かわいすぎるラウンジ嬢としておなじみ『NEXT 六本木』&『NEXT 銀座』のさゆさん。こんなにかわいいけど接客スタイルは「キャラ勝負、トーク売り」というさゆさんの接客術を前後編の2回に渡ってお届け! 『後編』となる今回は会話力の磨き方がテーマ。スキルを上げる実践的な方法も満載なので、夜職・接客業に限らずコミュニケーションに苦手感のある人はぜひ参考にしてみてくださいね♡
(前編で)そもそもはコミュニケーションはちょっと苦手なほうだと言ってましたけど。それは昔の話し?
今も基本はそうだと思います。人と話せないってことは全然ないですけど、根っから自然体でコミュ力が高い人とは違う気がします。ひとりの時間大好きだし人見知りだったりもするし。
でも、コミュ障な人ほど意外としゃべり倒す人いません? コミュ障って話せないってだけじゃなくいろんなパターンありますよね。私の場合は注目されたり、自分が中心になるような会話だと途端に上手く話せなくなっちゃったりするし、落ち着かなくなったりします。それを避けるために主役になる会話よりも話を引き出す“助演”側に回って、場を回していくようにしているっていう面もありますよね(笑)。
ちなみに今“人見知り”というワードが出ましたけど? さゆさん人見知りなの?
私、人見知りですよ。仕事の場だから人見知りを封印して接客業に徹することができてる。普段は意外と話しかけないです。挨拶だけはちゃんとしてあとは特に絡まなかったりするし。でも、挨拶さえできていればいいんじゃないかなって思ってます。おはようございます、ありがとうございます、おつかれさまです。これが言えたら普段はなんの問題もない。
人見知りにも幅がありますもんね。初対面の人と話せないだけが人見知りじゃない。
何も言わないのは人見知りとは違いますよね。それはただ礼儀のない人。人見知りの自覚がある人ほど自分からちゃんと挨拶するって決めておいたらいいかも。それだけしておけば不都合はないから♡
ちなみに初対面で人見知りがバレない方法ってありますかね?
目を見るのが恥ずかしかったら相手の鼻を見るのオススメです。鼻の付け根あたりを見てると相手からは目を見てるように見えるんですよ。でもこっちは目を見てないから意外と緊張しない。これ、面接でも使えるおすすめテクニックです。
あとは話すとき語尾を上げる。これだけで明るく楽しげに聞こえますよね。「ありがとうございます…」より「ありがとうございます!」。目を見るふりと語尾を上げるで印象激変。相手も絡みやすくなるし心を開きやすくなる。自分が「苦手」とか「こんなの無理」って思うとそれが伝わるから、相手もどう接したら良いかわかんないしテンション低いとあんまり楽しくないのかなって思われちゃう。全部自分の態度しだい♡
さゆさんって最初から今みたいに話せました?
やっぱり徐々にですよ。最初は苦戦してました。顔も見ない、無言…みたいな方もいらっしゃるので。ただ、18歳で夜始めたばっかりの頃にすごく感化された出来事もあって。
お店の売れてるお姉さんと一緒の席だったとき、たまたまお客様が全然口をきいてくれない難しい人で、お姉さんが完全に無視されていたことがあったんです。それでもお姉さんは「どういうコがいいんですか〜?」とか「あんまり話す気分じゃないのかな〜」とか普通に話しかけ続けて、ウザくない程度にくじけなかった。何か少しでも相手が反応するものを探そうと問いかけ続けるその姿を見て、「この姿勢をお手本にしよう!」って思いました。
嫌だったら席抜けてもいいと思うんですけど、そのお姉さんは自分が席に着いている限りは向き合おうとしてたんですよね。確かにチェンジって言われてないわけだし、早く抜けろよと言われてるわけではないからそのお客様も嫌ではないんですよ。嫌だったら最初から黒服に何か言うなり何かしらアクションがあるから。
そのお姉さんは「うるせーな!」とか言われたらどう返すんでしょう?
そしたら、「すみません♡ ちょっとしゃべりすぎましたね〜」みたいな感じで返しそう。多分どうきてもどうとでも返せる。売れてる人は根性がある!
無視し続ける人だったり、キツイ言葉をぶつけてくる人を接客したら心折れるかもしれないけど、そこで折れてたらこれからそういう場面に出くわしたときに乗り越えられない。ずっと逃げ続けることになっちゃう。だからこのお姉さんのように私も向き合い続けようって頑張ってました。
「この人嫌な人」とか、「苦手な人」だけで終わらせるのがもったいない。嫌だから逃げるって自分を守る手段でもあるけど、それって接客って言えるのかなって思っちゃう。接客って人と向き合うことじゃないですか。
嫌なこと言ってくる人にはどう対応してます?
そのことに対して過剰に反応しないです。「もしかしたら今日嫌なことがあったのかもしれない、だから機嫌が悪いのかなぁ」って寄り添う感じ? 萎縮したり暗くなったりすることなく普段通りの自分で接客します。
ふらっと来たこの人は、何か今日嫌なことがあったかもしれないし、すごく良いことがあったかもしれない。目の前にいる人のさらに奥を見る。ラウンジだったらそんな重く考えるなよって思うかもしれないけど、私は接客業をしている以上は、ラウンジでもキャバクラでもまっとうしたいんですよね。
今はもう無言の人も大丈夫?
難しいなとは思いますよ (笑)。でも、問いかけ続けることはします。仮に何も思い浮かばなくなったとしたら“引き出しがもうない”って言っちゃいますね。「緊張しちゃって言葉が出て来ない」とか(笑)。でも「話したい」ということは伝えます。
最終的に今の感情を言うという手も(笑)。
とにかく何か話しかけ続けることがミッション。完全に無言でいいですっていう人は会ったことないから。やがてなんとかなる♡
さゆさんは会話のボールを投げるのも上手そうですが、キャッチするのも上手そう。
めっちゃ拾い続けます! 守備力えぐいと思う(笑)。なんでもかんでも拾えばいいってものでもないんですけどね。ボケ殺しになっちゃうから。私はボケてる人をフォローしすぎて結構ボケ殺しをしがちなので気をつけてます(笑)。
会話のキャッチボールが上手くなるためには?
言葉の引き出しをいっぱい持っておくといいですよね。ボキャブラリーが増えれば増えるほど返しも上手くなる気がします。増やす方法としては単純なところで本を読むとか。芦田愛菜ちゃんはめちゃめちゃ本読むらしいですよ。だからあんなに返しが深い♡
インプットした言葉はアウトプットできて初めて身になると思うので、私は新しく覚えた言葉や表現をどんどん使ってみるようにしてます。そういう意味でも“話すことが仕事”な接客業って会話上手の早道ですよね。実地で訓練できるから。会話の中から新しい言葉や表現を覚えることもできるし。
自然と会話スキルは上がるだろうし意識してたらどんどん上手くなれそう。
接客業は毎回が一発本番ではあるんですけど、逆にすべてが練習だと思ってます。いっぱいしゃべる練習。苦手な人と出会ったら「あぁ、今日は苦手な課題の日か〜」とか「よし、今日はどう攻略しようかな!」とか。私はそんなふうに考えてます。そう考えるとちょっと楽しくなってくるんですよね。
会話力を上げるにはとにかく場数を踏むこと?
まずはそうですよね。場数を踏めば踏むほど自分の得意・不得意も見えてきて、自分に合うお客様、合わないお客様がわかってくるので。得意は伸ばしつつ、自分がちょっと苦手だなって思うことについても私は分析するようにしてます。なぜ苦手なのかを。傾向と対策みたいな。
苦手をあんまり放置したくないんです。苦手な人にはなるべく着かないっていうのもアリですけど、着いてしまったときでも対処法があれば心強い。無防備で挑むよりアドバンテージがありますよね。頭真っ白にならない。
さゆさんにも苦手な人っています?
強いていえば1人で来店するお客様は得意ではないですね。ピンのお客様よりも団体でワイワイ系を求められるほうが得意です。苦手というか、ピンのお客様だと向き合いすぎて体力の消耗が…(笑)。会話を掘り下げすぎちゃって。すごく濃い時間をすごせるんですけど、そのぶん消耗が激しい。
“苦手分析”的にはどういう傾向が?
それは自分の逃げ場がなくなっちゃうからですね。私が一番イキイキするというか本領発揮できているなって感じるのは大勢の中で会話を回しているときなんです。MCのポジションで場を盛り上げていくのが好き。そういう周りをまとめるのが得意な人って頭を使っているようでいて、周りがしゃべってくれているからそんなに消耗しない(笑)。
(前編で話した)“助演”が得意っていうのも、主演(お客様やその場の中心になるコ)がいるからなんですよね。主演が輝く場や話題を提供することは得意なんですけど、逆の立場になるとめちゃくちゃ弱いww ピンのお客様を接客するときって、相手も主演、私も主演、ダブル主演みたいになるから(笑)。
言われてみれば確かに!
そういうときは自分が主役の日。「今日は脇役にスポットが当たるスピンオフの日だ!」みたいな(笑)。そういうふうに認識することで少し楽になります。
接客業って奥が深いですね。
いろんな人がいて、こういう人にはこうっていう正解の接客ってないし、どれだけたくさん話しても同じ会話ってない。だから面白いですよね。
楽しかったなぁっていう時間と場を誰かと共有できることもこの仕事を続けている意味。私の中では思い出作りっていう意識もすごくあるんです。ただ仕事っていうだけじゃなく誰かと一緒に1つ1つ思い出を作ってるっていう感覚。自分の人生のページを増やしていくみたいな。
その境地までたどり着けたら楽しそう。とりあえずボキャブラリーをもっと増やしたい。
私もです! 日本語って表現の幅が広いじゃないですか。そこも会話の面白味だなって思います。こないだ友達が“お給料が少ない”っていうことを、「雀の涙ほどの給料しかないよー」と言ったり、“昔を思い出して懐かしいなあ”っていうことを、「懐古してる今」と言ったりしていて、こういうのいいなぁ面白いなぁって思いました。
なんてことない話題でも言い回しや表現ひとつで面白くなったり味わい深くなる。比喩やたとえ話が秀逸だと伝わりやすくなって共有できる感情も増える。言葉って楽しいですよね。言葉や表現をもっと増やしていって、さらに話し上手、返し上手になっていきたいです♡
会話上手になるための提案や経験が語られた『後編』いかがだったでしょうか。接客を“会話の練習の場”と捉えたら臆せずいろんな話ができそうですよね。苦手な人と話す場面も「苦手の分析」と考えたら向き合える気がしてきました♡
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