ちょっとケタの違う規模感でしたね。
ー初めの打ち合わせから最短で何日くらいでできるんでしょう?
長根:明日やってくれと言われたら全然できますよ! 今からやってくれってこともたまにありますし、スケジュールが空いていればOKです。ただパフォーマンスとして、仕上がりのクオリティを保つために準備は万全にしたいので、こちらからお声がけする時は余裕を持ってスケジュールを組ませていただいてはいますね。
それに僕ら、ただモノを提供してるっていうよりは、キャバ嬢さんやホストさんの売り上げをもっと上げてあげたいって気持ちもあるんですよ。納期が先のほうが値段も安くなるので出費を少なくすることができますし、ゴッサムはオリジナルシャンパンをご提供するサービスがあるんですけど、そういうものの納期もある程度余裕が持てると、依頼してくださる方も僕らもベストな状態で当日を迎えられるなと。
ーそういう真心や柔軟さが支持される理由の一つなんでしょうね。お値段は非公開のようですが、定価はあるんですか?
長根:目安としての定価はありますよ。詳しくは直接お問い合わせください(笑)! とはいえ正直、歌舞伎町の価格帯とそれ以外の場所での価格帯も変わってくるので、その土地にもよるんですよ。
ー北海道とか、東京以外に出張することもあるんですよね。
長根:全然あります。近いとこだと群馬とか千葉とか。そのあたりはこのご時世でも元気で、月一でお仕事していますね。
ーキャバクラやホストクラブ以外にも出動することはあるんですか?
長根:普通のバーとか、ガールズバーやボーイズバー、サパークラブ、エンターテインメントバー、ショークラブ。あと最近はコンカフェさんが増えてますね。地下アイドルさんの生誕祭なんかも結構あって、ファンの方々がお金を集めてステージにセッティングしたりとか。水商売のお客様はお酒にお金をつぎ込むことが多いですけど、アイドルファンの方々のお金の行き所ってそういうところになったりするみたいですね。他にも企業のパーティー、結婚式、著名人の方のシークレットパーティー、TVドラマ撮影でのお仕事もあったりします。
ーコロナ以降、歌舞伎町の様子はどうですか?
長根:キャバクラさんはお客さんに大手企業の方々が多くいたりもする関係でまだまだかなって気もしていますが、一時期に比べたら戻ってきていると思いますよ。でも、やっぱりもっと街を盛り上げたいとは思いますね。そのために僕らももっと積極的に露出させていきたいんです。こんな変わってることをやってるよ!とか、こういうすごい人がいてこんなすごいことをやってるよ!って広く伝えたいなと。それが僕らの役割だと思っているところもあって。
ーゴッサムさんはSNSに力を入れていますよね。以前のインタビューでは、写真映えとか「かわいい」について常に考えているともおっしゃっていましたが。
長根:会社として、常に進化し続けていかなきゃいけないというのはあります。うちはスタッフに女性も多いんですけど、それは女性のほうが仕事が丁寧だったり、「かわいい」もやっぱり女性のほうがわかってたりするからで(笑)。僕だけ、おっさん一人だけで考えてても「かわいい」って追求できないので(笑)、どんなものが今かわいいのかは、現場含めて社内で情報を共有するようにはしています。
ー具体的に、「かわいい」を追求するためにしていることは?
長根:僕らはキャバ嬢さんがトレンドを作っているところがあると思っていて、キャバ嬢さんの投稿とかを見ていて、これはよく見るなっていうワードやモノをチェックしていたりしますね。例えば少し前ですけど「アルマンド」とかもそうで、それでアルマンドにちなんだタワーをやったりしていましたし。リリースするにあたっては、ある程度影響力のあるキャバ嬢さんに提案してご一緒して、SNSで露出して盛り上げていくような感じですね。
ー最後に、お仕事をしていて何が一番楽しいですか?
長根:一番楽しいのは、やっぱりお客さんのイメージしているものよりもクオリティの高いものが出来上がって、喜ばれている姿に直面した時ですね。お礼の連絡をいただいたり、インスタの投稿とかで。
金子:私も一緒で、自分の作り上げたものが形になってるのを見て、喜んでいただけるのが嬉しいですね。たいてい皆さんインスタに投稿してくださるので、いつも確認しています。
ーゴッサムさんのタワーは映え方が他と違いますもんね。売れっ子のタワーはたいていゴッサムさんと言うほど、信頼のされ方も尋常じゃない!
長根:メゾンドボーテのモデルさんたちのタワーもたくさん作らせていただいています(笑)。普通に考えたら、僕らはタワーやスタンドを設置してるだけ、提供してるだけとも言えるんですよ。でも「ゴッサムさんのおかげでイベントが成功しました」とか、その演出によってイベントが成功したと思ってもらえるのは、本当に嬉しいことですね。
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