社長、モデル、YouTuber、キャバクラから美容クリニックのプロデュースまで幅広く活躍する愛沢えみりさん。その原点ともいえるキャバ嬢としての歴史を完全プレイバック。秘蔵エピソードとともに語り尽くす『愛沢えみりヒストリー』も今回が最終回。2億5千万円を売り上げた伝説のラストイベントの裏側に注目です!!
第1回:鬼電で鍛えた 愛沢えみりの「人を呼ぶ力」
第2回:太客探しの旅に出たラストバースデー1カ年計画!!
27~28歳
メゾンドボーテ始動♥全国キャバクラ行脚
―メゾンドボーテでキャバ嬢のコのコラムがスタートしたのが2017年だったと思いますが、これはえみりちゃん主導で始まったんですか?
動き始めたのはその前年とかで当初は会社主導だったよ。「キャバ嬢個人を取り上げるようなサイトはまだないからやっていこう」っていう話が出て。でも、最初は超やりたくなかったの。自分が第一線だった頃から数年しか経ってないから、まだ「自分が一番!」を引きずってたんだよね。誰かと並ぶってことが嫌だったの。先頭だったらいいけど並ぶのヤダみたいな(笑)。
―女のコを立てなきゃいけないですしね。
でも、今までキャバ嬢として頑張ってきた自分だからこそ世の中に伝えたいこともいっぱいあるわけで。それを考えたときに、いろんなコと一緒にキャバ嬢っていうジャンルそのものを盛り上げていったほうがいいんじゃないかって思ったんだよね。売れてるコは超頑張ってるわけじゃない? 真剣に仕事に打ち込んでいて、そこにはいろんな思いとか努力とかめちゃくちゃあるわけで、それをもっと世の中の人に知って欲しいと思って作ったのがメゾンドボーテだったの。
―いきなりヤル気になった♥
それで、まずは歌舞伎町のコに声をかけて出てもらって。やっぱり自分から声をかけたわけだから、そこで自分が一番だったらじゃ変でしょ。そこから自然と、他のコが目立つように、そのコのかわいさとか良さとかを前面に出せるようにっていう感覚にちょっとずつ変わっていったの。自分が目立つとか別にどうでもいいみたいな。
―この頃、日本各地のキャバクラに行ってましたよね?
全国の売れてるキャバ嬢のコに会いに行ってた。で、いいなって思ったコには後日、自分からメゾンドボーテの出演交渉をして…。その頃はもうインスタがブワーッと普及していたから、キャバ嬢のコからしたら全国から会いに来てくれてこそ一流みたいな感覚だったの。だからこそ自分が行かなきゃいけないと思って行ってたの。今でこそメゾンドボーテも認知されているけど当初はまだ認知されていないし、女のコもそこに出る意味がわからないわけで。そこに売れてるコを呼ぼうと思ったら自分が動くしかないよね。
―あの愛沢えみりが自らが店に足を運んで、「出てください」ってお願いする。そこまでされたら考えますよね。
それこそ20代前半に鍛えた「人を呼ぶ力」と「嫌われてもなんでもいい根性」が役立ったところだと思う。「プライドがないことがプライド」も健在(笑)。でもそれでほんとに、売れてる実力のあるコたちがたくさん出演してくれてメゾンドボーテが超人気になったの。それが28歳くらいの頃だね。
―初期に登場した方たち、みんな超有名人になられましたね。
門りょうちゃん、エンリケちゃん、進撃のノアちゃん、彩花ゆいちゃん、一條りおなちゃん、貴咲モエカちゃん……etc。夜の世界ではもう既に有名だったけど、メゾンドボーテに出た頃はまだあんまり昼の世界の人たちには知られていなかったから。なんていうか、みんなが一緒になったことがよかったんだと思う。感慨深いよね。メゾンドボーテやってよかったなって思う。
―「自分が一番!」からずいぶん変わりましたね。
変わっていくんですよ人は。だから、何かやるときはたとえ気持ち的に「ヤダな」って思っても、直感が「やったほうがいい」っていってるならやったほうがいいんだよね。そこから自分のほうが変わることは多いから♪
29歳
-フォーティーファイブ改革完了♥-
―メゾンドボーテと同時期にフォーティーファイブのプロデュースも始めましたね?
いろんなお店に行っていろんなかわいいコに会って、「メゾンドボーテすごいですね」とか言われて嬉しかったんだけど、ハッと我に返ったときに自分のいる店が他のお店に比べて良くないってことに気づいたの。「フォーティーファイブ超ヤバイじゃん」みたいな。それまでは自分の店のことちょっと忘れてたの(笑)。そこからですよ、フォーティーファイブを超良くしたいと思ったのは。
―パッとしないことは折り込み済みというか、むしろそこが良かったのでは?
26歳でフォーティーファイブに移ったとき、「なんであんな店に」とか「レベル落ちたね」とかいろいろ言われていて。でも、どうでもいいから気にもしていなかったんだけど、それが2年経って違う形で気になりだしたの。もっとこの店を良くしたいって。メゾンドボーテを通して人や物を「もっと良くできる」ってことに目覚めたからだと思う。
―プロデューサーの素質が開花♥
それで、ミーティングにも毎日出るようになったの。そしたらやっぱり、「それはどうなの?」と思うところがたくさんあった。よくこれでやってこれてたなみたいな。それでとりあえずキャストの立場から店をよくしようと思って気になるところを全部伝えたの。「店が暗い」とか「スタッフの動きがよくない」とか「女のコに対してのケアが足りない」とか。それこそインスタに上げる写真の撮り方までアドバイスして。でも、伝えておまかせじゃ安心できなくて、実際に店の運営をキャスト側から体感して、その不具合を伝えて修正していくってことをしているうちに、気づけばまさかの週6出勤www だから、プロデュースをしようと思って始めたわけじゃないんだよね。自分のやってることが「これプロデュースだな」と気づいてからそういう役割にしてもらったの。じゃないと、いちキャストが運営に口を出すっていうよくわかんない立ち位置になっちゃうから。
―いきなり第一線に復帰!
そのときってメゾンドボーテもあるし、EmiriaWizもあるし、めちゃめちゃ昼も忙しかったから超死にそうみたいなwww 23歳の頃も多忙すぎて死ぬと思ったけど、その比じゃなかった(笑)。でも、EmiriaWizもメゾンドボーテも全部引けないじゃん。その上でフォーティーファイブも良くするって決めたから突っ走るしかねえ!みたいな(笑)。で、そうするうちに店もどんどん良くなっていって、お店の改装も終わってこれが完成形と思ったときに響ちゃんを誘ったの。ちょうど響ちゃんが移籍を考えて悩んでいたときだったから、「店を変えるんだったら一緒にやろう」って。「一緒にめっちゃいいお店作ろう、これまでになかったくらい派手で華やかでかわいい店目指そう」って。
―一条響さんの電撃移籍。入店2週間に3,000万以上売り上げたことでも話題になりましたね。
自分がめちゃめちゃ売上を立てるほどキャバ嬢に専念できないから、その部分を響ちゃんがすべて背負ったみたいな感じ。でも、あのとき誰も響ちゃんが動くなんて思わなかったと思う。既にめちゃくちゃ売れてる有名嬢だったから。でも、私から見るともっと上にいけるのにってもどかしいところもすごくあったの。それで一緒にやろうっていう話になって、そこから「響、走る」みたいな。驀進!!
30歳
-12年のキャバ嬢人生に幕を下ろす-
―その後、2019年の3月で現役を引退されますけど、それはいつから考えてたんですか?
お店の改装が終わった年のフォーティーファイブの周年イベントのときだから、29歳になったばかりの頃だね。周年のとき、お店の前にありえないほどの数の胡蝶蘭が並んですごかったの。見たことないって言われた。それ見て、「これが完成形だな、これでもう安心して辞めれるわ」と思って現役引退を決意したの。すべてやり切った感があったから。もう十分だなって。
―花道通りにお花がバーッと並んですごかったですね。
他のお店の前に勝手にお花を並べるわけにはいかないから、1軒1軒事前に許可を取ったんだけど、みんな快く了承してくれて嬉しかったよね。
―ちなみにイベントの売上は?
2日間で2億5,000万だったと思う。
―2億5,000万円!! その記録を塗り替えるの無理そう…。
そうかな? でも、ぶっちゃけ最後のイベントなんてやらないで終わりにしようと思ってたのよ。自分の中では24歳のバースデーでキャバ嬢は辞めてるし、イベントもそれを最後にしようと思ってたから。最後のほうは出勤もほとんどしていなかったから、それで引退イベントだけやるのも変でしょ。1カ月くらい会社の人とやるやらないで言い合ってた。私は「やらない!」一点張りだけど、「思い出としてやれば? やらなきゃ後悔するよ」って言われて。「でもお客さん来ないよ」「それでもいいからやりなよ」みたいな。
―フタを開けたら入り切れないほどの大盛況でしたね。
最後だから同業の人がいっぱい来てくれたの。ほぼ同業だったね。ジェントルに入って一番最初のバースデーのとき、来てくれたのは全部お客さんで同業はほぼゼロで。最後のイベントはほぼ同業の人。それが良かったなって思った。売上どうこうより、全国から同業の人たちが来てくれたことが嬉しかった。キャバ嬢やってて良かったなって思ったよ。
―フォーティーファイブのプロデュースはその後も続投?
それは今も続けてる。1つ達成すると次にやりたいことがまた出てくるから。それで2店舗目を出したいって目標が生まれて『OVERTURE(オーバーチュア)』も出して…。ただ、最近は会議に出るのはやめました。自分が現場にいないのに、「こうしたほうがいい、ああしたほうがいい」とか細かいこと言っても説得力がないし、アドバイスが文句に聞こえちゃう。結果、悪いほうにしか行かないから直接介入はやめたの。代わりにお店に行って、女のコが孫のような気持ちで相談を聞いてる。寄り添ってただただ話を聞いてる。中心にいて店を変えていくんじゃなくて遠隔で店を良くしてこうみたいな感じ。スタッフに任せることも新しいやり方だと思って様子を見てる♥
―12年のキャバクラ人生を振り返ってみて、あらためてどんな想いがありますか?
いや、良かったよね。今の自分のすべての土台になってる。よく、「社長になりたいからキャバクラやった」とか言われることもあるけど、何かになりたくてその手段としてキャバクラを始めたわけではなくて、全力でやっていくなかで次にやりたいことが見えてきただけだから。本気で頑張ったことが良かったんだなって思う。
―キャバクラを頑張る原動力は「一番になる嬉しさ」でしたもんね。
「なんでキャバクラやってるの?」って聞くと、「将来アパレルをやりたいから」とか「えみりさんみたいに社長になりたいから」とか、そう答えるコは多いしそれはそれで良いことなんだけど、りょうちゃんにしてもエンリケちゃんにしても、昼で成功するためにキャバ嬢をやっていたわけではなくて、本気でやった結果そうなっただけだから。先のこと考えず全力で打ち込んでみるっていうのも悪くないと思う。
―1番になれなかったとしても、本気で頑張っていれば次につながりますか?
売れるとか1番になるとか単なる結果だから。次につながるとかそういうことも考えず、とりあえず一回本気で頑張ったほうがいいんじゃないかな。そのほうが自分の良さを発揮できると思うし、全力で頑張っているとそこから何かが絶対見えてくるから。キャバ嬢なんかと思わず、本気で頑張るのがいいと思います♥
3回に渡ってお届けしてきた「愛沢えみりヒストリー」、いかがだったでしょうか。なりたいものがわからない、やりたいことがない…。そんな人こそ、いま目の前にあるものに本気で取り組んでみてはいかがでしょうか。その先にきっと進むべき未来が見えてくるかもしれません♥
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