前後編でお届けしている、歌舞伎町『RED』代表・椿麗さんのインタビュー。ホスト前夜から駆け出し時代が語られたホストヒストリーに続き、後編はお客様管理やSNS活用法、椿麗としてのブランディングなどより具体的なホスト術について言及。今後の野望についてもお話を伺いました!
麗さんはお客さん管理は得意ですか?
得意ですね。最初はすごく難しかったですけど。結局、不安と不満があるから大変になると俺は思ったんで。不満と不安を与えない。不安解消は最初のほうでも話した安心ルーティンと、とにかく気にかけていること全力で伝える姿勢が大事かな。たとえば僕が飲みに行ってつぶれて連絡できなかったとしたら。起きてすぐに電話したりインスタライブをして安心させます。最近お酒が弱くなっちゃってそういうことあるんですよ(笑)。
不満は“不満がたまる前”に解消することが重要で。「一緒に出掛けてくれない」とか「何もしてくれない」とか言われる前に楽しい予定を計画してあげる。気を配っていればそろそろこういうケアが必要だなって感覚でわかるんで。「この日空けといて、どこどこ行ってなになにしようよ」って自分から提案します。
予定が詰まりすぎて時間捻出できないみたいなときは?
そうならないように先手先手でスケジューリングしてます。定例の会議とか撮影とか予定が入りそうなとこはあらかじめ空けておいて、あとはお客様優先でどんどん埋めていくんで月末には来月の予定表が完成してる状態。それで、あらかじめ空けておいた枠にたまたま何も入らなかったときには、それが休日になるみたいな。
普段はプライベートな時間ってあるんですか?
ありますあります。「おはよう」のLINEを送ったところから椿麗が始まって、「おやすみ」のLINEを送ったら椿麗が終わる感覚なので、「おやすみ」以降がプライベート。夜3時に寝て朝9時に起きるとしたらこの6時間が僕の自由時間です。寝るもよし遊ぶもよし。ほぼ寝るんですけど、寝る前の2時間は犬や猫とふれあったりして楽しんでます。
ただ、本当に疲れて限界が来ちゃったら休みをもらって旅行したり、予定空けておいて何も入らなかった日は有給とって出かけたりしてます。たまに休まないと僕ダメなんで。自分の時間がなさすぎるとパンクしちゃうんです。
麗さんにとって転機になった出来事といえば?
やっぱり歌舞伎町に来たこと。REDのプロデューサーのブリ大根KAKERUさんとの出会いですね。横浜時代「歌舞伎町行きたいんだよね〜」っていう話をしていたらお客様がつないでくださって、すぐにKAKERUさんから「歌舞伎町考えてるんですか?」って連絡がきたんですよ。その速さにもびっくり!
そのときは僕がまだ経験不足だったんですぐ動くことはなかったんですけど、そこからLINEをするようになって。後々REDに入ることになるんですけど。KAKERUさんとつないでもらったことが結構人生の転機でしたね。出会ってなかったらここまで育ってないので。
ブリ大根さんといえばREDを人気店に押し上げた名プロデューサーとして有名な方ですよね。
天才ですよ! REDはもちろんプロデュースするPRISMも、オープン1年で月に1億近く売り上げる店に育て上げた人なんで。しかもKAKERUさん、立て替えとか売掛にはすごくキビしい人なんで、この1億は中身のある数字なんですよ。
売り掛けは禁止?
禁止ではないですけど、漏れがないように先月の小計の売上までしか売掛はできないっていう制度があるんですよ。小計100万までしか売ってなかったら100万まで。それも、うちのプロデューサーとディレクターの許可がないとできないんで。大概マックスまでは売掛できない状態になってます。僕も本当に信用あるお客様のときしかしないですね。
あともう1人特別な出会いをあげるなら同じくRED の鳳条歩。彼は組数がめちゃくちゃあって売上も1億超えてるトッププレーヤーなんですけど、何がすごいってトーク力がすごいんですよ。めちゃくちゃ面白い。日本一面白いんじゃないかってくらい。話し方、話す内容、笑いの取り方、彼から学んだことはたくさんあります。
歌舞伎町で名前が売れ出した頃のことって覚えてます?
1年目で1,300万いって、次の年に年間1億いったのかな。毎日が怒涛だったんでどうしてたのかあまり覚えてないんですね。とにかく全力で頑張るのみって感じで日々が過ぎていって気づいたら。ただ、毎日お金のことを考えてました。売上上げて知名度上げなきゃ何の価値もないと思ってたんで。
「どうしたら売れますか?」って聞かれたときどう答えてます?
今はまだ「見て盗むしかない」としか言えない。論理的に説明されてもわからないし、こうやって売れたよって答えたとしてもそれで売れてる人は見たことないし。見て真似て盗んでいくのが一番成長につながるなって思います。接客だけじゃなく見れるもの全部。最初のほうでも言いましたけど、僕は駆け出しの頃に同業の動画もSNSもホスホスもブログも全部見て、宣材写真の撮り方から何から全部真似してました。
研究熱心!
カッコよくなりたい、モテたいと思って雑誌見て髪型真似たりするのと一緒の感覚ですよね。みんな「どうしたらお客様できますか?」って聞くけど。僕だったらそういう参考にできるものを片っ端から見ますね。見て学べるこものからどんどん吸収する。
麗さんはSNSも人気がありますが、集客につながるSNSの活用法ってありますかね?
直接集客につながるわけじゃないけど価値を高めるっていう意味で、めちゃめちゃ忙しいふりしてます(笑)。忙しくなくないわけじゃないけど、僕はそんなに組数が多いわけでもないんですよ。それでも「ヒマ」って普段は絶対言わないです。
3日間くらい休んで久々に出勤したときとかは、「指名待ってます」とは言いますけど、それは自分のお客様に対して発信している感覚なので。で、年に数回くらいヒマとか初回指名欲しいとか言うみたいな。
ホストの方のTwitterやストーリーで「今日お茶」とか、「ヒマ」とかよく見ますけど。
しょっちゅう言ってたら無意味ですよね。逆に恥ずかしいことを言ってるなって見えちゃうので。なんの需要もないですからね。お前がヒマなのどうでもいいわって。
楽してワンチャン来てくれたらいいなと思っている人が多いんだと思います。ヒマだったら他に何かやることあるでしょって思っちゃいますけどね。
たまに言うから意味がある?
そこがポイントで。年に数回しか言わないことで「あ、今日ヒマなんだ!」とか、「初回指名行けるんだ!」って思った人がめちゃめちゃ来るんですよ。REDは卓数制限があって同時にかぶれるのは4卓までなんで、来すぎちゃって入れなくてごめんなさいってこともあるんですけど…。でも、それでも初回指名十数人くらいは入れますね。
「この日は初回指名の日にしよう」って決めて発信してる感じですよね。普段はヒマとか枠空いてるよとかをなるべく言わない。あと、疲れたとかネガティブな発言も一切しない。たま〜にわざと言うくらいで。
そういうブランディングみたいな。
SNSってキャラクター作りだと思うんですよ。実際どう思われているかはわかんないですけど、「完璧なホスト」をイメージしてます。どんなお客様が来ても対応ができて、絶対にお客様を雑にしない、お客様のことを第一に考える。そういうキャラクター。だからそこと矛盾した発言はしないし、SNSで言ったことは必ず全部やりますね。
「完璧なホスト」っていうキャラクターはSNS以外でも徹底しているんですか?
してます。玄関を一歩出た瞬間からどこで誰に見られてもいいように、価値を下げるような行動や自分を安売りするようなことはしないようにしてます。バーとかで「椿麗だー!」って知らない女性に声掛けられたり、LINE交換してくれって言われることもあるんですけど、絡まないですし連絡先交換したりもしないです。
そういうときはシカト?
いやいや(笑)。別に感じ悪くはしないですよ。話しかけられたらちゃんと挨拶はします。ただ、「指名をもらっていない人と連絡先の交換しないから」とか、「自分のお客さんが大事だから一緒には飲めない」とかそこはハッキリ言います。俺はこういう信念を持ってるよっていうのを伝える感覚ですね。男性は同業さんとかは付き合いなんで連絡先交換したりしますけど、女性とは一切しないです。
ですよね(笑)。
同業さんのエースのコとかが店に来たりすることもあるんですけど、そういうときはサブ担に徹して営業かけたりもしないですね。連絡先の交換はしますけど自分からLINEすることはないです。むしろ本担さんと頑張れっていうサポートに徹します。
それは仁義として?
そこは持ちつ持たれつ。そういうのって自分に返ってくるんで。自分が取ろうとしたら自分も取られるし、取らなかったらあのとき助けてもらったからってなるんです。本担と切れそうだから指名取れる、ラッキーとか思わない。そういうのダサいんで。指名を取ろうとしているのって傍から見たらダサくないですか? それが結構嫌で。自分が恥ずかしいと思うことをしたくないんですよ。そこはプライド高い(笑)。
麗さんから見て、売れてないホストの人に共通するものってありますか?
頑固っすね! 素直さが足りないというか。「言われたこと全部やります」と言いながら、「いや、それだけはゆずれないです」みたいな。
結構いるんですよ。そういうコにはそれ以上言わない。本当はそこからどう育てていくかなんですけど、僕もまだ従業員の育成に関しては勉強中なので、それ以上アドバイスすることが良いのか悪いのかわからないので。とりあえず今はアドバイスしてもやらないコにはそれ以上は言わない。
知らず知らず自分のやり方に固執していたりしますよね。
そう。人はみんな頑固ですよ。僕もめちゃめちゃ頑固だったんで(笑)。KAKERUさんからこうしろああしろって言われたことに対して、チッ面倒臭えなあとか、ヤダなあとか、それだけは譲れないとか、めっちゃありました。でもやらなきゃ怒られるんで嫌々言うこと聞いてやり続けてたんですけど、結果それが正しかったですよね。
麗さんも元頑固(笑)。
言われたことをやってよかったっていう経験を積むうちに頑固が直りました(笑)。
僕が歌舞伎町に来た頃ってホストは今ほどTwitterやInstagramをやってなくて、まだブログが主流だったんですよ。でもKAKERUさんから「Twitterは流行るから絶対やっときな」って言われて。それで最初は渋々とながらもずっと続けてたんですけど、そのうちREDがSNSで流行り始めて、そこから自分もバズったりとかして知名度も上がっていったんで。ほんとやっててよかったです。
素直さと、続けることってすごく大事な要素だなって思いますね。根気が足りない人ってすぐに結果が出なかったり少しでもミスがあったりすると、「失敗」と判断してやらなくなるんですけどもったいない。継続しなきゃ行動はルーティンにならないし、イメージやキャラクターって短期間じゃ浸透しないから。
昨年末でプレーヤーを上がり、今後はREDの代表として後進の指導にシフトする麗さんですけど、2022年はどんな年にしたいですか?
2022年は従業員のために生きたいです。今まで頑張ってサポートしてくれた従業員に今度は自分が返す番だし彼らをもっと売らせてあげたい。僕はこれまで人を育てたことがほぼ皆無なので自分のレベルアップのためにも人のために生きたいと思ってます。野望は“歌舞伎町一の代表”です!!
前後編2回に渡ってお届けしてきた椿麗さんのスペシャルインタビュー。いかがだったでしょうか。椿麗第二章はまだ始まったばかり。REDの代表となった麗さんの今後の活躍に注目です!!
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